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同業者の実力を見極めようの会

「遅い! 私達を待たせるとは良い度胸ね!」

 ギルドの近くにある訓練場にやって来た。相変わらずギャーギャーと騒いでいるが、無視だ。

「そう言えばまだ名乗ってなかったわね。私は「雪月花せつげっか」リーダーにして長女のネージュ。こっちの金髪が次女のリーニュ。それでこっちの赤い髪が三女のフルールよ」

「リーニュです。姉がご迷惑をおかけして申し訳ないです」

 リーニュと名乗ったのは、金髪で比較的軽装の鎧を着た女性。恐らくシーフだろう。何度も何度も頭を下げて謝罪してくる。因みに、巨乳だ。

「フルールです。ポンコツな姉で本当にごめんなさい」

 フルールと名乗った女性は、ローブと三角帽を被った典型的な魔法使いタイプだ。こちらも大きく頭を下げて謝罪する。因みに、爆乳だ。

「ん? 姉妹なのですか?」

「そうよ。と言っても義理だけどね」

 成程……っと、今度はこちらが名乗らなければな。

「私はAランクパーティ『悠久の約束エターナル・エンゲージ』のリーダーでレオンと申します」

「同じく、おねぇさんはソニアよぉ。ヨロシクねぇ」

「右に同じ。アタイはセフィラだ。手加減はしないさね」

「同じく~、あーしは桔梗だよ♪ よろー」

 俺達が名乗ると、三人は驚きの表情で俺達を見ていた。はて? 何か変だったか?

「え、Aランク……ですって⁉ 私達ですらBランクなのに!」

 成程。俺達のランクを聞いて怖気付いたのか。だがもう遅い、大人しく現実を直視するのだな。

「それでは後は頼んだぞ。ソニア、セフィラ、桔梗」

 俺は三人に任せ、後ろに控えていたハンナの隣へ移動した。

「大丈夫ですかね?」

 ハンナが不安げな様子でそう尋ねてきたので俺は、

「大丈夫ですよ。安心して見ていて下さい」

 と、笑顔でそう返した。




「ふん! どうせ運だけでAランクになったんでしょ? さっさと倒して許可証を頂くわ。いくよリーニュ! フルール!」

「はいよっ!」

「了解です」

 雪月花の三人が一斉に攻撃を仕掛ける。ネージュは両刃の剣、リーニュはダガー、フルールは長杖で。仕掛け先は先頭にいたセフィラだ。おいおい……それは悪手だぞ?

「いいね~、それじゃあ……これは挨拶代わりさねっ‼」

 ブオンッ! という風切り音が聞こえる程に強烈な、セフィラの戦追による横なぎが振るわれる!

「がぁっ⁉」「くっ!」「きゃあ⁉」

 セフィラの攻撃がネージュにヒットし、壁際まで吹き飛ばした。残りの二人は寸前で回避に成功する。

「姉さん!」「お姉ちゃん!」

 リーニュとフルールの二人が慌ててネージュに駆け寄ろうとするが、

「そうはさせないぞ……ってね♪」

「ふふふ、ここはおねぇさんが通さないわよぉ」

 二人の行く手をソニアと桔梗と遮る。リーニュには桔梗が。フルールにはソニアが、それぞれ相対する。

「アンタの相手はアタイさね。さあ、アタイを楽しませてくれよ?」

 吹き飛ばされたネージュに近寄りながら、セフィラがそう宣言する。これで雪月花の連携は崩れた。こうなってしまえば個々の力が重要になる……この時点で勝負ありだな。




     桔梗視点

「何故? 何故攻撃が当たらないの⁉」

 リーニュちゃんが一生懸命にダガーで切りつけてくるけどさ、

「そんな雑な攻撃じゃダメだよ?」

 攻撃そのものは速く鋭いんだけど、構えと視線で何処を攻撃するかバレバレなんだよね。多分だけどさ、この子対人戦の経験が少ないと思うの。魔物の相手ばっかりだったんじゃないかな?

