2-1.精霊の目覚まし
2-1.精霊の目覚まし
オイダの町。
デリヴァは、宿屋のベッドでぐっすり眠っていた。
「デリヴァ、デリヴァ。おはよう。朝だよ。」
精霊達が起こしに来た。
「ん?もう朝?」
デリヴァは眠い目をこすると、両手を伸ばして大きく伸びをした。
「何かあった?」
「娘、病気。娘、病気。」
「分かった。顔を洗うよ。どこなの?」
「ちょうちょ。ちょうちょ。」
「チョウチョの娘は青虫だろ。」
「チョウチョウ。」
「町長と言いたいのかな。ギルドに依頼出てると良いけど。」
髪をとかして歯を磨くと、デリヴァはモーニングを摂りに階下に降りた。
「女将さん、ギルドってどこでしょう?」
「中心広場の右側にあるさね。」
「ありがとうございます。」
デリヴァは髪をポニーテールにまとめ、衣服を魔法でクリーンすると、颯爽とギルドの扉をくぐった。
「デリヴァ、治癒師だ。治癒の依頼はないか?」
受付で名乗った。
「はい。ございます。」
「ファルファさんの娘さんが、肺病だそうで。長患いで咳が出るばかりだとか。」
「ほう?ファルファさん?どんな家か聞いても?」
「町長をされています。」
「町長か…?」
デリヴァは顎に人差し指を当てて思案した。
「そうです。御礼は金貨3枚と。」
「うん、悪くない。一つ聞きたいんだが。」
「何なりと。」
「依頼の受諾や遂行記録は文書として残るのかな?」
「あ、ええ。もちろん。厳密に保管しています。」
「それは良かった。」
デリヴァは少し肩の力を抜いて笑顔を見せた。
「何かありましたか?」
「いや…。もし、冒険者の名前を依頼主が忘れてしまっても記録を見れば分かるってことだよね?」
「忘れるなんて?まさか。そんなこと。」
「万一の確認をしたかっただけだ。気にしないで。」
デリヴァは苦笑いして頭をかいた。受付嬢は微笑んで、
「いえ。お気になさらず。いかがでしょう?」
「分かった。これ、受けるよ。」
デリヴァは、受諾のサインをしたのだった。




