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焼き芋と岩窟

 全ての魔物を燃やし尽くしたところで煙が渦を巻き、流れを作り、ある一点の亀裂に向かって進んでいった。

 目を閉じて落ち着いて感じて見るとかすかに風の流れを感じる・・・ような気がする。風があるという事は少なくともその先に道が続いているという事。と自分を納得させて煙の流れを追って双子を担いで進もうとするといきなり暴れはじめた。


「ううぇぇ?!ちょっとどうしたの?危ない落ちるって!」


といいながら急いで双子を降ろすと黒く変色し、炭になった魔物の死骸の山を指さして何かを訴えかけて来た。


「あん?何かあるのか?っつってもなぁ。武器はすべて入れたし・・・。あ、もしかして」


と思い、死骸の黒ずんだ表皮の部分を剥がしてみると層のようになっていて、一番上はまさしく黄金色で、丸で焼き芋の様だ。ナイフを取り出し、削って香りを嗅いでみると少し表面の焦げた皮の香ばしい香りと中の芋本体から香るほんのり甘い湯気の香り、さらにその奥にはまるではちみつをしみこませたような透明度の高い黄金職の蜜がより濃密な甘い香りを漂わせる。

 俺はついつい我慢が出来ずにかぶりつこうとしたが、視界の端に双子を捉え、我に返った。


「す、すまん。お前らの分を先に取らないとだな」


といって皿を取り出し、芋をある程度の大きさに切って手渡す。双子はそれをジーっと見つめ、かぶりつき、無言で食べ進める。子供ながらの無邪気な表情を見ながら保存したいので、表皮をどんどんと引き剥がし、黄金色の肌を露出させていった。


「しっかしこれどうしたもんかなぁ。持ち運びたくても腐らせたらもったいないからなぁ」


と考えながら悩んでいると芋を食べ終え、余韻に浸っていた双子がトテトテと走り寄って来た。


「ねぇ!おにぃちゃん!何を悩んでるの?」


「あん?ああ、実はな。これをどうやって持ち運ぼうかなーって思ってな」


「え?じゃあ僕たちが運ぶ!」


といっていそいそとポシェットの中からバスケットを取り出して手渡してきた。


「はいこれ!」


「何かな?これは」


「うん?食べ物を入れる籠!」


そ、そうかう、うーん。小さくないかな。まぁ双子が言うのならいいか。


「ありがとうね」


頭を撫でて受け取り、ナイフで切った実を籠の中に入れると吸い込まれていった。


「?!え?」


いや。よく見ると物凄く小さく芋の欠片が見える。これってもしかして俺が持ってたカバンのバスケットバージョンみたいなものか?よしこれなら!


 俺は剣をナイフを振るいどんどんブロック状に切った実を収納していく。だが実際、何処かの神社の御神木くらいの太さがあり、10センチ角に切った程度では全く減る気配が感じられない。けどこんなことで双子に頼むのは大人として何だかまずい気がするので自分で頑張ることにする。


 しばらく魔物の肉を採取するのに格闘していると柱のような支えになっている場所があるのに気が付いた。これは維管束みたいな感じなのかな?と思い、武器を使って根元からへし折ってみたところ石や鉱石の様に硬く樹の様に生きているような感覚を持つ不思議な触感だ。これは俺が保存しておこう。スキルの勘が言っている気がする。


「おまたせー」


飽きて遊んでいる双子に声を掛けに行くとどこからともなく取り出したボードゲームをして遊んでいる。なんか難しそうな顔をしているが、危機感がないなぁ全く。


「兵士たちを地獄のトレーニングにかける!体力が半減する代わりに忠誠心と能力が飛躍的に上昇!」


「きゃははー!無駄だよードラゴンの前では無力!」


「むぅー。じゃあ遠くの国から世界最高のドワーフに国宝のアダマンタイトとダマスカスをちらつかせて勧誘!」


「無駄無駄ぁ!そのドワーフは鍛冶の腕はいいけど満足のいくものが打てない限り役に立たないからね!」


「あ!そうだったぁ!」


「いっけぇ!ドラゴ―ン!城壁を破壊しろ―!」


「あー!やられちゃったぁ。あ!おにぃちゃん!」


「・・・お前ら、何してるんだ?」


「?げーむ!」


いやそれはわかるんだが、、、まあいいか。


「待たせて悪かったな。終わったぞ。何だったら待つがどうする?」


「うーんいいや!もう終わったよ?」


といいながら二人がよじ登って来た。俺はバスケットを渡しながら歩を進める。


えっと。どこだっけな確かこの変じゃなかったっけな。しばらくの間解体をしていたせいで煙が全部流れていったからなぁ。

 剣の柄の部分を使い壁を殴り反響音を聞く。…駄目だ聞こえない。


「おにぃちゃん何してるの?」


「どうやらこの先に空洞があるみたいなんだよな。しかも外に通じているっぽい感じでさ」


といいながら壁をペタペタと探りながら言うと双子が後ろで何かコソコソとしていると背中が軽くなった。


「あん?どうしたんだ?」


「「おにぃちゃん、下がってて」」


と両手で俺を壁から離した双子。その後壁に向き直ると両手を上げて。


「「開けゴマー!」」


というと叶の掲げた鏡から巨大な両手が現れ、岩の隙間に指を入れて洋画に出てくるマンホールさながら後ろに巨岩が吹き飛んだ。


(なにこれ〇破さん?)


なんて思っていたが、その先は空洞が続いていた。

 骨の山、巨岩の隙間、花園ときて今度はなんだろ、石を食い破った何かの通路のようなものだな。異様にきれいな岩肌。削り取ったのではなくて溶解液か何かで溶かしたような感じだ。

 さて、どっちに行こうか?双子に目配せをすると二人は当然とばかりに上り坂を指さした。


「おにぃちゃん気を付けてね。音がするよ?」


行こうとすると急に心配なことを言ったので耳を澄ませてみるとズル…ズルと這いずるような音が聞こえた。


「芋虫かな?ゲーム的考えなら先に行くのは下り坂だな!」


と双子の支持を一旦無視して。


「ごめんね。何となく気になるから下に行こうか」


というと何も言わずに俺の背中にしがみついたが、やはりというか不服そうだった。




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