パン屋の彼女と貴族の俺
男性視点です
「なぁなぁ聞いたか街のパン屋の話。」
「なんの話だ?」
俺の名前はブランドン。一応騎士という職業についている。そして俺に話しかけてるこいつはニコラス。こいつは貴族の俺とは違い平民から努力で騎士という職業についたやつだ。騎士学校の時からの親友というやつだ。
ニコラスの話だと下町の方にとても美味しいパン屋さんがあるらしい。そこのパンは貴族が隠れて行ってしまうほど美味しく、有名らしい。
ニコラスは情報を集めるのが上手く偽情報を教えることはないので本当にそうなのだろう。
「その店なんだけどな。12時オープンなんだが13時にはほとんどのパンが売り切れてしまうそうだ。」
「そうなのか。お前はそこのパンを食べたことがあるのか?」
「あぁ、あるぞ。そうだなぁ、クルミパンがうまかったなぁ。外はかりっと、それなのに中はふわふわで貴族が隠れて買いに行くのも頷ける味だったな。ていうかお前、気になるんだったら次の休みに買いに行ったらどうだ?休みの日は比較的空いてるって噂だぞ。」
それもそうだな、よし、行ってみるか。
カランコロン♪
「いらっしゃいませ。お客様。お越しいただきありがとうございます。」
お店の従業員の方だろうか? 一目見たとき驚いた。ルビー色の瞳、ピンクの髪に150cmほどしかない身長、華奢な体、顔はすべてのパーツがバランスよくとても可愛らしい顔をしていた。一目で恋に落ちてしまった。
「…あ、あぁ。どのパンがオススメか教えてくれないか?」
少し不自然になってしまったが大丈夫だろうか。
「はい!本日はこのクルミパンが出来たてなのでオススメですよ。いかがでしょうか?今でしたら試食も可能ですが。」
よかった。不思議に思ってないようだ。…クルミパンかぁ。確かニコラスが食べて美味しかったって言ってたな。よし、試食してみるか。
「そうか、ではいただこう」
一口分を切ってもらい口に運ぶ。うん、美味い。これは人気が出るのも頷ける。
「…美味い」
そういうとひどく安心したように息を吐いた。…そんなに怖かっただろうか。まぁ、いいだろう。
「ではこのパンを2つ買おうか。」
そうすると彼女は慣れた手つきでパンを袋に入れていく。
「ありがとうございます。では300リンになります。 ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
お金を払い、パンをもらいお店から出る。家に帰ってパンを食べるのが楽しみだ。
次の休みも行こうかなぁ。