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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
25/112

年明けパーティー 続き

王子が迎えに来て、スカーレットは会場へと戻った。

俺もシスコン兄が来る前に戻ろうかな。

自発的に戻らないと鬱陶しいことになりそうだし。

それに何よりいい加減寒い。

今は冬なので、バルコニーは魔法のベールで覆われていて、一応防寒にはなってはいるのだけど、やはり室内よりは寒い。

長時間いる場所じゃないよな。


一つ伸びをして振り返ると、バルコニーの扉を開けて、一人の男性が出てきた。

大神官の息子こと、ベルアルム・ビアトゥールだ。


なんだ?なんでこっちに向かって来るんだ?

バルコニーなら他にもあるのに、わざわざ人のいるとこに来ることないだろうに。

まぁ、戻るところだし気にすることないか。

軽く頭を下げ、通り過ぎようとしたんだけど、

「ちょっとよろしいですか」

と、呼び止められてしまった。


え?接点ないよね?

学園でもすれ違ったことしかないのに、なんなんだ?

「こんばんは、ビアトゥール様。

ビアトゥール様とはお話ししたことなかったと思いますが、何かご用ですか?」

「私のこと知っているのですか?」

「ええ、学校でもお見かけしたことがありますし、大神官様を存じない人はいないと思います」

先程も挨拶があったし、入学式とか卒業式とかでも挨拶がある。

結婚式や葬式、それに子供が生まれた時など、教会に世話にならないって人は、国民にはいないんじゃないかな?

成人してからのベルアルムは、儀式やなんやかやの補助の一員として参加しているから、顔を知ってる人は多いと思う。


「貴女はサリフォル家のご令嬢でしたよね。

あのアルバート先輩の妹の」

「兄をご存知なのですか?」

「今学園に通っている生徒で、アルバート先輩を知らない人はいないと思いますよ」

そりゃそうか、成績的にも、見た目的にも目立ってるからね。

ありがとうございますとでも返しておこう。


それで何の用だよと、じっと見上げる(ちびの俺は周りは皆見上げなきゃなんないんだよ)

「先程一緒だった彼女とは知り合いですか?」

「オルグストー様ですか?

学園で同じクラスで、友人ですわ」

つい今し方からだけどね。

「同級………」

何だよ、同じ年には見えないって?

チビで悪かったな。

アルバートの妹と知ってても、年までは知らなかったのか。


「オルグストー様がどうかなさいました?」

マジに寒くなってきたから、早く戻りたくって話を進める。

「彼女の……失礼、貴女の同級生でヨルハイムと言う方が居ると思いますど、知っていますか?」

「はい、友人ですが、彼女がどうかなさいまして?」

「僕は名前しか知りませんが、どんな方かなと思いまして」

ははーん、三学年女性のトップに興味が出たのか。

頭のいい女性が好みのタイプだもんね。

本当ならスカーレットに聞こうと思ったけど、王子と一緒だから声をかけづらくて、一緒にいた俺に声をかけたのかな?

これは今まで折ってしまったフラグの分も、プッシュしとくべきだよな。


「彼女はヨルハイム子爵令嬢ですわ。

去年から一緒に学んでいるのですけれど、とても優秀な方で、お優しい方でもあります。

周りに流されず、ご自分の意思を持った、しっかりした方でもありますの」

ここぞとばかり、クリスティーナのプレゼンをする俺に、若干引き気味のベルアルム。

ヤバイ、テンション上がりすぎたか?

「……すみません、とても大好きなお友達ですので、ついつい力が入ってしまいました」

何事もやり過ぎは良くないよね、ちょっと反省して頭を下げる。

無反応のベルアルムに、チラッと見上げてみると……失礼な奴だなぁ、笑ってるよ。


「ふふふふ、面白い人ですね。

他の女性のことを尋ねると、大概の女性は取り繕った言葉だったり、足を引っ張るようなことを言います。

貴女ってちょっと変わっていますね」

やっぱり失礼な奴だ、面白いはまだしも、変わってるだなんて。

「実際ヨルハイム様はとても素敵な方ですから」

「貴女は彼女が好きだと伝わってきます」

「ええ、大好きですわ」

キッパリ言うと、さらに笑われた。

えー、こんなキャラだっけ?

もっと【インテリですが何か?】みたいなキャラだと思っていたのだけど。

「そうですか、同性にも好かれる素敵な人だと言う事が伝わって来ましたよ。

ところで貴女のお名前は?」

「キャスティーヌ・サリフォルです、ビアトゥール先輩」

「そう、キャスティーヌ様ですね。

そろそろパーティーも終わりそうですから、私は戻ります。

…またね」

何がまたなんだろう?

まだクリスティーナの事を聞きたいのかな?

「ご機嫌よう」

カーテシーで挨拶をして、俺も室内へ戻る。

すぐさま兄が近寄って来て、彼と何を話していたのか、根掘り葉掘り聞かれた。

クリスティーナの事を聞かれただけと答えて、納得して開放されるまで時間がかかったよ。


その日のパーティーは、第二王子の婚約発表で幕を閉じた。

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