表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/169

ノエル&アオイVs.ウィン・ヤマト&セバ・スチャン7

今回短いです。申し訳ないです

「ふむ、我に何者かと問う······か。その問いに答えるとするならば、我が依り代の祖先により封じられし名も無き魔とでも答えるのが良かろう。ふむ、しかしこれでは少し長いか······そうさな、我の事は仮にナナシとでも呼べば良い」


 ウィンさん改めナナシがこちらへと語りかける。


「わかった······それじゃあナナシ。俺はお前をぶっ倒す!」


 言葉と同時にブーストをかけてナナシへと殴りかかる。


「──っな!?」


 ······しかし、傷ついたのはナナシでは無く、俺の体だった。


「ふむ。せっかく貴様等が抵抗する依り代の意識を落としてくれたお陰でこの世界へと出てくることができたと言うのに······手荒な歓迎じゃのう。言うておらなんだが、我はこの依り代の技を全て使用することが可能じゃ。我に触れようと思うならば傷つくことを覚悟せよ」


 一々しゃべり方がめんどくさいが、要するに触れたら『暴風テンペスト領域フィールド』で切り刻まれるって事だろ?


 俺は自分の傷を直しながら思考する。


 コイツはさっきアオイを攻撃していた。


 今の状況を把握しているのかどうかはわからないが、与えられた傷は明らかに致命傷だった。


 つまり、コイツにとってはこの大会などどうでも良いのだ。


 そんなコイツを外に出したら······観客として見に来ている奴らまで襲いかねない。


 いや、むしろその方が良いのか? その方が大勢でコイツを叩ける·······いや、無理だな。だってまだ審判が何も言ってないから勝負がついている訳でも無く、結界も無くなってはいない。


 かと言って、試合が終わっていない状態でこいつを場外に出せば何人か犠牲者が出る可能性が高い。それは俺も可能な限り避けたいところだ。


 それにコイツはウィンさんが受け取っていた身代わりの魔道具を持っているはずだ。


 つまり、相手は俺たちに致命傷を与える事が可能な状況で俺は相手に致命傷を与えないように無力化しなくてはいけないのだ。


 なら、まずやることは一つだ。


全力行使フルドライブ


「ほぅ」


 白いオーラを纏った俺を見てナナシが呟く。


「行くぞ!」


 俺は全力行使フルドライブの力で限界を越えた脚力でナナシへと突進する。


 そのまま腕を大振りするが直前で避けられ、俺の一撃はナナシの左胸の胸ポケットを剥ぎ取っただけだった。


「ふん、確かに速いが······見切れんほどでは無いな」


 その言葉に俺は一人ほくそ笑む。


 なぜなら俺は、ナナシによって攻撃をかわされたのでは無く『ナナシに致命傷を与えないようにあえて』左胸のポケットに狙いを定めて攻撃を行ったのだから。


 そこにある身代わりの魔道具をナナシから剥ぎ取るために。


 そして、カランという音を立てて先程セバ・スチャンが自慢気に見せてきた物と全く同じものが転がり落ちたのを確認すると、俺は改めてナナシに向かい合う。


 これで致命傷を気にしないで戦う事ができる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