7−15、蒼月 side
7−15、蒼月 side
「あぁ、赤目・赤髪の奴しか俺とは会話できないって。」
モーブはそう言うといったん口を閉じた。
「はぁぁぁぁ!!?何よそれ!っじゃぁ、ほかの3人が聞こえないのって……」
沈黙が流れた部屋に、それを切り裂くかのような私の声が響く。
「赤目・赤髪じゃないから、だな。」
私の言葉をマルスが継ぐ。
(……なんか、単純。)
そう、私は思ってしまった。
「兄貴。
事情は分かったのじゃが………。ソウは赤目・赤髪ではあらぬのに、何故、会話できるのじゃ?」
ピシっ
空気が固まった。
(そう言えば……)
王にもプラムにも“エンジの娘”ということだけ伝えてあるだけで、私が“赤目・赤髪持ち”だという事は言っていなかったのだ。
”赤い瞳に赤い髪の女性”
それはこの世界では『世界の危機』を示すようなもの。
(まっ、マズイ……(汗))
そんな緊張の走る中、リオウさんが「っま、まぁ、ソウ様はエンジ様の娘なのですから、例外なのでしょう。」とフォローを入れてくれた。
「………納得いかぬのじゃが…、まぁそう言うこともあるのかのぉ。」ととりあえず矛先を収めてくれるプラム。
(……リオウさん、ありがとう!!!)
心の中でリオウさんに感謝する私。
するとモーブが……
「……おーい。お前、自分が“赤目・赤髪持ち”って言ってないのか?隠しているから髪が蒼いのか??」
「赤いほうがお前に似合っていて奇麗なのに…」と文句をつけるモーブ。
「黙ってなさい!!モーブ!!!!!」と聞き取れないくらい小さな声で、「バレたら命に危険が出るかもしれないのよっ!!」とモーブをたしなめておく私。
そんなことをしなくてもプラムにはモーブの聞こえないのに、ついつい私はやってしまった。
御意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘はして下さると嬉しいです。