6話 マルルの増加
朝日が差し込み、目が覚める。
「おはようマルル」
『おはようご主人様』
朝起きて、食堂でお弁当をもらい、スライムの餌用に追加でパンを貰う。今日も狩りに出る。
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いつもの通り森へ来た。
そして今日もスライムを仲間にしようと思ったら、マルルから提案があった。
『テイムを距離拡張で遠くから出来ない?』
まさかの提案だった。試したことは無かったが、スキルにも有効ならテイムが遠くから使えてもおかしくない。だが、
「食べ物あげないと仲間になってくれないよ」
『マルルが食べ物与えてくるから、ご主人様は遠くからテイムして』
この子頭良い。その通りだマルルが食べ物を与えて、僕がテイムすれば良い。マルルはいっぱい居るからすごい速さで増えることになる。
「じゃあ、他のマルルも集めて。 食べ物渡すから」
『こっちついて来て』
マルルについて行くと、大量のマルルと大量のゴブリンの耳があった。
「この耳は?」
『夜にマルルが集めた』
その後、話を聞いたらマルル5匹1組、6組に別れてゴブリンを狩ってたらしい。この子編成を考えるとか、天才ですか?
ゴブリンの耳は300個はあるだろう。
『早く大きくなりたい』
急かされてしまった。前は仲間増やすって言ってたのに大きくなるって言ってるよ…。
「じゃあパンを分けるぞ」
すると、マルル達が1列に並んだ。1匹目にちぎったパンを何個か渡そうとすると、突然先頭のマルルの頭の上に穴が開いた。驚いているとマルルが自慢げに答えてくる。
『変形した!』
なるほど。変形でパンを入れる場所を作ったのか。変形はかなり使えそうだ。
パンを配り終えると、青マルル1匹が僕の下に来て、残りのマルル31匹が整列した。
そして突然5匹ずつ、6組に別れ、1匹あまった。その1匹は急いでそのうちの1組に合流した。そしてマルル軍団は森の散策を始めた。
『テイムして!』
「テイム!」
即座にテイムされたスライムと1度合体し、そのまま分離する。そして分離で増えた固体が僕の下に集まる。新マルルが5匹集まると、パンを要求し、また新しいスライムを探しに行く。
『テイムやってー』
「テイム!」
『こっちもテイムして!』
「テイム!」
これはかなり疲れる。だがとてつもない速度で新マルルが増えていく。
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数時間が経ち、全マルルを集めた。目の前1面がスライムで埋め尽くされている。すべてマルルだ。500匹は居そうだ。ついでにゴブリンの耳も100ほど増えた。
そんな中、1匹のスライムが目に留まった。
「マルル。 あれってメタルスライムじゃないか?」
メタルスライムとは臆病なスライムが丈夫になるために鉱石などを吸収し、金属並みの硬度を得たレアスライムだ。その素材は液体で加工しやすい上、1度魔力を通すと金属並みに硬くなる。
『うん、そうだよ』
「あいつを骨にして人間の形になったら、ふにゃふにゃに成らずに済むんじゃないか?」
マルルが人間の形をしてもまともに動けなかったのは、おそらく骨が無いからだ。メタルスライムを骨格に利用すれば人間のようになれるかもしれない。
「一回メタルスライムを体に入れて、人間の姿になってみないか?」
『わかった』
そう言うと、マルルは赤と黄色とメタル、それといろんな色を少しずつ集め、人間の形へと変形していく。
『メタルが足りなくて小さくなっちゃったけど、どうかな?』
その姿は見覚えがある。ソフィアだ。
「な、なんでソフィアの姿なの?」
『ご主人様の好きな人の形に成ってみた』
なぜそれを知っている!いや、前は記憶を片っ端から読んでたみたいだし、ソフィアを知っててもおかしくない。でも、好きだってことまでばれていた。スライムとはいえ、ばれると恥ずかしい。
「さすがにその姿はやめてもらえないかな…」
『わかった』
そう言って少し変形する。今度は6~7歳のかわいい女の子って感じだ。
『どうかな?』
「かわいいと思うよ」
上目遣いで聞かれると少し照れる。そしてマルルが歩き出す。
ギギギギギギィ
明らかにやばい音がする。金属が擦れて削れてるような音だ。
「マルル大丈夫か?」
『関節が動かない』
やはり適当に作った骨格だとうまくいかないか。僕も人体の知識があるわけじゃないし、僕から知識を得ているマルルが知ってるはずも無い。今度人体の本でも買ってこよう。
「マルル今日は人型とスライムの形どっちで街に戻る?」
『人型が良い』
そう言うのでマルルをおんぶして行くことにした。マルルが何匹か混ざってるのでので前よりも重い。
ゴブリンの耳400と人型マルルを連れ、街へ戻る。
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一旦マルルを宿に置いて、冒険者ギルドへ耳の精算に来た。
「ゴブリンの耳を持ってきました」
「はい、耳を出してください」
400個以上の耳を出すと受付のお姉さんも少しビックリしている。
「これ全部今日集めたんですか?」
「はい」
集めたのはマルルだが僕のテイムモンスターだ。問題はないはずだ。
「では数えますのでしばらくお待ちください」
そう言って、奥へ行った。さすがに400は多すぎたのだろうか。しばらくするとやっと受付のお姉さんが戻ってきた。
「436匹で大銀貨1枚、銀貨7枚、大銅貨5枚です。 少しだけおまけしておきました。 今回のクエストで銅級昇格試験が受けられますがどうされますか?」
そうか、これだけ狩れば昇格試験が受けられてもおかしくない。でも、僕はマルルなしでは非力だ。まずはルールを確認しないと。
「昇格試験のルール教えてもらえませんか?」
「昇格試験は申請から3日後に試験室にて1対1で魔物の討伐を行っていただきます。 装備はすべて自前で用意してください。 貸し出しの剣は試験では使えません。 一度失敗すると、2週間受けることが出来ません。 詳細なルールは当日発表します」
「テイムモンスターは連れて行けますか?」
「テイムモンスターは2体まで可能です」
マルルさえ居ればなんとかなるだろう。試験を受けてみよう。




