襲撃
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【襲撃】
朝早く、城を出発する。
僕と執事ランベルト、メイドのフィナ。
それから、猫三匹。実はセリア姉さん、メイドのメリッサ、聖女マリア。
首都近くのトーハウ川の港から一気に領地の近くまで船で北上する。
『別に僕たちについてこなくてもいいんだよ? 君は自由だ』
『何いけずゆーとんねん。私があんたを守ってあげてるのがわからんの?』
『いや、君、クッキー食べてるだけでしょ』
『ずっと警戒魔法を張り巡らしてるの』
『あのさ、食べるかしゃべるかどちらかにしたほうがお利口さんに見えるよ』
マリアは警戒魔法が得意らしい。
しかし、最初に気づいたのは執事ランベルトだった。
『出ましたかな』
『用意だけは準備万端にね』
早速、おでましになった。
僕たちの船を囲むように近づいてくる4艘の船。
こちらにめがけて弓矢や魔法の詠唱準備をしている。
『『『『『うわーっ!!!』』』』』
僕は魔法を発動してさっくりと船をひっくり返してやった。
こいつら泳げるのかな。
寒いのに。
僕は指揮官らしき男を引っ張り上げ、凍える男に尋問する。
『オレはしゃべらんぞ!』
『いや、しゃべんなくてもいいから。今から目を剣で突き刺すから』
ランベルトに男を押さえつけてもらう。
瞼をこじあげて、ゆっくりと剣を近づけていく。
『すまん、悪かった、やめてくれ、しゃべるから!』
『しゃべるなって』
男は涙目で喚くので許してやった。
船が揺れるので、2・3回、目の周りを突き刺してしまったが。
ギャアギャアうるさいっての。
で、指示した人物を特定する。
そいつは城では次男の悪事担当で有名なやつだ。
僕は失神した指揮官を連れて転移魔法で城に戻り姿を隠した。
そして、その悪事担当を捕まえて城の塔に裸でぶら下げてやった。
指揮官と一緒に。
今のところは仕返しはこのぐらいだな。
生存競争が始まっている。
味方の少ない今、最もいいのは敵を殲滅すること。
しかし、条件が整っていない。
領地をしっかり確保するまでは。
それにしても、ランベルトは荒事に慣れてそうだ。
『元冒険者Bクラスでしたからね』
十代でBクラスになったから、本当に期待の星だったそうだ。
そこを見込まれて、当時の僕の母の実家、つまりお祖父様が雇用。
彼の借金が嵩んでいたらしいが、それもお祖父様が精算。
その後、僕につけてくれたわけだ。
あのときは、お祖父様も勢いがあったな。
僕も焼き肉レストランで役に立てたかな。
僕の体制が整ったら、お祖父様に話をしにいかなくちゃ。
『やっぱり襲ってきましたか』
『城の回し者ですね』
『貴方に対する当たりが厳しすぎると思ってたけど、それ以上ね』
セリア姉さんは驚いていた。
『あの程度でしたら、心配することはないですよ。1000人ぐらいでも大丈夫』
『まあ、頼もしいですわ』
いや、本当に多少の軍隊ならあっという間だと思う。
これからは、備えも万全にするつもりだし。
ところで。
『マリアさん。誰が警戒魔法だって?』
『ちゃうねん、とっくに気づいとったけど、先にランベルトさんに言われてしもただけや』
『君の双子のお姉さんと交換したいんだけど』
マリアは自分がどれだけ優秀か主張し始めたので、魔法で口を閉じた。
半日そのままにしておいたら、涙目で土下座したので、許してあげた。
マリアは厳しく接して丁度になるタイプだと思う。
ワガママというよりも自分に忠実でマイペース。
しかも、かなりナマカワ。
かなりタフなので、少々のことでは全くへこたれない。
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