表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/42

僕は猫(クリストファー)1

 僕は、猫の姿のままずっと彷徨っていた。

 3年前のあの日から。


「クリストファー王子、そろそろ出発の時間です。」

王宮の魔女、アカリナが言う。

「13才の誕生日になると、王子は皆、魔女の呪いを受けなければなりません。動物に姿を変えられ、魂をとられるのです。魂を見つけ、元の姿に戻るまで帰ってくる事はできません。」


 ここは、王城の塔の上だった。銀色の満月が輝く。僕は、魔女アカリナと、ケルリア国王である父上と母上、そして爺やと向かい合っている。


「第一王子は1年、第二王子は2年かかった。まあ何年かかろうとも良い。きっと帰ってくるのだぞ。」

 父上は、ちゃんと僕の事も見てくださっている。心に刻む。

 ちなみに何代か前には帰ってこなかった王子もいたとか。


「見つけた魂を、愛する人の手で飲ませてもらわないと戻れないのよ。心配だわ…。でもあなたは心が綺麗だからきっといい人がみつかるわ。」

 母上が目を潤ませながら言う。心配性なのだ。でも大丈夫。多分。僕はにっこり笑うと、父上と母上に挨拶のキスをする。


「坊っちゃま。爺やは待っております!命の続く限り!愛情1000ポイントで返り咲き!どうか、どうかご無事で!!」

 爺や、愛情がもの凄い。爺やが飲ませてくれたら一発かも。


「ありがとう。それじゃ行ってきます。」


 魔女アカリナが、呪文を唱える。僕の胸から青みがかった虹色の球体が吸い出された。アカリナがそれを掴む。僕は胸が苦しくて、呻く。身体が変化していく。そういえば、一番上の兄は綺麗なヒョウだった。二番目の兄は銀の狼だ。僕は、何に…。


 耳と、しっぽがついた。グレーの子猫だった。


 ええー。何でなの。兄さん達かっこいいのに。魔女アカリナの顔を見る。イヒヒって顔してる!

 アカリナ!やってくれたな!きっと、僕が小さい頃背中にイモムシを入れた時の事覚えてるんだ。あんなの5才くらいの時の事じゃないか。大人げない!


「子猫ちゃん、君に決めた!」とか言って、魔女アカリナは輝く虹色の球体を、えいっと投げた。雑すぎやしませんか。


 僕の魂は、銀色の満月の浮かぶ空を横切り、彼方へと消えていった。






 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