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7−2、マルス side


いつもご愛読ありがとうございます。


更新強化はこれで終了致します。


次週からまた、毎週土日のどちらかに1話UPしていくつもりです。



7−2、マルス side



「ソウの帰る方法が見つかった」と分かった瞬間(しゅんかん)、俺は喜んでやらなくてはならないのに「ソウを手放したくない」という感情にとらわれてしまった。



「ソウ……。」

「なに?」



そっけない返事。



(…俺はソウに何を期待しているのだ?)



「急には…、帰らないな?」

「ん、うん。何?真剣(しんけん)な顔して。」



(やはり放したくない…)



視線がソウと絡む。

じーっと俺の目を見続けるソウ。



無意識(むいしき)に手が伸び、ソウの(ほほ)(つつ)む。

一瞬、キョトンとしたソウは触れている俺の手に目線を映した。




その後、両手で頬に触れている俺の手を包んでゆっくりと(まぶた)を閉じたソウは、安心しきった顔をして自分の手で包んだ俺の手に首をかしげて体重を少しかけてくる。




甘えられているようで少し(うれ)しい気持ちで胸が温かくなる。

今、ソウと俺の間には(おだ)やかな空気が流れており、とても心地(ここち)が良い。



()れたい…)




ソウの安心しきり、甘える顔を見ているとそんな気持ちがちらつく。


ふとソウの(くちびる)に目が行った。




(触れたい……)




()()せられるようにソウの唇に口づけを落とす。




急に真っ赤になったかと思うと頭を抱えて「は?……っへ??」と言い出すソウ。




自然とその様子に俺は笑みがこみ上げる。




(かわいい………)




気がつくとソウを抱きしめていた。




(そうか……、俺は…)



段々とソウを抱きしめる力が強くなる。

それに伴って体を固くしていくソウ。




(俺はソウが好きなのか。)




理由が分かれば、先日からの不自然(ふしぜん)な胸の痛みも理解できる。




「…ソウ。突然ですまない。」



ソウからの返事はないが、ピクっと肩が()ねた。




(……話は聞こえている。)




「ソウ。好きだ。」



(いっ)(ぱく)、おいて腕の中のソウが勢いよくガバっと顔をあげた。




「はぁぁぁ!!?」




(……おい、目と口を開いて言う言葉がそれか!!)




そう思いつつも「ソウのそんな顔も可愛い」と感じている以上もう手遅(ておく)れだろう。





“人間、自覚(じかく)すれば強くなる。”



とはよく言ったものだと、苦笑(くしょう)してしまった。




御意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘はして下さると嬉しいです。


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