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校内探索

「生徒は休日でも校舎と模擬戦会場と校庭と寮と娯楽施設がある市街地エリア以外は基本的に立ち入り禁止だから見つからないように探す必要があるな。」


俺たちは郊外へこっそり行くために駐車場を含め、学校の建物の配置を調べようとしていた。


「なあ水原、お前が空飛んで一気に確認すればいいんじゃねえのか?」


濱口が言う。


「いや、教師たちが異能を持ってる可能性もあるでごわす。迂闊なことはできないでごわすよ。」


ブライオスの言う通りだ。異能学園の教師のことだろう。異能者の中でも成人している者を教師にしていてもおかしくはない。そのためたとえ透明化して空を飛んでいようと見つかる可能性がある。


「見つからないよう隠れながら移動するのがいいだろう。」


「手分けしていくか?それともみんなで行くか?」


レオナルドが言う。


「一人では後ろに気を配れないから足りないけど、四人だと多すぎて見つかりやすい。だから2人ずつでわけるとするか。」


「そうでごわすな!」


「じゃあせっかくだし俺ブライオスと組むぜ!」


濱口が言う。濱口と俺が組むよりも新鮮でいいな。


「じゃあ俺は水原とだな!!」


「拙者はいいでごわすが、水原氏はいいでごわすか?」


「もちろんだ!」


「それでは拙者たちは学園の東側を探索するでごわす。」


うちの学園は入り口が南側で校舎が北側だから右側か。


「じゃあ俺たちは西側だな!!」


「早速行くか!!」


俺たちは寮から出て、校内探索へと向かった。






「俺たちが今出た男子寮は東側にあるから、まずは中央ある校舎に向おうぜ!」


レオナルドが言う。


「そうだね。俺たちが知ってる限りだと東側には北から順に模擬戦会場、売店、男子寮、屋外の校庭があって、どれも立ち入り禁止じゃないけど、西側は立ち入り禁止な場所ばっかなだけじゃなく、あんまり入ったことのない場所だから気をつけて行こう。」


「くそっ!ブライオスめ!楽な方を選びやがって!!」


レオナルドが悔しそうに言う。


「まあ俺たちならバレずになんとかなるだろ。」


「そうだな!!」


そして俺たちは中央にある校舎まで行った。


「ここから西側への道は女子寮側だから男子たちは立ち入りできないぜ。」


「うん。この道は広くて見通しがいいから見つからずには通れないと思う。」


校舎を裏から回ろうにも校舎の奥側へは柵があって回れないようになっている。だけでなく、草が生い茂っていて通りにくい。となるともうルートは1つしかない。


「この学園は正門から校舎まで長い道が伸びてて、その道を途中で東側に行けば体育館、西に行けば校庭ってなってるから、体育館の裏をまわって女子寮の左側を通って行けばみつからないと思う。」


「確かにそうだな!!水原よく思いついたな!!すげえよ!!」


いやそれくらいは少し考えれば思いつくと思うのだが。


「校庭までは立ち入り禁止じゃないから校庭と体育館と正門の3本の分かれ道まではいけるが、そっからはどうすんだ?」


レオナルドが言う。確かにその通りだが、そこは大丈夫だろう。


「そこは俺がなんとかする!」


「水原は頼もしいな!!」


そして俺たちは左が校庭、前が正門、右が体育館に続く別れ道まで来た。


「で、こっからどうすんだ?」


「異能で光を曲げて見えなくするんだ。」


「じゃあ最初からそうすればよかったんじゃねの?」


「光を曲げて見えなくできるのは一つの方向からだけだから全方向から見られるかもしれないあの道は通れなかったけど、この道なら校舎側からしか見られないから大丈夫なんだ。」


「なるほどな!」


どうやらレオナルドでもこれくらいは理解できるようだ。


「<光線湾曲(ライトカモフラージュ)>」


「レオナルド、つかまれ。」


レオナルドに手を差し出す。


「お、おう…」


レオナルドが手を握った瞬間。


「<加速(アクセル)>!!!」


俺は超速で体育館前へ迫る。


「うおぉぉぉあっ!?!?!?!?」


レオナルドが俺に手を引かれ、一緒に飛んでくる。


「ぶつかるぶつかる!!!!」


レオナルドが叫ぶ。


「<停止(ストップ)>」


何かにぶつかったかのように急停止するが、衝撃は受けない。


「お、お前…死ぬかとおもったぜ…」


「市街地エリアの娯楽よりスリルあっただろ?」


「こうなるってわかってて乗ったら楽しいかもな!」


レオナルドからは濱口と同じ匂いを感じるな。


「今の声が遠くまで響いてないといいんだがな。まったくお前はうるさい奴だ。」


「お前のせいだろ!!」


うむ、いじり甲斐があるな。


そして俺たちは体育館の裏に回る。


「お、このまままっすぐ行けば女子寮の左側を通れるな!!運が良ければ部屋の中を…」


「やめとけ。見つかったら終わるぞ。それに部屋は2階より上だ。」


「じゃあ水原が…」


「俺は協力しないからな。」


「ちぇ。」


「よし、ここから女子寮裏まで一気に行くぞ。手につかまれ。」


「おっ、今回は準備できてるぜ!」


「<光線湾曲(ライトカモフラージュ)>」


「<加速(アクセル)>!!」


一気に女子寮裏まで移動する。


「<停止(ストップ)>」


女子寮を通り過ぎた辺りで急停止する。


「今度はしっかり楽しめたぜ!!」


立ち入り禁止エリアにいるとは思えないテンションだ。


「さて、ここら辺は俺たちが来たことない場所だな。」


「あ!!あれプールじゃねえか!!」


レオナルドが指差した先、女子寮から北に少し離れたところに屋外プールがある。おそらく今後プールの授業でもあるのだろう。


「今度泳げる機会があるといいな。」


「え、あ、ああそうだな!」


「どうやらプールと校舎は1階の連絡通路で繋がってるみたいだから、プールを左からまわらないと奥へは行けないな。」


「そうだな!じゃあ左からまわって行くか!」


そして俺たちはプールをぐるりとまわり、プールの北側へ行く。


「あ、あれは模擬戦会場だな。」


学園の中央北側に位置している模擬戦会場が見えた。薄い水色の壁で囲われており、内側の奥には俺たちがよく知る模擬戦のフィールドがあり、校舎側にはその入り口と観戦スペースがあった。


