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-19- 賞
最近、賞の価値が下がっているように思えてなりません(考え方には個人差があります^^)。
作家である五月雨の自宅の玄関に記者達が詰めかけている。
「先生っ! 植木賞、おめでとうございますっ!」
「そうですか、植木賞が私に…」
「はい、お電話はありませんでしたか?」
「ははは…夕べからジャンジャン鳴りますので、コンセントを抜いておりました。寝られやしませんから…」
「すみません…」
「ははは…あなたが謝られることではない」
「今のお気持ちはっ!?」
「そりゃ名誉なことで、嬉しいですよ」
襤褸屋で取材を受ける五月雨が、言葉とは裏腹に思うところは、『いくら出るんだろうか?』だった。雨漏りが激しく、屋根の修繕を余儀なくされていた五月雨だったが、雑誌社の原稿で食い繋いでいる心細い生計だったのである。
五月雨は植木賞が果たしてどれほどの価値があるのか? を計りかねていた。賞を受賞すれば幾らか出て、屋根を修繕できるだろう…。それが五月雨の賞に思う深層心理だった。
まあ、こんな作家さんもおられる訳です。私などは有頂天になってしまうタイプですが…。^^
完




