~第七十四話~
夏休みも終わり、二学期となった。
俺は、久しぶりに山野辺高校の制服を着て、学校に行く事にした。
うん、約一ヶ月近く着ていなかったせいか、ちょっと新鮮かな……とそう思っていると、同じ制服を着た妹の亜季が
「お姉ちゃん、学校行こう?」
と言って来たので、妹と一緒に学校へ向かう事にした。
通学路を歩いていると、やたら視線を感じる……
一体何なんだ……? と思っていると、亜季が
「お姉ちゃん、見られてるかも……もしかして、お姉ちゃんの事が好きな男子が? これは気を付けないと……」
とかぶつぶつ言っていた。
いや、この感じだとどう見ても、亜季に熱っぽい視線を感じるのは、俺の気のせいなのか?
そう思いながら、山野辺高校に辿り着く。
学年とクラスが違うので、亜季と別れて、自分のクラス、三年一組に向かった。
クラスの中に入り、自分の席に着くと
「おっはよ~ん、おひさ~まこ」
そう言って来たのは、同じクラスで親友の栗谷美鈴だった。
「おはよう」
「まこ? 宿題全部終わらした~?」
「一応、終わらせたけど? 何? 美鈴は、終わらせてないわけ?」
「う、うん、一教科だけやってなくてさ? だから、お願い! 写させて~」
「……しょうがないな、いいよ」
「さんきゅ~愛してるよ~まこw」
「人前で堂々とそんな事言うなって……で、どの教科?」
「うん、この教科だよ」
美鈴がそう言ったので、宿題を写したノートを美鈴に渡した。
「じゃあ、早速書き写すよ」
そういって、自分の席に戻り、猛スピードで書き上げ
数分後
「はい、さんきゅ~」
と言って、ノートを返してきた。
「うわ、めっちゃ早くない?」
「まあ一教科だけだからね~」
そう話していると、チャイムが鳴ったので、美鈴は席に戻る。
鳴り終わった後、このクラスの担任の朝崎翠先生がやって来た。
「皆おはよう、今日から二学期の始まりだ、で、宿題だが……今日集めるのめんどくさいから、明日集めると今、私が決めた、あと毎年恒例の開会式で、校長の睡眠魔法の演説があるから、体育館に移動するようにな?」
睡眠魔法って……それって、無駄につまらなくて、眠くなるような事を言うから
そう言ってるのか? と疑問に思ったが、深く考えないようにしとく事にして、
クラスから移動して、体育館に辿り着くと、もう全校生徒が集まっていて、校長の演説が始まった。
「え~今日から、二学期が始まるのじゃ、二学期もイベントを盛り沢山用意してあるので、ちょっと楽しみじゃわい、まあ……夏のひと時も楽しかったのじゃがな……ああ、あの青春の日々をもう一度……とまあ、そう旨くいかないのも現実なのじゃな……」
とか言っていた。
話より俺が気になったのは、校長の頭だった。
まるで若者がしてるみたいに、ロン毛でしかも茶髪に染め上げていた。
どう考えてもあれ、ズラだよな……しかも、異様に似合ってないので、かなり笑える光景となってるんだが……?
まともに直視すると、笑いが込み上げてきそうなので、校長の姿を見ない事にした。
そんな校長の話も終わり、自分のクラスに戻って、翠先生が「あとは何も言う事はないから、もう帰っていいぞ~」とか言っていたので、帰る支度をして、クラスから出る事にした。
校舎から出て帰ろうとすると、校門の前に二人いた。
一人は妹の亜季で、もう一人は
「あ、まこ……会いたかったです」
そう言ったのは、隣のクラスの汐崎美咲だった。
ちょっと苦手なんだよな……この子
まあ、なぜ苦手なのかと言われると、この子は、俺の事が好きらしく、俺にラブレターをくれた相手でもあるからであって、俺も美咲も異性では無く、同姓なので、普通に考えて、可笑しいんじゃないか?って思えてしまうのも事実だった。
「お姉ちゃん、帰ろう?」
そう亜季が言って、右腕に抱きついてきた。
すると、美咲も
「あ、私も一緒に帰ります!」
と言って、左腕に抱きついてきた。
この子達何してるの!?ってつっこみたくなったが、なんかじろじろと目立っているし、お互いに牽制しているし、何を言っても、無駄に思えてきた。
しょうがないか……と諦めて、されるがままにしとくことにした
移動中、美咲が
「まこ、今度、二人でどっか行きましょう?」
とか言っているし、それを聞いた亜季が
「駄目! お姉ちゃんは、私と遊びに行くって決まってるんです!」
そんなのいつ決まったんだ?って、二人とも互いを牽制しあって
目から火花みたいなものみえるんだけど?
「とりあえず、喧嘩しないの、仲良くできないの?」
俺がそう言うと
「だって、お姉ちゃんにくっ付いてるし」
「いくら、まこの頼みでも、まこと一緒にいたいって思ってますし、出来れば二人っきりで……」
なんで、こう二人の俺に対しての好感度が高い状態なんだ?って思うんだが……
とりあえず、寄り道をして、二人に何か買ってあげると、二人ともよろこんでくれた。
寄り道した後、美咲が「じゃあ、私はこっちなので……さようなら」と言って、美咲が別れる。
美咲と別れた後、亜季が
「お姉ちゃん……私が一番好きだよね?」
とか言ってきた。
それにどう答えろと? と悩んだが、まあ家族なので
「まあ、好きだよ?」
と言うと
「そっか……うん、好きって言ってくれてうれしいよ?」
そう亜季が言ってきた。
家に辿り着き、早めに終わったので、午後は暇になったので、とりあえず、亜季と一緒に、町に遊びに行く事にして、始業式が終わったのであった。




