ウィルヌス退治
―グラニエス火山上空―
「なんだかもう驚きすぎて吃驚も出来なくなったにゃ」
「これぐらいで吃驚してたら白銀の翼のメンバー足りえぬからの」
「基準が判らないけど、いい景色だよね」
「ワフ」
グラームで竜王格闘杯、私立ファーレン冒険者学院の設立も終わった。
二次課程用の校舎設立は未だだがそれは直に必要でもない。
最悪の場合は訓練としてそのまま森に放り込める。
まだ花月までは四ヶ月程の時間がある。
出来れば開校までにブルトンの問題を解決。
即ち、シャーリィ女王即位に関する問題を片付けたい。
その為にフェリエスとガウェインに荷車を含めて運んでもらっているのである。
エルを抱えて、エイミーもなんとか頑張れば慶司一人で飛んで行けない事もない。
魔術を使用した移動竜具も作成は可能だ。
しかし今回は出来るだけ早く、そして荷車やウラヌス達もとなると大変だった為、フェリエスとガウェインに運んでもらう事になった。
人員と戦力はいくらあっても足りない。
自分のみの戦闘、もしくはエルまでならどんな状況でも切り抜ける自信が慶司にはある。
竜族魔法か咆哮に匹敵する魔法を使用して逃げればいいのだ。
しかし、守る人数が多くなれば不足の事態も発生する。
そうなれば一人で守る事など無理である。
エイミーは慶司達と共に旅をしながらもコンパウンドボウやボーラ、フレイルを扱う訓練を欠かしていないし、危険を察知する鋭さはなかなかの物だ。
さらにルージュも向こうで護衛を続けて貰える用にしてある。
キャサリンさんに頼み、手紙を書いてもらった。
ウラヌス、アルテ、ヘリオスも戦いに参加できる。
此方の指示通りに戦ってくれる大型の犬と言うだけでは無い。
能力を使ってない状態でなら獣や魔獣、人の気配に一番反応がいいのはウラヌス達だろう。
最低限の戦力は確保できている。
「でもこんなに凄い速度で飛んでるのにどうして私たちは平気なのかにゃ」
「この箱のような入れ物に魔術が施してあって、風の障壁が張られてるからね。目に見えない壁があるんだよ」
「竜族は人を軽々しく背には乗せぬからな」
「そういう訳でメルクさんに荷車の改造をお願いした時に綱で持ち上げて運べる入れ物を作って貰ったんだ」
「荷車も改造したのかにゃ」
「あれは改造というより新作じゃ」
「うん、殆ど馬車みたいに快適になってるよ、
やっぱり荷車的な要素が大きいけど。
御者台の座り心地と荷車本体もバネが効いてる。
それに車輪にも工夫がしてある。幌とか網棚とか外のフックなんかはそのまま在るけどね」
「職人が困っていたらしいからな」
「どうしても木の軸とか磨耗の多い部分を改善したかったんだ。、グルテンさんとかと相談して金属と組み合わせたりしたから耐久度が違うよ、しかも軽くなってるし、秘密兵器も付いてる」
「秘密兵器と聞くとわくわくするのじゃが教えてくれぬのじゃ」
「何がついてるのにゃ」
「秘密だよ、でも吃驚するかも」
「気になるにゃ」
「じゃろ」
隠すほどの事でも無いのだが愕いて欲しくて黙ってる慶司。
聞き出そうと頑張るエルとエイミー。
ウラヌス達は飛ぶ乗り物に乗ってる事に最初の間は戸惑っていた。
箱の淵に前足を架けて外を興味深そうに眺めて興奮していたのだが、今では寝転がって気持ちよさそうにしてる。
流石に全速力とまではいかない距離なので時間が掛かる。
暫くして空のランチを楽しむことになった。
ウラヌス達には肉を、そして慶司達はパンに野菜とハムや卵を挟んだ物とスープを食べた。
態々材料を別々に用意してその場で作るのである。
マーガリンが無いし、ベタっとするサンドウィッチが嫌いという事もあって用意したのだ。
(フェリエス、ガウェイン休憩しなくていいの)
(問題ございません)
