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結婚したのに6年間無視され続けた私、本当の理由 〜原作にいない貴族令嬢は世界を変える〜  作者: 唯崎りいち
第三章 静かなる聖地、それは光

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手に入れた記録

 僕、アイゼルは、大聖堂の奥で教会が持つ司祭たちの魔力の形の資料を探していた。


 しかし、資料室まで来たものの、膨大な資料の中から、目当ての資料を見つけるのは大変だった。


 一度の潜入で見つけられるとは思っていなかった。


 魔力を使う隙があればすぐにでも資料は見つかり持って帰る事が出来るが、その隙を作るのが難しい。


 隙が出来るなら、教会内部がゴタゴタしている、今がちょうどいいと思ったんだが……。


 明日の夜だってこのゴタゴタは解決していないだろうから、明日の夜に来てもいい。


 ただ、今夜、教会の内部で隙が出来るのならそれに越したことは無かった。


(しばらく待つか……ダリルを結界の外に待たせているから、長く一人にしてはいられない。僕自身もあまり長く姿が見えないと、怪しむ人がいないとも限らない)


 そう思いなが、本棚を一つ一つ見ていく。


 流石に歴史のある教会の資料室だけあって、興味深いタイトルの本が置いてある。


 魔力を使えば持ち出すことは出来るがやめておこう……。


 わずかな痕跡は残る。


 ここから疑われて、本来の目的が達成できなければ困る… …。


 そんな事を考えていたら不意に地面が揺れる。


 わずかに残っていた司祭たちは慌て出した。

 しかしどこか落ち着いてもいた


 この地震が大聖堂内部の結界に何者かが触れた事が原因だろう。


 ただ、大聖堂の内部だけが揺れている。


 僕はこの揺れを察知しだい瞬間に魔力を使っていた。


 探索の魔法。


 この広い資料室を一瞬で包んで、目的のものが何処にあるか見つけだす事が出来る。


 僕は素早く魔法を使うと一瞬のうちに魔力が波紋のように広がる。


 そして、目的のものの場所を教えてくれる。


 ……レオンハルトが結界に触れたのだろう。


 彼が有能である事には違いない。


 そして、味方であることも……。


(兄上の命令で動いているレオンハルト……。僕に何をやらせるつもりだ……)


 結界破りに揺れに驚いていた司祭たちだが、大聖堂を守る騎士が結界に触れたせいだと納得して仕事に戻っていく。

 慣れている……。


 目的を達成した僕は、ダリルの待つ結界の外側に行くと、そのまま大聖堂を後にする。


 ◆◇◆


 朝、目が覚めるとアイゼルの顔があった。


 私、クレアはホッとする。


 昨日の夜に、ダリルと二人で大聖堂に行ってしまったけど……目的は達成出来たの?


 とにかく、戻ってきてくれて良かった……。


 そう思ってギュッとアイゼルを抱きしめた。


「クレアちゃん……」


 アイゼルが少しだけ目を覚ました。


 でも、結局、私も一緒に寝てしまう……。



「クレアちゃん」


 アイゼルに起こされて起きた。


「私が先に起きてたのに……」


 アイゼルは、二度寝する前に見た、金髪ではなく、黒髪のかつらをかぶってフードとマスクをして、支度が完全に整っている。


 アイゼルは私の言葉に笑っている。


「クレア様!」


 ミアが着替えを手伝ってくれる。


 私たちは、聖都ヴァティウスの大聖堂の下にある街の中の宿屋に泊まっている。


 宿の朝食は簡単なものだけらしく、別の場所に行く事にする。


 それは表向きの理由で、個室のある部屋の方が話しやすいからと言う事だった。


(宿屋の部屋でもいいのだけど、今の人数が一つの部屋に集まると狭いのよね……)


 今は、私、クレアとアイゼル、ミア、ギリアム、コリン、ダリルの6人で行動する事になる。


 やっぱり、4人までなら自然でも、5人以上になると目立ってしまう。


 アイゼルが私と一緒の部屋を出る前に、私を抱きしめキスする。


 ここから先は周りの目もあるから手をつなぐこともできない。


 別れの儀式みたいで少しさみしい。


 また宿に戻って来るの……。


 朝食の場所に選んだ店は賑やか、個室の中で混みいった話をしても、あまり気にされそうになかった。


 硬いパンと豆のスープ、燻製肉とチーズの朝食は私とミアには十分だったけど、アイゼル達には物足りなかもしれない。


 特にアイゼルとダリルは昨日は夕食を食べていないのかも。


 食事の後でアイゼルが目的のものを無事手に入れたと言う。


 私はホッとする。


 多分原作でも見せてくれた魔力で、資料自体の内容を一瞬で保管したんだと思う。


 かなり高度な魔術だけど、アイゼルにとっては簡単なのよね……。


「紙を手に入れないといけませんね……」


 ギリアムが言う。


 魔法でコピーしたものは、アイゼルには読めるけど、他の人が読むには紙に写さなきゃいけない。


「別荘に行ってからでも問題ないだろう。聖都ヴァティウス周辺では持ち歩きたくない情報だ」


「そうですね……。ただ、紙だけはここの方が手に入りやすそうです。鉱山都市で品切れだと困りますから」


 ギリアムの心配も一理あると思う。


 鉱山都市のような不便なところでは、一度なくなると品物が入ってこない。


「ギリアムには紙を調達してもらう。ミアと今後に必要な道具も買ってきてくれ」


(またミアとギリアムが一緒……)


 アイゼルは私が言ったことを考えて、二人をくっつけようとしている?


 私の視線に、「違う」と言うように一瞬だけ、アイゼル何目を細めた。

 私のは少しムッとする。


「ねえ、アイゼル。目的にものを手に入れたのなら、すぐにヴァティウスを出ていくの?」


 私が聞く。


 ホムンクルスが少ない理由——大気中の魔力そのものが減少しているって状況がある。


 私はもう少しここの様子を見て何かできる事があるのか探りたいけど……。


 これは原作知識だから、話せない。


 それに、今思いついてる出来る事が曖昧で漠然としている……。


 なかなか伝えられないわね……。


「ヴァティウスにはまだいるつもだ。少なくとも、今は会わなければいけない人がいる」


 会わなねればいけない人?


 昨日までのアイゼルはそんな事は言ってなかったけど……。


「昨日、大聖堂で帝都から派遣されている騎士に会ったんです」


「え?」


 私は驚いたけど、他のみんなも驚いている。


 帝都の騎士って誰?


 原作にもいる人?


 “会わなければいけない”なんて言うからには、ただの騎士じゃなくて、それなりに役職がある騎士な気がするけど……。


「帝都の騎士に会うなどと、勝手に……。アイゼル様、存在を知られていいかもっと慎重にならないといけません。迂闊すぎます!」


 ギリアムに怒られている。


「ギリアム……。今から、会うんじゃないんだ……。もう会っているんだ……」


 アイゼルが行った時に……


「失礼する」


 そう言って食堂の個室に大柄な騎士が入って来る。


 私は急な展開に、絶句する。

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