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11 離宮に灯る明かり

 ググランデは灯明油の灯りを頼りにユーネイアの寝所に向かっていた。


 ググランデは灯明油の灯りを頼りにユーネイアの寝所に向かっていた。


 ユーネイアとマドリアスは政略結婚が前提ながら、親愛の交際を深めていた。しかし、第二王子ググランデは、ユーネイア姫に横恋慕している。ググランデは王位継承権を巡ってマドリアスと争う事になると、ユーネイアをマドリアスから奪い取る事を算段していた。


 離宮は遠く夜空は曇り文字通りの闇夜。途中まで従者を付けていたが、ユーネイアの寝所に点いた灯りを確認すると、一人になって気が焦っていた。時折、足元に蛙が飛び出しては、危うく悲鳴を上げそうになる。


「クッソ、せっかくマドリアスが不在というのに……どうもこうも、送った刺客が次々とやられてしまって。遅れを取り戻す羽目になってしまったではないか! 」


 伯父であるゲオルド大臣からの悪い報告も重なり、出立の日が繰り上がってしまった。遂に、今夜、ユーネイアに夜這いを決行する事にした。


「ユーネイアはマドリアスと恋仲のようだが、一度抱いて仕舞えば、ユーネイアは私の物になるだろう。女とはそういうものだ。護衛もロク付けず二人だけで旅に出たマドリアスはいずれせよ死ぬ運命だ」


 ググランデは、灯明油の灯りが消えそうなのを心配しながらようやく、ユーネイアの寝所の扉の前まで辿り着いた。


「どうせ、私がこの国の王になるのだ。時期王妃にはユーネイアが相応しい。私の妻としてな……くっくっくっ……」


 扉を前にして、邪な興奮にググランデは醜い笑みを浮かべた。


 ユーネイアとマドリアスは政略結婚が前提ながら、親愛の交際を深めていた。しかし、第二王子ググランデは、ユーネイア姫に横恋慕している。ググランデは王位継承権を巡ってマドリアスと争う事になると、ユーネイアをマドリアスから奪い取る事を算段していた。


 離宮は遠く夜空は曇り文字通りの闇夜。途中まで従者を付けていたが、ユーネイアの寝所に点いた灯りを確認すると、一人になって気が焦っていた。時折、足元に蛙が飛び出しては、危うく悲鳴を上げそうになる。


「クッソ、せっかくマドリアスが不在というのに……どうもこうも、送った刺客が次々とやられてしまって。遅れを取り戻す羽目になってしまったではないか! 」


 伯父であるゲオルド大臣からの悪い報告も重なり、出立の日が繰り上がってしまった。遂に、今夜、ユーネイアに夜這いを決行する事にした。


「ユーネイアはマドリアスと恋仲のようだが、一度抱いて仕舞えば、ユーネイアは私の物になるだろう。女とはそういうものだ。護衛もロク付けず二人だけで旅に出たマドリアスはいずれせよ死ぬ運命だ」


 ググランデは、灯明油の灯りが消えそうなのを心配しながらようやく、ユーネイアの寝所の扉の前まで辿り着いた。


「どうせ、私がこの国の王になるのだ。時期王妃にはユーネイアが相応しい。私の妻としてな……くっくっくっ……」


 扉を前にして、邪な興奮にググランデは醜い笑みを浮かべた。

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