 うん。大体の実力は分かったかな? それじゃあそろそろキメますか♪

「ほいっと!」

 あーしはリーニュちゃんの視線を遮る様に苦無くないを投げる、手加減してね。

「そんな投げナイフなどっ!」

 うんうん。そうだよね。こういう時は咄嗟に回避を選んじゃうよね、わかるわ~。あーしもそれで良く怒られたんだよ、なつかし~。でもさ、そうすると、あーしが視界から消えちゃうよね?

「ど、何処にいったの⁉」

「こ~こ♪」

 あーしは一瞬のスキを利用してリーニュちゃんの懐に潜り込んだ。

「これで……おしまいっ!」

 リーニュちゃんの鳩尾みぞおち目掛けて全力で掌底しょうていを打ち込んだ。

「……あっ⁉」

 ……よっし! リーニュちゃんの気絶を確認。これであーしの分はお~わりっと。他の皆はどうなったかな?




     ソニア視点

「は~い、そんなに遅くちゃ駄目よぉ?」

「うっ⁉ ま、魔法が……撃てない⁉」

 フルールちゃんが魔法を放とうとするよりも速く、私がフルールちゃんの足元に向かって魔法を放つ。私がやっているのはこれだけなのよ。つまり彼女が魔法を放つ速度が私より遅い時点で、勝負は着いているのよねぇ。普段は姉二人に守られて、魔力を練る時間は十分にあると思うの。もしも、今以上に力を付けたいのなら、魔力を練る時間を早めるか近接戦闘の技術を身に付けるかのどちらかね。私も最近は皆に混じって接近戦の訓練をしているの。もしもの時に備えてね。

「こ、こんなにも実力差があるなんて⁉」

「フルールちゃんも悪くは無いわぁ。でもぉ、もう少し鍛錬を積んだ方がいいかもねぇ」

 何度目になるかわからないフルールちゃんとのやり取り。けれど今度は足元じゃなくて体目掛けて魔法を放つ。

「……」

 フルールちゃんは無言で地面に倒れ伏した。う~ん、旦那君から教わったこの『雷』魔法って本当に便利ねぇ。簡単に人を気絶されられるんだから。旦那君は「ショック」という名前で呼んでいたわね。たしか……「すたんがん」とかいうのを参考にしたとか。

 さぁて、他の二人はどうしているかしら? 私が一番遅いかもしれないわね。




     セフィラ視点

「そらそらそらっ! 守ってばっかじゃ勝てないよっ!」

「くっ? な、何なのよ! 何でそんなに強いのよっ⁉」

 ネージュはアタイの攻撃を辛うじて防御しているが、徐々にさばき切れなくなっているね。クリーンヒットするのも時間の問題だろう。だが、このまま続けて勝つのはアタイの趣味に合わないさね。よし! アタイらしくド派手に決めてやるさね!

「うおぉぉらっしゃぁーーーーっ‼」

「なっ⁉」

 渾身の力を込めてネージュをすくい上げる様に戦追を振るう。するとどうなるか? 当然ネージュの体は上空高くへと吹き飛ぶね。アタイもそれに合わせて、上空へとジャンプする。そして力一杯、拳を握り締めて地面に叩きつける様にネージュの体を殴りつける! ネージュはズドンッ! という大きな音を響かせ、勢い良く地面と激突した。

「まあまあだったさね。それなりには楽しめたよ」

 と、ネージュに向かって声を掛けたが……気絶していて聞こえてないか。




     レオン視点

 ほぼ同時に三人の戦闘が終わったか。ん? 三人が集まって何かをしているが何を……ああ、ハイタッチか。発案者は桔梗だろう。ふふふ、彼女らしいな。

「は~……皆さんとてもお強いんですねぇ」

 妻達の戦闘を見たハンナがそんな感想を漏らした。そうか、ハンナは初めて見るのだったな。うむ、妻が褒められるというのは嬉しいものだ。

「取り敢えずは……怪我の治療をするとしようかね」

 俺は治療する為に気絶した三人の元へ向かう事にした。ところが調べてみると、雪月花の三人は派手にやられた割に軽傷だった。ソニア達がしっかりと相手の力量を見極め、手心を加えたのが幸いしたな。


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