1/29
-1- 価値
人生を通じて思えることに価値があります。いろいろな行動を日々続ける中で、その一つ一つの目的に価値があるのか? ないのか? ということにコトが過ぎ去ったあとに気づかなくてもいいのに気づく訳です。
門倉はいつものように洗濯物を干し始めた。縁遠く、初老になった門倉にとって、家事は勤めと兼業する二足の草鞋だった。
そんなある日のこと、洗濯物をいつものように干し始めた門倉の手がふと、止まった。
『なぜ、幾つもハサミに付けて干すんだろ?』
洗濯バサミに洗濯物を吊るしている自分の癖に門倉は気づいたのだ。
『そんな幾つも挟む必要があるんだろうか? …』
いつの間にか門倉は下着、それも下履きのトランクスを十六もの洗濯バサミに吊るしていたのだった。誰が見ても妙な癖に見えることは必然だった。
『よしっ! 今日から五つぐらいにしよう…』
そう決断した門倉は洗濯バサミに下着を五つだけ挟んで吊るした。十六も挟んで吊るすのは手間がかかるし、価値がない…と判断したからだった。
どう吊るそうと本人の勝手ですが、私にも価値のないそんな癖がありますよ。^^
完




