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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
19/112

美味しいものを食べたいのです

「最近二学年の男子生徒と二人きりで会っているそうだね」

目が笑っていない笑顔で詰め寄られてしまう。

「タカナシ様のことですか?」

いや、他にいないからわかり切ったことだけど、一応確認してみたら、大きく頷いた。

「お会いしてはいますけれど、昼食をご一緒しているだけですわ」

「昼食を?

僕でさえ学園では遠慮しているのに、なぜ他の男と食事を共にしているんだい?」

なぜって、食べたいんだよ、日本食。


生前?から朝はパン食だし、ご飯でもパンでも麺でも、あまりこだわりはなかったけど、食べられないとなったら食べたくなるもんだよね。

だからと言って、転生モノでよくある飯テロをする気力は無いな。

美味しく食べれればそれでOKと思ってたけど、やはり久々の日本食は美味しかった。

あー、この前の生姜焼き弁当も旨かったなぁ。

箸休めのほうれん草も、出汁のきいたひじきも美味しかった。

今度は何を食べさせてもらえるんだろう。

思わずニヤつきそうになったのを抑えて、一緒に食べるようになったきっかけを話す。


「そうか、孤立している留学生に気を使っているのか。

僕のキャシーは優しいな」

シスコンフィルターはブレません。

いや、俺が食べたいだけなんだって。

「今度はお互いの国のお菓子を交換しましょうと言ってますの」

おはぎときな粉もちが俺を待っているのだ。

禁止されるわけにはいかないから、頑張って言いくるめないと。


「私には優しいお兄様が居ますけど、甘やかされてばかりでしょう?

でもそれではいけないと思いますの、私も大人になったのですから。

弟や妹が欲しかったですから、タカナシ様はまるで弟みたいで可愛いのです」

「僕は可愛くないのかい?」

何対抗意識燃やしてんの?18歳。

「お兄様は可愛いのとは違いますわ。

アルお兄様は優しくて美しく、頼りになる素敵な方ですの」

ここでキメ顔、小首を傾げながらニッコリ微笑む。

「そうか、僕は素敵なのか。

そうだよね、キャシーより年上なんだから、可愛いとは違うよね」

うんうんと頷いておく。

割とチョロいいのか?

「キャシーの弟なら僕にとっても弟だね、次は僕もご一緒しよう」

どうしてそうなる?

取り分が減ったらどうしてくれる!

でもここで断るとまた長引きそうだな。

「それは素敵ですわ。

でも一度タカナシ様にお伺いしてからでよろしいかしら?」

「当然だよ。

なんなら僕から聞いておこうか?

いや、僕が聞くから、キャシーは二人っきりで会うのは控えなさい。

異性と二人っきりで会うのは誤解を生むからね」

まぁ言い分は間違っていたいから、了承しよう。

「ではお願い致します。

タカナシ様のクラスはご存知ですか?」

ニッコリ笑って頷くけど、このシスコン妹の行動どこまで把握してんだ?


その後、3人でお茶をした。

和菓子を気に入った兄は、素直で小動物なヤスハルも気に入り、その後は3人またはリズヴァーンも合わせて4人での昼ごはんやオヤツをする事が頻繁に行われるようになった。

まあ、日本食おいしいものが食べれるなら俺に問題はない。

問題があるのは……ヒロインの留学生ルートを完全に塞いだような気がするんことなんだけど…………。

気にしないでおくかな。


因みに、兄とリズヴァーンは学園の人気者で、その二人と仲良く食事をしているヤスハルは、クラスメイトから尊敬の目を向けられるようになり、結果的にクラスで浮く事も無くなったそうだ。

結果オーライ、めでたしめでたし。




そうそう、モースディブスの件なんだけど、折角兄から聞き出した情報なのに、結果的に役に立たなかった。


何故かって?

聞いたモースディブスの話をクリスティーナにしたんだけど、どうやら別に男としてモースディブスを見ていたのではない事が発覚。

どうやらクリスティーナは将来自分で何か商売をしたいと考えているそうなのだ。

その為に商家のモースディブスに、色々店のことやなんやかやを聞いてたとのこと。


子爵家を継ぐのは長男なので、自分は政略結婚させられるのは明白。

それが嫌だから、独立して自由な生活と、自由な恋愛を手に入れようと考えたと。

貴族ではあまり無い考え(政略結婚当たり前なんだから)だけど、嫌なもんは嫌なんだろうな。


だから学園ではオールマイティに学んで、色々な事ができる女になるようにしてるんだって。

うーん、行動力あるなぁ。

俺なんて男と結婚なんて……とは思うけど、家のこととか考えると仕方ない、と思ってたんだけどね。

結婚とかする年頃までにはキャスティーヌともっと一体化してて、違和感なく政略結婚なりなんなりできるんじゃないかな、なんて希望的観念もあるんだけど。

そんな俺より男らしいな、ヒロインなのに。


てなわけで、モースディブスの件は要らぬお節介だったけど、彼女の考えが聞けて良かったかな。 

ん?でも乙女ゲーム的にはどうなの?

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