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教会総本部へ

それから私は精神的緊張を和らげるとの名目で勉強もマナーやダンスの授業もお休みになった。


ここの奴らも教会が絡んでるから、私に何も言ってこない。


食事も部屋で取り外に出るのは早朝の散歩だけ。


この散歩も体が鈍らないように早足で一時間歩き続ける。


部屋に戻れば読書という名の勉強。


マーサは平民出なので読み書きは出来るけど、貴族の令嬢を教える知識はない(頭はめちゃくちゃいいと思う)


なので解らなければ辞書を引いて調べるから進みは遅いし時々イライラするけど、邸に来る教師に教えられている時ほどではなかった。


何より私とマーサの死を回避するという明確な目標があるから投げ出さずにやれた。


そして死に戻ってから一月後に我が国の大教会の枢機卿がハシャス伯爵家に来た。


訪問目的は私とマーサ。


教会総本部から召喚命令が出されたのだ。


ハシャス伯爵家の誰もが驚いていたけど、私はマーサにもしかしたらそうなるかもしれないと教えられていたのでそこまで驚かなかった。(それでもちょっと驚いたけど)


教会総本部の召喚命令は一国の君主でも拒否出来ない。


しがない伯爵令嬢が断るなんて選択肢はなく超特急で準備して父親たちに簡単に挨拶をして出発した。


彼奴らのポカンとした顔に吹き出すのを堪えるのに自分の手を隠れて抓って耐えた。


馬車の中は私とマーサ、向かいにケリン枢機卿が座った。


あの神前裁判で進行役をしていた人だ。


銀髪紫眼のケリン枢機卿は私をじっと見ている。


「あの、ケリン枢機卿様。

私の顔に何かついてますか?」


あんまりジッと見るから我慢できずに聞いた。

この沈黙も無表情のケリン様の凝視も耐えられなかったんだもん!


ケリン様は眉をピクリと動かした。

喋ったらダメだったの?!


それから休憩するまでジーッと見てくる無表情のケリン様に耐えた!

頑張った、私!


休憩後は私とマーサの二人だけだったので、さっきの鬱憤をぶつけた。


「なんなの、なんでジーッと見てたの?

私顔になんかついてた?

めちゃくちゃ怖かった!」


マーサは慌てて私の口を塞いだ。


「お嬢様、声が大きいですよ。外に聞こえます。」


あ、不味い。


外には教会騎士がいる。


しかも100人はいてこの馬車を囲んで教会総本部に向かっているのだ。


しかも甲冑に剣や槍を持って。


お姫様気分というより犯罪者になったようで私の気持ちはどんよりしてる。


どうやっても気分が上がるはずないよ!


それなのにマーサはケリン様から教会に関する本を借りて一緒に勉強しましょうと笑顔で言ってくるんだもん。


「総本部で非礼があればどうなるか、お嬢様が一番ご存知でしょう。」


星華広場での刑を受けてた彼奴らが鮮明に浮かぶ。


何故か神前裁判の内容だけはいつまでたっても事細かに覚えている。


神ノーダムが忘れるなって言ってるのかな?


それから教会総本部に着くまでずっと教会の歴史から挨拶の仕方など只管勉強した。


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