冒険者と一緒 3
「げっ、マジかよ」
眉間にシワを寄せて思わずって感じで漏らしたミヤミヤムー。
「ミヤミヤムー、口が悪いぞ。
ワシらが予定外の地に居るのだから仕方なかろう」
一番年長…いや、きっとエルフの方が年上だろうから、年長に見えるす、るってーと…いや、スルティドが呆れ顔で注意する。
説明によると、南の国に船を付けた諸島連合の冒険者達は、パーティーごとに分かれて、各地へ散ったと。
一番領地の広い西に四つのパーティー、東にアキチカ達、うちの国に二つのパーティー。
船にも残っているパーティーが居るそうだ。
で、うちの国を回った二つのパーティーのうち、一つはそのまま真っ直ぐ西へ、ハルモリ達のパーティーはそこから北へ、アキチカのパーティーは東の国から北へ、二つのパーティーが合流して、北の国でへ向かう。
船は東回りで北へ向かい、北の地で二つのパーティーを回収後、西へ向かい、残りのパーティーを回収後、帰国予定だとか。
え?待って、何その大雑把な予定。
だって、初めて来た大陸だろ?
期日も決めずに北の国で合流、西の国で回収って、ちゃんと可能なの?
「上陸前に大陸の周り一周して、大きな港の場所を大まかに把握はしているから、こう言う予定になったのですよ」
立ち直ったアキチカが説明してけれるけど、港だけチェックしても…。
「何かあっても対処できる力はあるから。
いざとなれば野宿で構わないし」
見た目の通りの大雑把なアッスルムに頷くエルフの双子。
冒険者って大雑把じゃないとなれないの?
「だからまあ、東の国へ入れなかったのも、ある意味想定内ではあったんです。
全ての国で歓迎されるなんて事はないですからね。
ただ、本来ならそのまま北へ向かうところだったんですけど……」
「来いと、感じた」
「うん、呼ばれてる様な感覚?
北へ行く前にどうしてもこの町へ来たかったから来ちゃった」
テヘペロみたいな顔のスック。
「来たら、絶好調」
コテンと首を傾げるクラリ、ちょっとあざと可愛い。
「あー、それは俺も感じる。
なんだろうか、体の中がサラサラしてる?」
同じくコテンと首を傾げるアッスルム……マッチョのコテンは可愛くない。
「魔力の循環がスムーズな感じだよね。
精霊樹の近くにいるみたい」
それだ、と頷く五人。
精霊樹の近くにってのはわかんないけど、精霊樹⁈
めっちゃ気になるけど、今は置いといて、魔力がうんたらかんたらってのは…。
「あの伝承が関係してるのでしょうか?」
そう、それだよ、リズヴァーン!
なる程と納得したおじさんが、竜の話をアキチカ達に聞かせた。
「それ、きっと、実話」
「ドラゴンは魔力の塊りだから、ドラゴンの居たと言われる場所は、魔力が豊富って聞いたことある」
「山が崩れたとか地面が抉れたはどうかと思うけど、昔ドラゴンが居たのかもしれないですね」
うんうんと納得しているアキチカ達。
「竜…ドラゴンは実在するのですか?」
思わず聞いてしまったよ。
だってドラゴンだよ?ドラゴン。
「話は色々聞くけど、俺は見たことないな」
ミヤミヤムーが言うと、アッスルムとスルティドが言う。
「崩れた山から出てきた骨は見たことある」
「ワシも骨なら見た。
どこの骨かは知らんが、ワシの背丈より長い骨だった」
「里に爪とウロコ、ある。精霊樹の素」
「クラリ、それは秘密だろ!」
「あ、…皆、聞かなかった、よろしく」
「大丈夫、噂は耳に入ってるけど、島々の詳しい事情はお互い探らないのは決まり事だし、マナーだからね」
うーん、第三者の耳もあるんですが、大丈夫ですかー?
まあ、俺達が聞いたところで、それを何かに利用しょうなんて考えないけどね。
しかしまあ、ドラゴンって魔力に関係あるんだ。
それに精霊樹の素って詳しく聞きたい!
でも機密みたいだから無理だろうなぁ。
それよりまず、他所の国よりうちの国の事だよね。
作物の成長が良かったりなんたりするのに、言い伝えが関係あるのかとは思ってたけど、俺のファンタジー予想、当たりだね。
「話が逸れたけど、俺たちは東の国へ入れなかった後、北の国へ向かうはずが、ここに来てしまったんです。
予定外の行動をとってしまっているので、問い詰められるでしょうね」
「後一日遅く連絡が入ったなら、出発した後だったのに」
肩を落とすアキチカとミヤミヤムー。
「どのみちバレるんだから、諦めて説教を受けよう」
アッスルムが二人の肩をポンと叩く。
「ボク達も」
「うん、怒られるよね。
でもここに来ようって言い張ったの僕達だし、仕方ないよ」
双子の言葉に、顔を上げるアキチカ。
「いや、言い出したのは二人でも、決めたのはリーダーの俺だから、二人が怒られる事はしないよ」
おお、アキチカイッケメ〜ン!
「アスデモス様、明日出発予定でしたけれど、連絡をして来た者達と会わなければならないので、出発が延びてしまうのですが。
ご迷惑でしょうから、館を出て宿を取ろうかと思うのですが」
おお、アキチカ真面目だねぇ。
そんなのおじさんの答えは決まってるじゃん。
「遠慮せずにこのまま泊まれば良い。
こちらは色々な話が聞けて楽しいし、国の端だから滅多に客も来ない。
館の者も領地の者も、とても楽しんでいるのだからね」
笑って言うトーマおじさんだけど、客が来ないと言うより、呼ばないんじゃん。
おじさんもおばさんも貴族嫌いだし、領民もうちの領地以外の人達と繋がりを持ちたがらないしね。
んん?もしかして領地ごとヒッキーなのか?
今から返事を書いて(今は夕食後ですよ)明日の朝イチに館を出てうちに届けて、それからすぐ出発しても、夕方到着になるだろうから、そんな失礼になる時間には来ないだろう。
来るとしたら明後日の午前中かな?
二つ目のパーティー(と言っても代表者二人だけど)どんな人達だろう、楽しみだな〜。




