神々、ドラ○エにはまる
【神々、ドラ○エにはまる】
元の世界に戻ってきた僕。
天界で、購入してきたゲームセットを組み立てる。
まずは、移動型の太陽光発電機。
天界はいつも晴れているので、昼間ならば充電し放題だ。
それから、パソコン一式をテキパキと組み立てる。
後ろでは、神様たちが集合して期待でランランと目を輝かしている。
『ところで神様、翻訳魔法は持ってますよね?』
『神としては翻訳魔法は基本じゃの』
ゲームは向こうの言葉で書かれてあるからね。
『では、ゲームをします』
ドラゴン○エスト1をやってもらうことにする。
簡単な説明をして、さあスタート。
『おい、ずっと待ってるんだが、全く動かんではないか。壊れておるぞ』
神様、さっき説明しましたよね。
ゲームパッドの使い方。
ゲームパッドを動かさないならゲームは進みませんよ。
『おお、動くではないか。よし、あとはまかせよ』
僕は1時間後にご飯を食べてから戻ると、
神様たちが寝てた。
『このゲーム、つまらんの。王様とやらと話したあと、何にもすることがないではないか』
『これはですね……』
ゲームを知らない人に教えるのって、こんなに大変なのかな。
ドラ○エ1ってかなりシンプルなゲームなんだけど。
僕はいろいろゲームを経験してからドラ○エ1やったから、ものすごく簡単に感じた。
でも、これが初めてのゲームだと難しいのかもね。
結局、最初から最後までつきっきりでドラ○エ1につきあわさせられた。
『うむ、かなり面白いの。次はなんじゃ。ドラ○エ2か?』
『ドラ○エ2はかなり難しいので他のほうがいいかもしれません』
『何をたわけたことをいいおる。ドラ○エ1より難しいはずはあるまい。次は2じゃ』
ドラ○エ2(ファミ○ン版)って、ドラ○エの中でも一番むずかしいって言われてるんだけど。
『ロレンツォ、ギブ。このゲームは悪意の固まりじゃ』
『ここに攻略本おいておきますから』
『おお、そういうものがあるのか。早く言え。これで妾もゲーム王じゃ』
『ところでロレンツォ、1セットしかないのか。順番をめぐって言い争いが絶えん。もっと手に入れられんのか』
『それと、ブランディーヌが何やらたくさん買い込んできたけど、私も服が欲しい。今度、一緒に行くわ』
『『『『私も』』』』
いや、こんな光り輝く美人を何人も連れて行ったら、大騒動になりそうだ。
女神様は6人いるから、二人ずつ連れていくことにした。
順番で揉めてたけど。
というわけで、僕は日本へ戻ることにした。
今回は一人だけで行こうとしたが、マリアがついてきた。
『今回は遊びはないからね』
世界中を飛び回る予定なので、遊んでいる暇がない。
まずは日本に転移して数日後、僕は無事にパスポートを取得。
こちらでどれだけ時間を潰しても、日本では時間が進まない。
だから、日本で時間をつぶす必要がある。
パスポートを取得するのを待つ間、
今回は面倒なことをする必要がある。
資金稼ぎだ。
売るものはたくさんある。
ゴールド、宝石、骨董品……
問題は大量に売ろうと思うと、いろいろ規制があることだ。
下手に売ると、お役所に睨まれてしまう。
だから、僕は海外巡りをすることにした。
多少、買取価格が低くても緩い国を目指す。
バイオデータだけ書き換えた偽造パスポートも魔法で用意した。
空港で使うわけじゃない。
お店とかの身分証明に使うのだ。
日本のパスポートはICデータがあって、僕ではそれを書き換えられない。
でも、大抵はバイオデータのページしかみない。
スタンプは適当なものをたくさん押してある。
そこをチェックするような人には記憶をなくしてもらうけど。
だけど、そういう緩いところは得てして治安が悪かったりするわけで。
『ロレンツォ。またおかしなのが集まってきたで』
僕もマリアも探査魔法をかけっぱなしである。
僕たちはまだ若く、美男美女で目立つ。
育ちがいいのはひと目で分かる。
しかも、どうやら大金を持っているらしい。
見た瞬間にカモ認定される。
僕は結界・防御魔法を張り巡らしている。
基本的に敵意をもった人は近寄れない。
武器を使っても届く前に消滅してしまう。
だからほっておいてもいいんだけど、騒ぎに巻き込まれるのが面倒だ。
だから、ある程度まで近づいてきたら、先制攻撃する。
そんなに大したことじゃない。
川があればそこへ放り込んだり、
石つぶてを額にぶつけたり。
たいていは、地味な攻撃をしかける。
直接攻撃するわけじゃない。
30mぐらい離れたところから攻撃するから、
周囲は何がおきたのかわからない。
一度、火魔法を放って対象を燃やしてしまったのはまずかった。
自然発火?とか報道されたから。
換金ショップつながりの悪党も多い。
こちらには鑑定持ってるマリアが控えている。
僕もある程度相手を読めるからね。
騙しに入った次点で、その関係者含めて僕らにはバレてる。
治安のために、そういう輩はまとめて処分する。
文字通り、ショップごと消滅する。
こうして、結局世界一周をすることになった。
ちょっぴり、世界の治安が良くなったかもしれない。
チマチマと少額の取引を繰り返し、なんとか1億円ほどの現金を用意できた。
そして、前回購入した店を周り、20セットばかり注文してきた。
1回に滞在できる日数は1週間だ。
前金を払い、一度元の世界に戻った。
免許書とマイナンバーカードの再発行は期間内に間に合った。
『なんや、今回は全然遊べんやないか』
『だから行く前に言ったでしょ。今回は遊べないって。ま、次回は注文した品物を回収するだけだから、世界中で遊べるよ』
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