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六月のプライド  作者: 転生新語


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プロローグ

 どうしてライブハウスの中(なか)は、こんなにタバコ臭(くさ)いのだろう。喫煙者(きつえんしゃ)ではない私は、ひたすら不快(ふかい)だった。ここは地下(ちか)にあって、それが騒音(そうおん)対策(たいさく)になっているんだろうけど、タバコの煙(けむり)も地下(ちか)のハウス内部(ないぶ)へと溜(た)まっていくんだろうかと思(おも)った。


『ミュージシャンは不健康(ふけんこう)が売(う)りっていうか、セールスポイントだから。いまの若(わか)い子(こ)はどうだか知(し)らないけど、アラサーの私もお酒(さけ)が辞(や)められないわ。タバコは吸(す)わないけどね、私は歌(うた)い手(て)だから』。彼女(かのじょ)はそう言(い)っていたものだ。お酒(さけ)は私も好(す)きだから良(よ)かった。もし彼女(かのじょ)が喫煙者(きつえんしゃ)だったら、私とキスをする関係(かんけい)にはならなかったのだろう。


 今夜(こんや)もライブハウスは、小(ちい)さいながらも盛況(せいきょう)で。私の恋人(こいびと)である彼女(かのじょ)は、今夜(こんや)最後(さいご)に出演(しゅつえん)するバンドのボーカリストであった。

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