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再びのオークション

     レオン視点

 翌日。椿を加えたパーティの連携確認の為、上級ダンジョンに潜る。といっても一度攻略済みの四十階層にだが。まあ、念の為に難易度を落とした。

 結論から言うとだ、椿との連携は何の問題もなかった。むしろ前回挑んだ時よりも早く攻略出来てしまった。

「はっはっは! 次の敵は何処でござるかな? 刀のサビにしてくれるわ!」

 うん。椿がとてもノリノリだったのも原因の一つだろうがな。これなら次は五十層の挑んでも良いかもしれんな。

 次の日は、椿の制服と水着を受け取りに王都へ。椿の水着だが、本人の希望によりチューブトップのブラ、ローレグのビキニを作ってもらった。本人曰く「サラシ」に近い物が良い、という事だったのでこのデザインになった。

 その後、ダンジョンで手に入れた魔石をオークションに出品しようと思い「交易都市」ガポールへ向かった。メンバーは俺、ソニア、カトレア、シオン、椿、エリカだ。その他の妻は家でのんびり過ごすとのこと。本当にのんびりしているかは甚だ疑問だがね。

 オークション会場は相も変わらず沢山の人出で賑わっていた。

「…あっ」

 シオンが人の波にのまれそうになってしまった。物珍しそうに町中をキョロキョロと見ていた所為だろう。俺は素早く彼女の手を握り俺の傍に引き寄せた。

「これでもう大丈夫さ」

「ありがとう…です」

 そう言うとシオンのキツネ耳がピコピコと愛らしく動く。うむ、これで良し。

 その様なちょっとしたハプニングもあったが、それ以外は問題無くオークション会場に到着した。早速だが持ち込んだ魔石の出品手続きをする。受付の女性は俺の事を覚えていたようで、手続きもスムーズに終わった。

 そして本日のオークションが開始した。前回は出品するだけだったので、今回は落札も経験しておきたい所だが……何か有益な品があればよいが。

 だが俺の思いとは裏腹に有益な品物は一向に出てこなかった。何やら古めかしい壺や、怪しげな人形、何百年前に描かれた絵画等、好事家が好きそうな品々ばかりだな。そうこうしている間に俺の出品した魔石は高値で落札された。落札したのは前回と同じ人物――ローカスとかいう老紳士だった。商人風の男と激しい競り合いを演じていたが、最終的には老紳士が高額で競り落とした。ふむ……彼の資金源は何なのだろうか? やはり気になるな。

「う~む。あんな良く分からん壺に、あれ程の値が付くとは……世の中は分からんものでござるな」

「まあ、お金持ちはああいった物を好む人が多いからかしらねぇ」

「もぐもぐ……ウチは壺より……この串焼きの方が好きだけどね……もぐもぐ」

「あの絵は、何を描いた物……です?」

「さあ? 人……かしらね~?」

出品物について、妻達があれこれと議論を交わす。しかし……目ぼしい物が無いな。今回は空振りか? まあ、一緒に来た妻達が楽しそうにしているのが唯一の救いか。

別の日に出直すか……そう思っていた時、次の出品物が登場する。すると、

「ほう?」

「綺麗…です」

「なんとっ?」

 登場した出品物に大きな反応を示したのは俺、シオン、椿の三名。それというのも現れた出品物が『着物』だったからだ。遠目からでも分かるきらびやかな刺繍が施されており、見る者を魅了する美しさを持っている。これは……椿に似合いそうだ。

「さあさあ! 次の品は遥か東の国から流れて来た至高の一品。見ての通り見事な刺繍が施された、その国一番の職人が仕立てた服……その名も「キモノ」という品です。高級な素材をふんだんに使用し、珍しい魔物の素材も使用されたこちらは多少の攻撃では傷一つ付かない堅牢な防御力を誇ります。飾って観賞用にするも良し! 実戦に使って良しのこちらの品。10万Gからのスタートです!」

ふむ、ここは一つ椿の為に気合いを入れて落札してみせよう。金に糸目は付けぬぞ。




 と、意気込んだものの、何ともあっさり落札してしまった。金額は20万G。服一着の値段としては高すぎるが防具としても使えるのなら、むしろ安いくらいか? まあ何にせよ良い買い物が出来たな。家に帰ったら椿に着てもらうとしよう。

 今回のオークションの結果に満足し、オークション会場を後にしようと出口へ向かう途中で、一人の男が俺達を待ち構えていた。

「私はローカスと申します。貴方に是非お礼が言いたく、ここで待ち構えさせて頂きました」

 目の前に現れたのは件のローカスという男であった。一見すると柔和な雰囲気の好々爺、といった感じだが……。

「お礼……ですか?」

「ええ。近頃は質の良い魔石がとんと手に入らなくて難儀していたのですよ。そこへ上質な魔石を複数持ち込んだ者が居ると聞いて、一度お目にかかってみたいと思った次第ですよ」

 成程。まあそれなりに納得のいく理由だな。それにしても……まさか向こうから接触してくるとはね。こちらとしても好都合だ。

「そうですか。今後も魔石を手に入れたらオークションに出品しますよ」

「それは嬉しいですね。今後もよろしくお願いしますよ。ほっほっほ」

 俺はローカスと握手を交わし、オークション会場を後にした。




「……主様。先程の人ですが、少し変な感じがした…です」

 オークション会場を出た所でシオンがそう語りかけて来た。

「シオンもそう感じたか。ならば俺の勘違いでは無いか」

 外見は普通の人族。俺の『眼』で見ても特に怪しい所は無し。だが、最後に握手した際に違和感を覚えた。あれは一体……駄目だ、手持ちの情報ではいくら考えても答えは出んか。ガルド王に頼んで調べてもらうとしよう。

 家に帰りオークションで落札した着物を椿にプレゼントし、早速着替えてもらったのだが……。

「むう……少々、丈が短いでござるかな?」

 全体的にサイズが合っていないのだろう。丈が短く椿の肉感的な太ももが丸見えで、少し動くだけで下着が見えてしまいそうになっている。胸元も大きく開き、今にも椿の爆乳が零れ落ちそうになっているな。いや……俺としては眼福で嬉しいのだが。

「そんな状態で、戦闘出来るのか?」

「そうでござるな……試してみるのが一番でござろう」

 というわけで中庭に移動し、軽く俺が手合わせをしたのだが、

「うむ。大丈夫そうでござるな。むしろ今までの服よりも動きやすいでござるよ!」

 まあ、本人がそう言うなら……いいか。

 椿の装備も整えたし、そろそろダンジョン探索を再開する頃合いかな。次は五十層だったか、楽しみだ。そう思い妻達と愛を確かめ合い眠りにつく。この時は、まさかあんな事態に遭遇するとは夢にも思わなかったよ。


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