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44 サイホーンの聖剣

 あれは俺が造った物でもある。


 一生に造るか造らないかの魔剣も聖剣も造り出してしまい……もう他に造る物が無いんじゃないかと思うほどだ。人生の半分は軽く終わってしまったように感じている。


 魔剣を造ったんだから、聖剣も造ってみたい……そんなサイホーンが竜王から大流星群の隕鉄と精霊の霊力によって千年に一度のチャンスで造り出した聖剣だ。


 今、アーネスの手にある聖剣とマドリアスが対峙した。誰もが固唾を飲んだ。


 マドリアスがゆっくりと構えると、アーネスは俺の方に振り返った。俺は頷いた。


 アーネスは聖剣に祈りを込め、構えるマドリアスに向かって一陣の閃光となった。


 アーネスの一太刀に応じたはずのマドリアスの剣だった。しかし聖剣は全てを貫き、斬られたマドリアスの身体から光と闇が噴き出し渦巻いて立ち昇った。


「マドリアス様!! 」


 堪らずユーネイアがマドリアスに駆け寄ると、同時にゲオルドにその闇が襲いかかった。


 マドリアスは剣を捨てユーネイアと抱き合うと、ゲオルドの方へと見入った。


「私に呪いを掛けた魔術師を殺して呪いを強化させていたのか……」


 マドリアスがそう言った。聖剣は邪を斬り払うだけに生み出された。俺には偶然の産物だったが、アーネスとマドリアスには救いの一刀だった。


 ゲオルドは悪魔を目の当たりにしたかのように恐怖に引きつき断末魔の叫び声をあげると白目を剥いて倒れ、そのまま二度とその目を開く事は無かった。

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