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7話 本を買って読む

今、本屋で人体に関する本を探しに来ている。

もちろんマルルへのお土産だ。すると、店員が話しかけてきた。


「どんな本をお探しですか?」

「人体の構造に関する本はありますか?」


店員は悩み、魔道書エリアから1冊の本を持ってきた。


「”人体治癒用人体構造書”はいかがですか? これは治癒魔法の向上を目的に作成された人体構造の本です。 ですが、人体構造を理解しても、しなくても効果は変わらないと分かり、最近ではほとんど売れません。 魔道書関連書という位置付けですが、売れないので安くなっております。 人体構造を知るにはこの本が1番かと思います」


魔道書はとても値段が高く、中には金貨数枚から数十枚は覚悟しないといけない。物によっては国家機密に指定され、存在自体教えてもらえないものもある。魔道書関連というのは安くはなるがそれでも高い。それがさらに安くなってるといっても、かなり高いだろう。


「値段はおいくらですか?」

「大銅貨8枚です」


やっす。

買おう。


「買います」

「毎度ありがとうございます」


人体治癒用…とにかく本を買い、しばらく書店の中をふらふらと見て回ってると、一冊の本を見つけた。


”スライム大全”


すごい気になる。


「すみません! この本のこと教えてもらえませんか?」


店員さんがやってきて、解説を始めてくれる。


「この本に興味を持つなんて珍しいですね。 この本はスライムのみを載せたかなりマニアックな本です。 他の魔物が一切無い変りにスライムに関してはとても詳しく載っています。 ですがスライムの事を知りたい人なんてめったに居ないのでほとんど売れません。 この本なら大銅貨2枚でいいですよ」


これは買うしかない!




~*~*~*~*~*~*~*~*~*~




「ただいま」

『おかえり』


宿に戻り、人体治癒…とにかく本をマルルに渡す。


『これは?』

「人体構造が載ってる本だよ。 これを読めば骨の関節の作り方がわかるかもしれない」

『わかった! 読む!』


そう言ってマルルは早速本を読み始めた。変形で器用にページを捲っている。そして僕はスライム大全を読み始める。


【スライム大全】

スライムは最弱の魔物と呼ばているが、実際は知性が無いが身体能力は極めて高い。体は基本すべで筋肉で出来ていて、力自体は極めて強い。だが、球体の体のため力を出す効率がとても悪い。

さらにスライムは能力は無いと思われているが1匹1匹なんらかのスキルを持っていると思われる。ほとんどのスライムは能力の使い方が分からず使うことが出来ないが、稀に本能的にスキルを使うこともある。

さらにスライムには様々な種類があると思われているが、スライムはスライムである。色や特性は育った環境によって変わる。毒が多い場所なら毒を持ち、ポイズンスライムなどと呼ばれたりするが、ただの毒をもったスライムである。メタルやミスリルスライムなども、そのスライムが食べたもので変化するといわれる。この後に書いてあるスライムの名前もすべて通称であり、種族名はスライムである。

力があるにもかかわらず形のせいで力を使えず、能力があるのに知性が無く使えない。

そんな敬愛すべきかわいいスライムについてこの本では詳しく解説します。



わかってる!

世の中にこんなにもスライムを愛してくれてる人が居たとは!


とにかく期待通りだ、スライムについてかなり詳しく載っていそうだ。今はこの本でスライムについて詳しくなろう。




~*~*~*~*~*~*~*~*~




本を読んでると晩ご飯の時間が来たようだ。


「晩ご飯をお持ちしました…そちらの方は?」


しまった。マルルが人型のまんまだった。


「ああ、うちのスライムです。 変形ってスキルを持っていて形を変えてるんです。 マルル、スライムに戻って!」


するとマルルが元のスライムに戻る。これで誤魔化せただろうか?


「スライムはスキルがないはずでは?」


これに対する対策は考えてある。スライム大全の前書きの部分を見せ、スライムはスキルを1個だけ持ってるというのを教える。


「ここに書いてありますが、スライムは1個だけスキルを持ってるそうですよ。 うちのスライムは教育したのでスキルが使えるんです」


うそは言っていない。マルルはいっぱいスキルを持ってるが普通のスライムは1個だ。教育でスキルが使えるのも本当だ。


「そうなんですか。 ではいつもの具なしシチューでいいですか?」

「はい」


なんとか誤魔化せた。ただの変形を使えるスライムだと思ってくれたはずだ。本来複数のスライムを混ぜないと変形で色は変わらないし、質を変えるにも変質が必要だ。だが合体のことを隠せた。こんなスキルが使えるスライムが数百匹のスライムと同じ存在で一斉に動かしたり出来る上様々なスキルを使えるなんてしられたら、緊急討伐が発生してもおかしくは無い。


その後またマルルは人型に戻りシチューを…手から吸い取る。メタルな部分で吸収するとメタルスライムの量が増えるらしく、手をメタル化させて吸い取ってる。


食べ終わったが、今日は寝る前にもう少し本を読む。


スライム大全を読んでいると、何種類か面白いスライムを見つけた。


ミスリルスライム

エルダ王国の北都サールドンの近くのドンガミスリル鉱山で初めて確認された。

メタルスライム同様、鉱物を食べる特性があり、ミスリル鉱山の中で多くのミスリルを食べたためミスリルと同じ強度になってるといわれている。臆病で逃げ足が速く、確認されたものの倒せたことは無い。


デビルスライム

悪魔討伐後、周囲のスライムが変質し、デビルスライムになることがある。

一説には死んだ悪魔の魂が四散した時に影響を受けたといわれる。見た目は黒く、角が生えているが、見た目以外はほとんど普通のスライムである。


フェアリースライム

エルダ王国の西都ウィルサンの東部にある、妖精の滝に居る。

羽が生え、空を飛ぶスライムとして有名である。羽自体で飛んでるわけではなく、羽に魔力を通して飛行魔法を使ってる。妖精が生まれるとき発生する精霊の波動を受け、変質したといわれている。




このスライムと合体すればマルルが強くなれるかもしれない。デビルスライムは…マルルがかっこよくなるかもしれない。

ミスリルスライムとフェアリースライムは場所が書いてある。場所は近く無いが森のマルルを何匹か派遣すればいい。理論上テイムの有効範囲は無限だから、食べ物さえ与えれば仲間になってくれるはずだ。

デビルスライムは前に南都で悪魔が暴れたらしいから、そこに行けば居るかもしれない。


「マルル、遠くまで行って見たいと思わない?」

『うん、行って見たい!』


その後、計画を説明したら、マルルはノリノリだった。明日、パンを多めに渡し、100匹ずつの団体3つで3箇所へ向けて集団旅行をすることになった。


そして今日はマルルは本を読みたいと言うので、1人で眠りについた。

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