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-6- 寿命

 ある人に、「長生きするだけが能じゃないぞ」などと言われたことがあります。それはそうなのでしょうが、生まれた以上、やはり死は人にとって恐ろしく、怖い出来事です。私なんかもそう思う一人ですが、価値ある人生なら一日も長く…とは思えます。自分の人生に価値があるか? ないか?は人それぞれの判断でしょうが…。^^

 笠岡は公務員を退職後、それなりの年金生活を送っていた。

『こう物価が高いと…』

 最近、頓(とみ)に高騰する食品の物価に、笠岡は思う必要がない愚痴を思うのだった。十年ばかり前は五、六千円で買えたパックのステーキが、今では七千円以上に跳ね上がっていた。今年の四月から僅かに増額された年金などは焼け石に水で、ほとんど効果がない笠岡の家計だった。笠岡は縁遠く、一人暮らしだったが、それでも生計は立てねばならなかったから、そのことが唯一の悩みの種となっていた。

『まあ、仕方がないか…』

 湧き上がる思いを抑えて諦念し、笠岡は今日もボケ封じのカキモノをブログにアップしながら家事を続けるのだった。

『自分は価値ある人生を送っているんだろうか…』と思いながら、笠岡は、『まだ三十年は生きるぞっ!』と、意気込まなくてもいいのに意気込むのだった。^^


                  完

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