(大丈夫です、この速度なら到着までノンストップで問題無しです)
(じゃあ悪いけどお願いね)
(はい、お任せを)
サクスンの近辺に到着したのは夕方過ぎであった。
さすが大陸の東部の端から北西の端まで移動しただけある。
竜族が本気を出して無いとしてもこれだけ時間がかかるのだから距離としても9000km近いのではないだろうか。
そして到着早々に思ったのが想像以上に寒いという事だった。
日本で言えば12月の初旬、グラニエスは普通のコートだけで済むんでいたので暖かかったのだろう。
あとは地理的な物もあるだろうが、直に空調符を自分達とウラヌス達にも使用した。
確かに最北の都市にぐらいだとは言って。
急に移動したというのもあるから時間が経てば慣れるのだろう。
それでもシャツにジャケットにコートではちょっと厳しい。
中のジャケットを先日仕立てた冬用の物に変えた。
首にはエルが編んでくれたマフラーである。
(それでは慶司様)
(お気をつけ下さい)
「ありがとう、じゃあグラディスさんに宜しく」
成程、ガウェインはフェリエスが噛まないようにフォローしてるのか。
フェリエスも短く済ませてたもんな。
二人と別れ慶司達はアルテとヘリオスを改造した馬車に繋げて出発をした。
急がなくても町は見えているので1時間もすれば到着する。
門番にカードを示して冒険者である事を告げて町へと入る。
まず宿にウラヌス達を預ける。エルとエイミーに世話を任せて、慶司は冒険者ギルドへと向かった。
「ようこそ冒険者ギルドへ、本日はどの様な御用件でしょうか」
「すまないが先ず伝言の確認をしたい、ルージュ、もしくはミランダという人物からの伝言はないかな」
「失礼ですがお名前を」
「すまない、このカードで」
差し出したのは偽造の方のカード。
名前はチーム名をなくして慶司となっている。
本来のランクではなく最高が狩猟銀5他は鋼の9と10である。
冒険者ギルドに関しては安全だとは思うが、万が一の可能性がある。
さらにこのカードを冒険者ギルドの読み取り装置で読み込むと、最大限の協力をするように書かれている。本部からの要請で動く冒険者に与えられる事のある内容に止めている為、疑われる心配は無いそうだ。
「はい、確かに、確認させて頂きました。
現在の所お預かりしている伝言は御座いませんが」
「じゃあ、お金の引き出しだけお願いします」
「現在引き出せる額は、えっと凄い金額になりますが…」
「じゃあ2万リュート分をこちらの通貨で」
「では2万5千ブールとなります、御存知かも知れませんが、同額の金額までは此方の国の冒険ギルドで再入金が認められています、また他の国などでは受け付けておりませんので両替をしていただく必要があります。竜族の支配地域においては両替もされておりませんのでその地域のギルド若しくは交易都市に設置されている竜族の庁舎へ赴いて頂く事になります」
「ありがとう、問題はないです」
「ではまた何かございましたらお申し付け下さい」
慶司は礼を言ってギルドを出た。
次に向かうのはそのまま港の管理所である。
なんだか物々しい一団がいると思ったら騎士団が駐在していた。
関わりあいにならないように事務所へと入って貿易船の名前と到着の確認をお願いした。
「ふむ、まだその船は到着してませんな」
「そうですか、何処まで着てるかなどは判りますか」
「使節団やその他重要な積荷の場合しか魔術通達は使いませんからな、あれは到着し無い事もあるし」
「なるほど、ではここ最近の船の到着具合は遅れたりしてますか」
「そうだなぁ、報告のある便で到着が遅れたのが大半だったからな、風の向きが悪いんだろう、此方からは潮の流れがあるが、こっちに向かうには潮の流れに逆らうことになるからな、だいたい3日から7日程は遅れてるな、特に南からの便は遅れてるよ」