「模擬戦会場ってやっぱでかいなー!!」


レオナルドが言う。確かにこの模擬戦会場は学園の面積の半分程度を占めているからな。やはり校舎から見ると正面から見る形になって奥行きはあまり感じないから大きく見えるのだろうか。


「でもどうして模擬戦会場には校舎との2階連絡通路以外の出入り口がないんだろうな!!」


「外に行っても特に何もないからじゃないのか?」


「だったら校舎に裏口つけて1階からでも出入りできるようにすればいいじゃねえか!!」


「確かに…いや、まさか生徒に見られたくないような何かがあるのか…?」


「でもそんな見られたくない施設なんて…」


俺たちはお互い向き合う。おそらく俺たちは同じものが頭に浮かんだだろう。


「「駐車場か!!」」


そして俺たちはすぐにプールの東側へ回りこみ、2階連絡通路の下を見る。


しかし、そこにはただの芝生が広がるだけだった。


「なーんだ。戻ろうぜ、水原。」


レオナルドが言う。だが駐車場の場所などここ以外に考えられない。


「異能学園のことだ。もしかしたら異能で見えないようにしてるんじゃないのか?」


レオナルドが振り向き、戻ってくる。


「すげえな水原!!そんなの思いつかなかったぜ!!」


これくらいでも少しは考えればわかったのではないだろうか。


「あ、ありがとう。」


俺たちは2階連絡通路の下へと歩いていく。すると連絡通路の真下に行く15メートル前くらいで突然何かの薄い幕を通ったかのような感覚を覚える。


そして目の前に現れたのは、トラックが何台か駐車されている、紛れもない駐車場だった。


「お!!あったな駐車場!!流石だぜ水原!!」


その時、駐車場の西側から別の声が聞こえる。


「お、水原氏!!ここで会うとはすごい偶然でごわすな!!」


「この駐車場透明になっててびっくりしたぜ!!」


ブライオスと濱口が走ってくる。


「濱口をここまで連れてくるとはやるなブライオス!」


そうブライオスに言うと、濱口が反論する。


「俺だけでも別にここまでこれたぞ!!」


「でも濱口氏、ここにくる前に引き返そうとしたじゃないでごわすか。」


「べ、別にそんなことねえよ!!」


「引き返そうとした、か。」


俺はレオナルドの方を見る。


「別に俺だって引き返そうとしたわけじゃねえよ!!」


やはりこいつらは似ているな。


「でもこのトラックたちどこから出るんだ?」


濱口が言う。そして俺たちは周りを見渡すと、車が通れるスペースの道が北側へ下り坂になっているのが見えた。


「あの道から出ているでごわすな。」


そして道を覗くと、道がある程度地面にめり込んで下がったところで、急に途切れていた。


「やっぱりトラックが通らないとここは開かないみたいだな。」


「なんだ、今日は秋葉原行けないのか…」


「悲しいでごわす…」


「まあまた今度行こうぜ!!」


「そのためにはトラックがいつ出るか確認しないとな。」


「水原氏に濱口氏、まだ拙者たちに協力してくれるでごわすか!?」


「もちろんだ。」


「当たり前だぜ!!」


せっかくできた友だ。もちろん協力する。


「ありがとよ!!そうと決まれば明日からトラックの調査だな!!」


「そうでごわすな!!」


そして俺たちは駐車場を東から出て、男子寮入り口まで行く。


「でも今昼だぜ、今日はまだ全然のこってるぞ。」


濱口が言う。


「それならお前ら、あそこの芝生のところまで行こうぜ!!」


レオナルドが言う。


「何かあるでごわすか…?」


そして俺たちは東側の芝生に集まる。


「それなら今日面白い遊びを発見したんだぜ!!」


レオナルドが言う。今日見つけた面白い遊びだと…?まさか…


「水原!!」


やはりあれのことか。


「まったく仕方ないな。」


ほらお前ら、俺の腕につかまれ。


ブライオスが左腕に、濱口とレオナルドが右腕につかまる。


「<加速(アクセル)>!!!」


上方向に高速で飛ぶ。


「ひゃっほーーーい!!」


「うおあああああっ!?!?!?」


「なんでごわすか!?」


「<重力加速(グラビトン)>!!」


高速で落下する。


「<停止(ストップ)>!!」


地面に当たる直前で停止する。


「び、びっくりしたでごわす…」


「なんだよいきなり…」


「慣れればすげえたのしいぜ!!」


「確かにそうでごわすな。」


「次はもう驚かないぜ!!」


どうやら意外と好評なようだ。たまには異能をこんな使い方してみるのもいいかもな。


「じゃ、次行くぞ!」


「おう!」


「来い!」


「ごわす!」


「<加速(アクセル)>!!!」


そして俺たちは再び空へ舞い上がる。


高さが数十メートル変わったところで見える空には変化がないはずなのだけれど、その時、空中で見た青空はとても美しく見えた。

ちょっと投稿遅れてすみません

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