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第13章 王都防衛戦


王都に、

警鐘が鳴り響いた。


低く、

重い音。


何度も、

何度も。


街の空気が、

一瞬で張りつめる。


「魔物の群れだ!」


城壁の上で、

兵士が叫ぶ。


黒煙の向こう。


魔獣の大群が、

押し寄せていた。


数、

百以上。


通常なら、

勇者パーティ総出。


だが――


前に立つのは、

一人。


「勇者様だ……」


俺は、

深く息を吸う。


今日は、

俺が出る。


模倣。


世界が、

切り替わる。



城門前。


剣を構える。


魔獣が、

吠える。


恐怖が、

胸を叩く。


だが、

逃げない。


一歩、

踏み出す。


剣が走る。


一体。


二体。


三体。


次々に、

倒れる。


兵士たちが、

息を呑む。


「速すぎる……」


だが、

数が多い。


四方から、

迫る。


時間が、

削られる。


レベル3は、

短い。


それでも、

前に出る。


血が、

腕を伝う。


視界が、

揺れる。


それでも。


守る。



その時。


城壁上から、

光が走る。


カインだ。


本物の勇者が、

参戦した。


「なっ……

 勇者が二人!?」


混乱が走る。


カインは、

俺の横に降り立つ。


「無理するな」


「ここからは、

 二人で行く」


俺は、

頷く。


模倣を、

さらに深める。


意識を、

研ぎ澄ます。


身体が、

熱を帯びる。


何かが、

変わる。


剣が、

軽い。


視界が、

澄む。


カインの動きが、

完全に読める。


いや――


同じになる。



二人で、

突っ込む。


斬撃が、

重なる。


魔獣が、

吹き飛ぶ。


兵士たちが、

言葉を失う。


「同じ……

 動きが、

 まったく同じだ……」


胸が、

焼ける。


限界が、

近い。


だが。


倒れない。


最後の魔獣が、

崩れ落ちた時。


俺は、

膝をついた。


模倣が、

解除される。


視界が、

暗くなる。



目を覚ますと、

治療室だった。


カインが、

そばにいる。


「……レベル4だ」


静かに言う。


「ほぼ、

 俺そのものを

 模倣できていた」


心臓が、

跳ねる。


「でも、

 代償もでかい」


「今のお前は、

 まだ耐えられない」


俺は、

拳を握る。


勇者が、

二人並んだ。


ギルドは、

黙っていない。


そして――


影武者の時代は、

終わりに向かう。


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