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いらない子扱いの美少年王子さまに転生した僕。追放された僻地からの無双始めます。  作者: REI KATO
新領地編

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33/102

領地に到着

誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。

【領地に到着】


 トーハウ川に沿って北上する。

 1日10時間は船に揺られる。それが3日だ。

 ようやく領地の隣街バイシュの船着き場にたどり着く。


 バイシュは人口が8千人ほどでこの近辺の中心的な街だ。

 ここまで400kmほどの船旅だった。


 ここから北上するには小舟以外は難しいらしい。

 マジックバッグ持ちの我々は殆ど手ぶらだから、小舟に乗り換え北上を続ける。

 バイシュからザップ船着き場までは80km弱。


 実は、既にザップのそばに転移魔法陣を置いた小屋を設置してある。

 しかし、賊が待ち伏せしているであろう。

 それを迎え撃つために船旅を選択した、というのもある。

 早めに排除しておきたかったのだ。


 賊を排除した後も、ゆっくりと風情を楽しみつつ、船旅を続行した。

 しかし、3日目にはつくづく後悔していた。

 退屈でたまらない。



 船着き場に到着する。

 ここからは比較的開けた場所が見通せる。

 この先、5kmぐらいのところに、目的の街“ザップ”がある。


 船着き場からは馬車だ。

 酷い道をガタガタ揺られながら、やっとの思いでザップにつく。

 ここまで来たなら、最後まで魔法を使わずに到着するぞ。

 と無駄な意気込みをしたことを再度後悔した。


 転移魔法でみんなまとめてこればよかった。

 なんで馬車使ったんだろ。


『私は退屈しませんでしたよ。久しぶりの旅でしたし』


 フィナは優しい。

 ただ、この時代の人達は基本的にのんびりしている。


『クッキーがたくさんあって退屈しなんだわ。もっとクッキーない?』


 マリアは聖女設定を忘れたらしい。



 ザップは東側は開けた場所だが、残りの北・東・南は森に囲まれている。

 遠くを眺めれば、北には険しい山脈が。

 西はそこまでではないが、やはり山脈が空を遮っている。


 南はずっと森が続き、20kmほどで隣の領地との境に出るという。

 しかし、森はちょっと危ないので、領民は川を使いたがる。



『ここまでくると、空は透明だし空気は爽やかですね』


 我々の癒やし担当メイドのフィナだ。


『お腹すいたー』


 我々のイラン子担当のマリアだ。



 ぶらぶら歩いて、農作業をしている穏やかそうな人に尋ねる。


『村長さん、おられますか』

『ワシが村長のアベラルドだけんど、どちら様で』


『申し遅れました。新しく領主に任命されましたロレンツォです』

『はえー、王子さまとかいう噂の。こりゃひれ伏さにゃあかんかね』


『いや、そんな肩苦しいことをしてもらっては困ります』


 この領地、ザップ以外で住んでいる人はいないとのこと。

 森の中は野獣・魔獣で危ないらしい。

 ただ、野獣・魔獣は人里には降りてこない。


 人口は300人程度。

 農業と林業がおもな産業だ。

 一見してだいぶ貧しそうなことがわかる。


 村長さん宅で夕飯を呼ばれた。

 固くて黒い石の混じった雑穀パンに、薄い塩味の野菜スープ。

 それに干し肉だった。


 これは割とこの国の標準的なご飯。



 とりあえず、お土産でクッキーを渡した。


『『うわっ、サクサクシットリあまーい』』


 奥さんのバンビーナと長男のアマートが同時に叫ぶ。


『やっぱり、都会のお菓子は美味しいね』

『これ、僕のお手製です。みなさんもこの程度ならすぐに作れるようになりますよ』


『ホントですか? こんなに美味しいものを?』

『準備が整ったら、僕の家でお茶会でも開いて、その時にお話しますね』




ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

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