「ありがとう、また尋ねるかもしれませんが」
「ああ、いいよまた来な」
シャーリィ達の船は遅れているようだ。
探しにいくという手もある事はあるのだが…
海上を飛んで探すのは広いしなぁしかも不審すぎるし。
とりあえず目的の船が着いたら手紙を渡して欲しいと頼んで宿へと戻った。
「ふむ、流石にまだ到着してなかったか」
「俺からすればかなりの速度だと思うけどね」
「まあ、魔法の光を使って昼夜問わずで船は進む、それに貿易は商人が一番力をいれてるからな、速度が上がればそれだけ荷物が運べて儲かる訳じゃ、翠竜の一族も迷ってる船があったら助けるしの」
「そんな事もしてるの」
「常時はむりじゃが沿岸なら巡回中にはやっとるはずじゃぞ、翠竜の一族には水中にずっと潜んで暮らす者たちがいるからの」
そんな秘密があったのか。
秘密じゃないんだろうけど…
沿岸の貿易なら竜族の加護があるわけだ。
争いには仲裁で現れないけど加護は与えてるのか。
それで新大陸へ行く船は守られて無いわけだな。
「じゃあ暫くはここで待機になるにゃ」
「そうだね暫くはここで待つことになる、一応お金も引き出してきたし問題はないよ」
「のんびり待とう」
「うん、気になったのは港の附近で駐留してた騎士団かなぁ」
「ふむ、一応気をつけておいたほうがいいかもしれんな」
「明日酒場でも行って情報を集めてくるよ」
「うむ、任せた」
「私たちはどうしたらいいのかにゃ」
「一人は必ず宿で待機だね、一応港の管理事務所には伝言を残したけど」
「じゃあ交代で出かけるとしよう」
「判ったにゃ」
こうしてシャーリィ達を待つことに決まった。
その日は別段他にすることも無いので慶司達は早めに眠りに付いた。
翌日、慶司は街の中を巡って情報を集めた。
まず港に駐留してる騎士団だがかなり前から駐留しているらしい。
所属は国教会、この国で女王が庇護している聖教会宗派の騎士団である。
時折だが傭兵の一団と揉めるなど騒ぎがあるらしく関わらない方がいいらしい。
その傭兵の一団だが貴族でもついているのか金回りはいいらしい。
飲み屋から娼館まで金を落としている。
揉めてる原因は不明だが此方にも近寄らないほうがいいだろう。
ある程度の情報が集まったところでギルドを訪れて伝言の確認と依頼をする。
掲示板を確認したが仕事の種類は豊富だった。
ただ季節の関係で採取の依頼が少ない。
狩猟は港町らしく海のものまであって楽しそうだ。
見てると討伐の依頼が3件もあって少し驚いた。
しかも大物まである。
「ちょっといいかな、この討伐の依頼なんだけど、どうしてこんなに多いのかな」
「この国は竜族の加護がないですからね、魔物は倒してくれているようですが魔獣となるとよほどの危険な物意外までは退治してくれません、というかこちらの貴族領だと竜族に攻撃するので…」
「確かブルトンて竜族容認だよね」
「国の方針としてはそうなっていますが貴族は未だに聖教会派が多くて兵を雇って攻撃させるんですよ」
「それで討ち漏らす魔獣でこのクラスの討伐依頼がでるのか」
「それを出すのも貴族だなんて笑い話ですけど、困るのは村や都市の人間ですからね、冒険者ギルドとしても受けざるを得ないのですけど。さすがにこの北の町では…」
「というかウィルヌスってドルムスの魔獣化した奴だよね」
「ええ、ですからまだその下に張ってあるウィルヌやウィルドなんかだと受ける人もいますが、この街の冒険者で対応できるのは通常のドルドやドヌル、ベレルヌ、ドルムスまでですね。傭兵ギルドにも通達は行きますがあちらは護衛と戦争傭兵が基本ですし、討伐を受けるような人なら傭兵になりませんからね」
「ってことはこれは放置されるってことか」
