夢と過去と未来
書き溜めしていた次話が気に入らず書き直して投稿してみました。
そしたら溜めてた内容が全部ダメになっちゃいました。
書き直しながら投稿します
ペースが落ちると思いますが頑張ります
窓の外は雨が雪に変わろうとしている
机に向かい勉強は思う様に進まない
こんなに勉強しているのは人生で初だろう
大学受験の時よりも遥かに勉強している気がする
『これだけ頑張れたらもっと良い大学に入れたのに』
自分の事を思わず笑ってしまう
普通に就職活動をしたく無かったからなのか
自分を信じて大きな収入を得たかったからなのか
自分でも動機はちゃんと覚えていない
「公認会計士になる」
そう親に言って就職活動をせず大学4年から別の専門の学校にも通い出した
言葉に出して言ってしまったからとはいえ、後に引くことは出来ない。
両親は渋々了承した
「5年間だけは我慢してやる。それでダメなら諦めて働け」
普段、あまり話す事のない父親は無愛想にこう言った
今思うと、言い方こそ無愛想だったが凄く恵まれた環境を作ってくれたと思う。
愛想のない父親なりの愛情表現だったのだろう
ふと携帯に目を落とすとメールが来ている
《寒いけど風邪を引かない様にね。頑張って》
大学の先輩だった彼女からの連絡だ
最近、彼女の仕事も忙しく自分の勉強の事もありあまり会えていない
年上の彼女は自分には勿体無い位出来た女性で常に自分の事を1番に考えてくれている
公認会計士を目指すと言ってからは
「逢いたい」
と言う事は有るが、こちらの予定に出来る限り合わせてくれようとする
《寒いね。僕も逢いたいよ。次の週末はランチでも一緒にしよう》
自分にとって彼女は最後の恋人と決めている
試験に受かり就職が決まればすぐにでもプロポーズするつもりだ
《本当!お店調べておくね》
こんな事位で喜んでくれる彼女が愛おしい
本当は今すぐにでも逢いに行きたいが、自分が言い出した事だからと言い聞かせて再び勉強を始める
〜〜〜〜〜〜〜〜
「オシャレなお店だね!」
「でしょ、友達に聞いていて前からずっと来たかったの」
「俺と?」
「もちろん」
久し振りに会う彼女はいつもより明るい
髪型も服装も完全に自分好みにしてくる
「好きな服を着ても良いんだよ」と昔言った時は
「あなたの好きな服を着たいの」と、一緒に買い物に行かされ下着まで選ばされたものだ
彼女はご飯を食べながら職場の事や休みの日に母親と遊びに行った話などをしている
ヤキモチを妬きやすい自分に休みの日は家にいるか親と遊びに出ているかをわかりやすく説明してくれているのだろう
食事が終わり店を出ると
「今日はもう帰る?」
少し寂しそうに彼女は聞いてくる
久し振りに会い彼女が愛おしくてたまらない自分は
「もう少し一緒にいたいな」
と、素直に言えてしまった
彼女の顔が一気に明るくなり自分の手を引いて歩いて行く
「どこか行きたいところはある?」
弾む様な声で問いかけてくる
「お台場でも行かない?」
「そんなに時間を使っていいの?」
「今日は一日中一緒にいるよ」
腕にしがみついて来る彼女が可愛くて仕方がなかった
幸せそうな彼女を見て自分も幸せを感じていた
お台場で夜ご飯まで食べたのに
それでも一緒にいたいと思った自分は
「今日、帰らなきゃダメ?」
と、ホテルに誘う
「えっ?下着とか持って来てないよ」
「俺も持ってないよ」
「コンビニで買っちゃおうか?」
彼女も恥ずかしそうにしながらホテルに行く事自体はまんざらでも無さそうだ
「ブラはコンビニで売ってないよね」
「渋谷に行ってドンキかユニクロに寄っていい?」
「じゃあ、渋谷のラブホ?」
「そう。ドンキに寄ってから行けば2人共解決。靴下も買ってあげちゃう」
「そうだね。せっかく洗っても帰り道は足臭くなっちゃうからね」
シャワーを浴びて2人は激しく求め合った
余程寂しかったのか彼女はいつもより大胆だった
自分は久々だからかガッツイテしまい、彼女を満足させられなかった気がした
「ごめん、落ち着いたらもう一回戦」
「本当に、体力もつのかな」
笑いながら彼女はそう言って、腕にしがみついてくる
