5−5 蒼月side
5−5 蒼月side
リオウさんから“王族の装飾品”について説明があった。
私が着けている父さんのブレスレットには、第一位王位継承権者を示す“ルビー”がはめ込まれ、父の王族個人紋章である“アゲハ蝶”がある。
これは、“王族の装飾品”にして、“翻訳機”のだということがこの説明でわかった。
(そうだ、確かめてみよう。)
「リオウさん。」
「はい。」っとにこやかな笑顔付きの返事があった。
「今からこのブレスレットを外します。その時に話しかけてください。
そして、私がもう一度ブレスレットをはめたら、外した時と全く同じの話をして下さい。」
まだ完全に父さんがこっちの世界の住民だなんて信じちゃいない。それに、いくら少し父さんに顔が似てると言っても、この“マルス”が血縁者とは簡単に納得できはしない。
このブレスレットがリオウさんの言う“王族の装飾品”で“翻訳機”ならば、これを外せば、異世界から来た私にはリオウさんの言葉が分からなくなるはずだ。
(そうしたら、父さんが「こちらの世界の住人であった」かもしれない。という事実は認められるはず…)
「わかりました。では、ブレスレットを外して下さい。」
リオウさんからの返事を聞いて、私はブレスレットを外した。
……………カチッ
「さぁ、リオウさん。話して下さい。」と目で合図。
コクっとうなずき、リオウさんが口を開いた。
「※◎×△、○※○××☆◆、○※※※※☆××△◎▲。」
(うそ…。ホントに何を言っているか分からない……。)
「リオウさん、では、もう一度お願いします。」
そう言ってまた、ブレスレットをはめた。
……………カチッ
また目で合図。
「今日は晴れており、風もないので、海は凪いでいますね。」
「ありがとうございます。
リオウさん、先ほど私がなんと言ったかわかりましたか?」
ブレスレットを着けると、言葉は理解できるようになるのは本当。ならば、言葉を伝えるのはどうだろうか??
「いえ。何と言われたのかわかりませんでした。」
「「では、もう一度お願いします。」って言ったんですよ。
どうやらこのブレスレットは、本当に翻訳機みたいですね。」
(これじゃあ、“父さんがこっちの世界の住民だった”ってこと認めなきゃダメね…)
はぁぁ〜〜〜〜〜………………
私は腹の底から吐き出した長い溜息とともに、がっくりと肩を落としたのだった…。
ご意見・ご感想、誤字・脱字は教えて下さると嬉しいです。




