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チーム・レオン その拾 そしてチーム・リラ その参

 予定よりも早く王都に到着出来たな。そんなに急いだつもりは無かったのだが……まあいいか。

 城門を警護している門番にギルドカードを見せ、王都内へと進んで行く。

 王都へ着いたのは良いが、今日の宿はどうするかな。

 初めに頭に浮かんだのは「王城」だ。ガルド王に事情を話せば快諾してくれるだろう。

 だが、今は「冒険者」としてここに居るのだ。ならば宿も冒険者らしくいこうか。

 という訳で、ここは例の宿屋に泊まろうと思う。その宿とは勿論、

「これはこれはレオン様。再び当宿をご利用頂けるとは。光栄ですな」

 悪趣味な金ピカの内装。揉み手をしながら、胡散臭い笑顔で接客する店主。

 そう、その宿とは、『高級宿・極楽』の事である。まさか再びここを訪れる事になるとはね。人生本当に何が起こるか分からんな。

 ここに初めて来た妻達は、建物内を興味深そうに眺めている。ここまで悪趣味な宿など、そうそうお目に掛かれんからな。存分に見ると良い。

「今日一晩お願いします。全員で十一人なのですが……」

「問題ありませんです、はい。最近の事ですが、新たに二十名様までお泊り頂ける「デラックス・ゴージャス・スイートルーム」というサービスを開始いたしましたのです、はい」

 何と言うか……名前を聞くだけで、どの様な部屋かが分かるのは……うん、良い事だよな。

「では、お願いします。代金は……」

「はい。お一人様1000Gになります」

「それは、「ゴージャス・スイートルーム」と同じ値段ですよね?」

「その通りでございます。新しく開始した「デラックス・ゴージャス・スイートルーム」のサービス内容自体は、「ゴージャス・スイートルーム」と同じになっております。単純に広いお部屋にご案内させて頂いているとお考え下さい」

 成程ね。まあ、これ以上の金額になると誰も泊まらなくなるから……という理由もありそうだな。

 そんな訳で、俺達は「デラックス・ゴージャス・スイートルーム」に宿泊する事にした。

 部屋の中は、名前に違わぬ広さだ。それと我が家の風呂には及ばないが、そこそこの広さを持つ風呂も完備されていた。個人的には好感触だよ。

 提供された食事も大変満足のいく物だったな。俺としては、一泊1000Gは安いとすら感じたよ。

 まあ、だからと言ってこの「デラックス・ゴージャス・スイートルーム」が流行るかどうかは分からんがね。

 ああ、最後に一言。今夜は「夫婦の営み」は無しだぞ? ……そんな顔をしても駄目だ、我慢しなさい。

 そんな水面下の戦いに勝利した俺は、今夜の安眠権を獲得し穏やかな気持ちでベッドに横たわるのだった。

 ああ……素晴らしきかな、安眠。

 こうして俺の意識は暗闇へと沈んでいったのだった……。




     オリーブ視点

「……んっ」

 眠りから目を覚まして、辺りを見回します。

 巨大過ぎるベッドの上には、私の家族が眠っていますね。いつもより数は少ないですが。

 普段なら一番に起きているマリーもまだ眠っています。珍しいこともあるものですね。

 では、普段マリーがしている仕事を、代わりに私がやっておきましょうか。

 昨夜は、夫であるレオンさんが不在だったので、ベッドの「後始末」は不要ですね。

 なら、先ずは窓を開けて空気を入れ替えましょう。

 そう思い、窓を開けると……。

「まだ日が昇っていませんね……」

 窓の外には、暗闇が広がっていました。マリーがまだ起きていない理由……なんてことはありません、私が早く起きてしまっただけでしたね。

 窓を開けた後は、自身の身嗜みを整える事に時間を使いました。しばらくすると、マリーが起床しました。

「おはよう御座います、オリーブ」

「おはよう、マリー」

 その後も順次、寝ていた家族たちが起き出しました。そして全員が起きて、朝食を食べる席で今日の予定についての話し合いが始まりました。

「……今日は……ダンジョンに……潜る……」

 と、私達のリーダーであるリラが、一番初めに発言しました。

「連中……『魔導を極めし侵略者(アビス・ディザスター)』についての情報収集はどうしますか?」

 その言葉にローリエが質問をぶつけました。確かに、優先するのは連中の情報ですよね。そことのバランスが重要です。

「……今日は……様子見……そんなに長くは……潜らない……」

 成程……それならば、ダンジョンの探索を終えた後でも情報収集は可能ですね。

 今回、私達が挑むダンジョンは、『千変迷宮』と呼ばれる上級ダンジョンです。

 一つのフロアがとても広く、ダンジョン内で遭難する者が後を絶たないと言われているそうです。

 その広大なフロアの何処かに存在する「石碑」を目指して進むのが、このダンジョンのルールなのだとか。

 その石碑が先に進む為の「入り口」であり、脱出する為の「出口」でもある。

 ダンジョン内で手に入る「転移石」と呼ばれるアイテムを使う事で、進んだり戻ったりが出来るらしい。「赤」の転移石で進む。「白」の転移石で戻る、といった仕掛けだとか。

 この説明を聞いて、私は恐ろしさで震えそうになりました。つまり、ダンジョン内で「転移石」を手に入れる事が出来なければ、進むことも戻ることも不可能になるのです。最悪、ダンジョンの中で何日も過ごす破目になる。

 一応、救済措置……と言いますか、この「転移石」はギルドで販売をしているそうです。

 ただし、「赤」の転移石はそうでもないのですが、「白」の転移石は法外な値段で販売しているのだとか……。

 脱出の為の「転移石」は、皆が求めますからね。値が上がるのは仕方が無いのでしょうが……それでも冒険者の為に、値を下げるのが当然だと思いますけれどね。


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