表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/20

4章7節

 緋音たちは街に入り、ギルドに帰る。


「よぉ、ケイの兄貴。今帰りか?」

「あぁ。アカネとダンジョンに行ってたんだ」


 ギルドに入ると、冒険者が話しかけてきた。

 緋音は彼と話したことなかったが、いつも仲間たちと一緒にギルドにいる。


「良いなぁ。おれも行きたかったなぁ」

「アカネと一緒ってことは、1階層からか?」

「うん。久しぶりの上層階だったよ」

「なら、ロカ姉さんは今回出番なしだったわけっすか」

「たしかに回復師としての出番はありませんでしたけど、その分、後方支援しましたからね」

「今日は10階層まで行ったんだが、フロアボスのところでアカネが魔石付きの短剣を引き当てたぞ」


 なぁ、とエリカに話しかけられ、緋音は魔法の鞄(マジック・バッグ)から短剣を出して見せた。


「まじかよ!」

「そんな上層階で出たのいつぶりだ!?」


 短剣を見た冒険者たちが騒ぎだす。


「というわけで、俺たちは今から短剣と魔石の鑑定をしてもらうから、また後でな」


 ケイがそう言い、緋音たちはカウンターへ行った。


「さて、短剣を見せてもらおうか」


 先ほどの会話を聞いていたらしいカウンターにいる男性に、緋音は短剣を渡す。


「これは……火の魔石だな。しかも、恐ろしく純度が高い」


 男性は短剣を様々な角度から見ながら言う。


「光も綺麗に反射してる……刃自体の切れ味も鋭いな……」

「この短剣って、そんなに凄いんですか?」


 みんなが凄いと言うが、緋音にはいまいち分からないため、尋ねた。


「あぁ。この切れ味だけでも十分凄いんだが、それに加えてこの高純度の魔石だ。もちろん魔石付きの短剣なんてどこにでもあるが、これはダンジョンの10階層で出るような代物じゃねぇ。これみたいに魔石が付いた武器は、その魔石の効果を武器に付与できるんだ。例えば、これを使えば魔法を使わなくても、火を使ったみたいに焼き切れるんだ。どうだ、凄いだろ」


 男性は一息に言うと、短剣を緋音に返した。


「これ、大事に持っとけよ」


 男性のその言葉に、緋音は頷く。


「よし、次だ。今回の魔石はどんなのだ?」

「これだ」


 緋音たちはそれぞれの魔法の鞄(マジック・バッグ)から魔石を取り出した。


「こっちはいつも通りだな。……大きさも重さも異常なし」

「それじゃあ、今回もオレットさん行きだな」

「魔石はギルドで買い取らないんですか?」

「未精製じゃ、うちでは何もできねぇからな。それに、オレットに渡せば上手いこと使ってくれる」


 お前も知ってるだろ、とでも言うように男性は緋音を見た。

 緋音は魔法の鞄(マジック・バッグ)に触れる。その中にある、丸い魔石の付いた杖。

 なるほどこれを作った彼ならば、扱いこなすだろう。



 ◇◇◇◇



 緋音たちは、受付カウンターへと移動した。

 カウンターには、フィラがいた。


「ダンジョンでの討伐ですね。こちらにカードをかざしてください」


 水晶にカードをかざすと、いつもと変わらず淡く光った。

 カードをしまってから、緋音はフィラに尋ねた。


「合宿って、まだ申し込めますか?」

「できますよ。参加しますか?」

「はい、お願いします!」

「では、こちらの水晶にカードをかざしてください」


 フィラは、カウンターの下から小さな水晶を取り出した。

 緋音がかざすと、今までと違い、蒼く光った。


「参加申し込み完了です。詳しい日程などは、こちらを見てください。当日はここ、ギルドに集合です」


 フィラは緋音に、合宿について書かれた紙を渡した。


「なんだ、アカネ。合宿に参加するのか」

「ティア支部長!」


 フィラが声をかけたのは、その長い銀髪を揺らしながら歩いてくるフォティニアだった。


「ティアが下りてくるなんて、珍しいな。……もしかして、仕事から逃げてきたのか」

「そんなわけあるか。一段落したから、少し様子を見に来ただけだ。そしたら、面白そうな話が聞こえたのでな」


 鑑定場から先ほどの男性がやって来て、親しげに話し始めた。

 フォティニアが緋音の方へと向いた。


「合宿参加者の職業は様々だ。参加者たちの動きをよく見て、そこから、戦い方の幅を広げてみると良い」


 フォティニアの経験談のような口ぶりに、緋音は大きく頷いた。



 ◇◇◇◇



 それから数日が過ぎ、ついに合宿の日がやって来た。

エリカは「エリカの姉貴」、レニアは「レニア兄さん」と呼ばれています。


お読みいただきありがとうございます。

これにて、1幕―始まりの街編―は完結です。

次回更新は7月11日(土)です。

1幕キャラ紹介をします。

よろしければ、ブクマと評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