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「わたしはきみを迎えに来たんです」と睡蓮さんは言った。「これからきみはわたしと一緒に長い旅をしなければいけません。でも、安心してください。わたしたちはなにもしなくて良いのです。こうして、ここに座っていればいいだけ。そうすれば、時間はかかりますけど、この列車がわたしたちを目的の場所まで運んでくれます」
「この列車はどこに向かっているんですか?」とぼくは言った。するとは睡蓮さんは微笑んで「とっても、とっても遠いところよ」と楽しそうな声でそう言った。
「……とっても、とっても遠いところ」とぼくは睡蓮さんの言葉を繰り返した。
「きみは迷子なのね」と睡蓮さんは言った。そんな自覚はなかったのだけど、言われてみると確かにぼくは迷子だった。……友達を失い、名前を失い、帰る場所も、目的地も、きっとなにもかもを失った迷子だった。