「ええ、巡回の竜族が倒してくれる事を祈るか、一応王都に連絡はしてるので軍の派遣になるか、有名な冒険者の団が遠征に来てくれた時に始末してもらうかですね」
しかしウィルヌス相手で大丈夫なんだろうか…
「そうか竜族に期待しよう」
「ええ、その方がいいですよ、そのクラスは赤竜の牙か白竜騎士団クラスの団で倒すか今噂の白銀の翼の人が倒すぐらいですよ」
「へえ」
「そう言えば名前も格好も似てますね」
「だから肖って似た服装にしてるんだよ。そうしたら仕事もできそうだし」
「そうですね、でも間違われると大変ですよ、まあ今は竜王格闘杯に出てるらしいですから大丈夫でしょうけど、じゃないと伝説クラスの討伐金10ですからね、きっとウィルヌスだって倒しちゃいますよ」
「ハハハ、気をつけるよ、それじゃまた来るね」
物凄く辛い気分だ。
しかしどうするか…
只働きをするのは正直いやだが目立つ行為を今のカードでは出来ない。
間違いなく噂になるし、貴族にも目をつけられる。
それにしてもこの世界の貴族は馬鹿なんだろうか。
自分で自分の首を絞めてる。
問題は首が絞まって苦しむのが貴族じゃないから改善が見られないのだろうけど。
だが苦しんでる人がいるのならなんとかする必要はあるな…
「と云う訳でウィルヌスを退治しに行こうかなと思うんだが」
「お人よしにゃ」
「全くじゃ」
「只で働くと言ったら酷い言われようだ、だけど一応皮と魔石は手に入るじゃない」
「この街では捌けぬぞ」
「うん、捌くのはムーサさんに依頼するよ」
「なるほど」
「どうするのか判らないにゃ」
「精霊にちょっとお願いするんだ」
「なので行って来るね」
「ふむ、ついて行かなくて良いのか」
「うん、持ち回りでエルが今日は宿で待機だしどちらにせよシャーリィが付いたらエルがいないと連絡が付かないでしょ」
「まあそうじゃな」
「アタシが行くにゃ」
「いや、今回はウラヌス達も留守番なんだ」
「そうなのかにゃ」
「うん、目立つ行動をしたくないからね、ウラヌス達の世話を頼むよ」
「わかったにゃ、美味しい肉でも取ってくるにゃ」
「よろしく」
慶司は一人だけで都市を出て森に入った。
完全装備で挑む事にしている。
手を抜くつもりも全くない。
シルフィとウェンディにムーサへの連絡と周囲に人が居ないかの確認だけお願いをする。
そして目撃地点の周辺で来る途中で仕留めたキョッキョ鳥を餌にしておびきだす事にして待機した。
途中でドルドが四匹やってきたので倒して餌を追加する事になった。
皮を剥ぎ牙を取って肉だけをばら撒いておく。
二時間程待ったところに問題のウィルヌスが表れた、金1が10人がかりというのも頷ける大きさである。
体長が5m以上もあるような怪物である。
最初何が来たかと考えた程の大きさだ。
2メル(6m)はあると言われるのでこれでも小さいのかもしれない。
これは通常の攻撃でダメージが入るとは思えない。
【竜撃ノ伍八識無我】
【竜身ノ一、竜腕】
即時に詠唱しておく、一撃では無理かも知れない。
咆哮の魔法や竜鳴を使えば別だがそれでは本当の只働きだ。
まずコンパウンドボウの一撃を試す。
これが効いてくれればいいのだが…
一発目、狙いは目だが無理だった、そして一応刺さってはいるが信じられないことに頭蓋骨は貫通しなかった。
竜族並みの筋肉と毛皮って所なのだろうか、
合計で三発打ち込んだが動きすら鈍らないでこちらへ走ってくる。
「【氷牢縛鎖】」
笑えない冗談である、一瞬だけしか足止めにならない。
傷ついた足で突撃してきたのだ。
とりあえず回避する。
接近したことで判明したのだが…
魔法を発動した状態なのだ…
ほぼ魔物化してると言っていいのでは無いだろうか。
肉体を持つ生物が魔物になる事はないのだが
魔素による変異はまず肉体の改造、そして脳が大きく進化する事だ。
