表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/54

35 サイホーンの本懐

 竜王の体内の光る隕石の輪郭がハッキリと見えてくると、俺はさらに興奮した。


 竜王が金色の目を細めて俺を見ると、再び顎を開けて飲み込んだ隕石を空中に吐き出した。


 竜王の魔力で俺の目の前に高温を帯びた隕石が輝く。光源になるそれが吐き出されると、竜王の身体の光は優しくなり、隕石の光に照らされて美しい。


「望みのものが手に入ったぞ」


 竜王が俺にそれをくれると言う。


「ありがとう、竜王……」


 俺は心から感謝を述べた。


 アーネスがそれを見届けると、ググランデの兵たちに向けて精霊の泉まで撤退せよと命じた。降り止まぬ大流星群に足元を照らされながら、兵士たちとググランデを連れたガーグル達が精霊の泉まで戻って行く。


 竜王の元に残った俺たちは、サイホーンの目的を叶える時間を迎えた。


 一体となった俺とサイホーンは、隕石——純度の高い隕鉄という素材の前に立つと、サイホーンに残された魔力と精霊たちの霊力で——聖剣を造り出す。


 サイホーンは精霊たちの霊力を最大限に呼び覚ます大流星群の降る日、竜王が千年に一度再生するこの日に聖剣を造り出したかった。


 俺は、サイホーンの強い執念に驚かされていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