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一色  作者: 相原ミヤ
火の国と来訪者
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赤に厄をもたらす色(4)

 その時だった。黒の色神の身体がびくりと痙攣した。目を細めるまでもない。黒の色神から色が流れ出て、異形の者へと流れている。異形の者は黒の色神の力を喰っているのだ。

 このままでは、黒の色神は命を落としてしまう。しかし、赤丸が力を弱めれば、異形の者は黒の色神を喰うだろう。今まで黒の色神の身体に興味を示していなかったのに、今更興味を示しているのだ。


なぜ……。


悠真は考え、そして理解した。赤丸と黒の色神の一色の反発だ。赤丸の色は、黒の色神の色を乱す。黒の色神が執拗に赤丸を狙ったのも、異形の者が突如、黒の色神の身体を狙ったのも、全て赤丸の一色が影響しているように思えるのだ。


厄色の子。


悠真の脳裏に黒が叫んだ言葉が響いた。

「厄色の子って……」

悠真は呟いた。すると、無色の声が聞こえた。

――色を不幸にする一色を持った人のことよ。赤丸の一色は色を不幸にする。赤も黒も私もね。そう言われているの。赤はそれを誤解だと思っているようだけれど。

悠真は赤丸をみた。赤丸の色は強い。赤丸の色は純度が高い。その一色が色を不幸にする。悠真には理解できなかった。ただ、赤丸の一色が恐れられていることに変わりない。


――赤、黒。今はこの混乱を鎮めることに集中するべきよ。黒、あなたがどんなに厄色の子である赤丸を忌み嫌っても、今、異形の者を抑えることが出来るのは赤丸しかいないの。黒の色神の身体を守ることが出来る人は、赤丸だけなのよ。悠真じゃ力不足よ。今は、赤丸に頼りなさい。


無色の声が響いた。無色の声に赤と黒が動きを止めたことは言うまでもない。赤丸がちらりと悠真を見た。離れていても、赤丸の額に汗が浮かんでいるのが悠真には分かった。このままでは、黒の色神の身体も、赤丸の身体も耐えられない。


「赤丸……」


悠真は赤丸を見た。

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