故に知能のある戦闘を行う魔獣や集団を統率したりするのだが、
まさか魔法まで使用できるようになるとは思わなかった。
後ほどエルに聞いたら無意識下で発動しているので純粋な魔法とは言わないそうだ。
元が大型の魔獣ほど発動傾向は多くなるらしい。
「説明したと思っていたのじゃ」には呆れたが考えてみれば当然の事でもある。
体内に魔素が充満したら何が次は起きるのか。
答えが目の前である。
だがこれで矢が刺さりきらない原因が判明した。
風の防御魔法のようなものが展開されている。
ならば貫くしか無いわけだが、体を覆う程の魔法である。
直接叩きつけるか槍を投擲するしかない。
槍杖の穂先の覆いを魔法で外した。
穂先はリーマー状の方を使用此方のほうが耐久度が高い。
竜碗が構えていた槍を【流水】でもって投擲する、
初めての竜碗による【流水】の発動としては中々の威力である。
7割程度は力が乗った一撃だと思う。
これで結果は相手を貫けたから良かった。
念のために心臓にも一撃を入れておいたが
魔獣の上位になると討伐は竜にしか無理じゃないかと改めて認識させられた。
先ず外皮だが毛並みがまず違う、頑丈になり細くなった毛が通常のドルムスの毛皮と比べ10倍は厚みがある。そして皮膚自体も肉厚になっている、体組織は言わずもがなである。
骨なども密度も太さも違っていた。
さて問題はこの巨体をどうするかである。
先ず【幻日環回廊】を開く。
開いた先はリヒトサマラの巨木である。
何が便利になったかと言うと、この木の根元になら【幻日環回廊】を何時でも開く事が可能になった事だ。
そして【竜撃ノ拾】を発動して竜碗を駆使して運び込んだ。
荷物の移動でまたもや【竜撃ノ拾】を使うとは思わなかった。
血抜きをしてなかったら持っていけなかったかと思うぐらいに重かった。
この大きさの獣は見たことがなかったのかムーサが呆れていた。
「なんだこの化け物は」
「まあ説明したとおりの状況で…」
「ふむ、これは魔素研究機関が欲しがるかもしれないな」
「第一研究所ですか」
「そうだ、まあ毛皮だなんだとこれだけで20年遊んで暮らしていけるだけの財産になるだろう」
「じゃあ処理をお願いしていいですか」
「そりゃ社長のお願いだからな、社員もほら集まってるぞ」
「え、この方々全員社員ですか、20名はいますけど」
「何いってるんだ、先日必要なだけ増やすと言っただろ、現在竜具屋の社員は120名だぞ」
「……え、そんなにですか」
「問題ない、これでも仕事の一部をグルテンの所に委託してる分があったりと、分散さしてるからな、竜具が仮に生産量が減っても次の茶や石鹸、漆器、紙なんかも扱ってるからこれでも足りないぐらいだぞ」
「100人規模って大きいですよね」
「そうだな、リヒトサマラだけでなく関連企業まで含めなくても業界で最大手だ。ックックック魔術ギルドが顔を赤くしたり青くしたりと大変だぞ」
「正直驚きました」
「そうかなのか、アタシは楽しくて寿命が延びたけどな」
「魔術ギルドの人は寿命が縮んでそうですね」
「フフフ、違いない。でこのウィルヌスだが薬剤ギルドにまわしてやっても構わないか」
「そこはお任せしますよ」
「そうか、一応これから取れる薬になる部分は全部回したいからな、余った部分だけ魔術ギルドに回して研究素材に使わせよう」
「解りました、それじゃ戻るので後はお願いします、売り上げで宴会でも開いて下さい」
「おう、解った、気をつけてな」
なんだか大変な事になっていた、何もしてない社長だが良いのだろうか。
ふむ…深く考えたら負けだな。
なるようになるさ。
歌があるぐらいだ、これぐらい何とでもなる。
開いた通路が閉じる前に戻って、都市へと帰還し宿へと向かう。
そこには新たな問題が慶司を待ち受けていた。




