5−6 蒼月side
5−6 蒼月side
「おい。」
「“おい”っじゃ、ありません!」
「…ソウ姉ちゃん……。僕たちのこと完全に忘れてたでしょ…………」
マルスに言い返しながら、ティルのちょっと呆れている顔を見た。
(あちゃ〜。マルスとの不快な会話を無視したかっただけなのにティルのこと、忘れてたよ…。)
「ごめん、ティル。」とティルにだけ(・・)謝った。
「俺には謝罪はないのか?」
「ありません!!」
ジト目で言ってくる彼に切り返す。どうも、彼は私の気に障るようだ…。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて下さい。」と、いがみ合う私たちに割って入るリオウさんに「そうだな、この調子では話もできん。」と忌々(いまいま)しげにマルスは言う。
(一体誰のせいだ!誰の!!)
と眉間にしわを寄せ、目を吊り上げて心の中でツっこんでみる私。
「ソウ姉ちゃん…。顔、怖いよ。」
「あ、ごめん。ティル。」
(子供には罪はない。怖がらせちゃダメ。でも、罪あるのは私を不快にさせたコイツだ!!)っと彼を睨みつける。
「…何か、言いたいことがありそうだな。ちょうど良い、俺も言いたいことがある。」
私の目線に気がついたらしいマルスは、話し出した。
「おまえの“赤い髪・赤い目”、エンジ様の“ブレスレット”と“性別”が非常に厄介だ。選択肢やるから、どうするか選べ。」
(はぁ?どういうこと??)
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