細くくびれたウエストに手を回して彼女の身体を更に寄せる
「ねえ、僕の事好き」
「なに?珍しい事聞くね。大好きだよ」
「愛してるって言える」
すると彼女は僕の上に乗り顔の距離を10センチ以内に近づけて
「愛しています」
真剣な顔でそう言った
あまりに真面目な顔で言った彼女に驚いて何も言えずにいると
そのまま彼女は恥ずかしそうに僕に抱き付き自分の耳に唇を近づける
「今度、私にも言ってね」
本当は今すぐ言ってしまいたかったが
今度と言われてしまい言いそびれた
その反動からと言うわけではないが再び自分は彼女を激しく求めた
疲れ果てた2人は肩を寄せ合い眠ろうとしていた
彼女を見ると目に涙が浮かんで見える
「どうしたの」
「、、、、なんか、今日が幸せすぎて、、、明日からの生活が怖くなっちゃった」
そんな事を考えている彼女が愛おし過ぎて思わず我慢していた一言を言ってしまう
「絶対に試験に受かるから、結婚しよう、、、」
「ラブホでプロポーズ。それは無しだな。やりなおーし」
顔を赤らめて嬉しくて堪らないという顔をしながら彼女はもうこれ以上密着出来る場所は無いというくらいに引っ付いてきた
「プロポーズはもっとちゃんとした場所でしてね」
肩越しに見える彼女の顔が嬉しそうにしていた
朝、目が覚めると彼女は既に起きていた
こちらが目を覚ますとスグに近付いて来てキスをしてくる
目の周りが少し腫れている
「泣いてたの?まだ不安?」
「違うよ。嬉し過ぎて泣いちゃったんだよ」
既に洋服を来ている彼女をもう一度襲いたい衝動に駆られるが、彼女に止められた
「だーめ、もうチェックアウトの時間だよ。寝坊助さん」
「帰らなきゃだね」
珍しく寂しそうにいう自分を彼女は愛おしいそうに見ている
「いつもはツンデレ君なのに今日は素直で可愛いなぁ」
年上ぶる彼女も可愛い
「じゃあ、いつものモードに戻るよ」
「やだぁー、素直なのが良い」
ジャレながら、2人でいる時間を惜しみながらホテルを出て家路に着く
「勉強頑張ってね」
「来週、また時間作れる様に勉強頑張るよ」
「うん」
そう言って彼女と別れたこの日が
最後に彼女の姿を見た日になるとは
頭の片隅にも考える事は無かった
次の日の朝
《今日も逢いたいなぁ。勉強早く終わらせて逢いに行きたいよ》
彼女にメールを送ってみた
いつもは通勤のこの時間にスグに返信が有るのだが何故か今朝は返信が無かった
昼休みになりやっと返信が有った
《私も仕事が忙しくなって来て、資格を取る様に言われちゃった。しばらく時間が取れないんだ。ごめんね》
《そうなんだ。じゃあ再来週には会える?》
そう返信を送ると、また返信は無く18時位にやっと返信が有った
《そんなに会いたいと言われたら困る。私も仕事が忙しいから、そんなに時間は取れない。しばらく会うのはやめよう》
突然の内容に自分は驚き
何度かメールを送るが
会えないの一点張りで拉致が行かない
《いつなら会えるの?時間が無いなら休みの日に君の家の近くまで行くよ》
と、送ってみたが
《来ないで》
そんな簡単な返信しか無かった
訳もわからずなんだか腹が立って来た自分は携帯をリビング置き勉強に戻る
イライラしてか勉強が手に付かない
仕方が無いので寝ることにしたが寝付けない
そうこうしていると朝になっていた
ムシャクシャが止まらない自分は携帯をリビングに置いたまま学校へ向かう
学校に着くなり友達に彼女とのやり取りを自分に都合よく話す
黙って聞いていた友達は
「それって別に気になる男が出来たんじゃね?」
「それは無いでしょ。俺の事絶対好きだと思うし」
「俺たちみたいな中途半端なヤツには良くある事だぞ。女は受かるかどうかわからない公認会計士の試験を待ってくれないぞ」
「それは俺達には無いよ」
自信なさげに自分は言うが
「このクラスにもそんなヤツ何人もいるぞ。だから受かってそんな女を見返す為に皆んな頑張っているんだ」
笑いながら友達は言っている
「そんな事は、、、」
その後も彼女はメールの返信は有るものの
会ってくれる事は無かった
半年はそんな状態が続いていたが
勉強が手に付かない事に苛立ってメールを送る事を止めてしまった