~第五十九話~
春が過ぎていき、雨の季節が多くなってきた頃
俺は、いつものように学校へと行っていた。
朝起きて、外を見てみると、空が曇っていて、雨が降っている。
テレビで天気予報を見てみると、一日中雨ですと、ニュースキャスターの人が言っていた
まあ、雨で涼しくでいいかもな……と思いながら、山野辺高校の制服に着替える。
着替えが終わり、妹の亜季が作ってくれた朝食をとって、家を出る事にした。
雨が降っているので、傘を持って出かけようとすると、亜季がやって来て、こう言って来る。
「お姉ちゃん、傘の中に入れて? 一緒に登校しよう?」
「別に入らなくても、自分で傘をささないの?」
「私、お姉ちゃんと一緒に行きたいの? 駄目?」
「う~ん……あんまり大きい傘じゃないから、少し濡れるかも知れないけど……それでいいならいいけど?」
「ありがとう、お姉ちゃん!」
そう言って、俺がさした傘の中に入ってきた。
腕にしがみ付いているので、ちょっと歩きづらかったが、そのまま登校する事にした。
登校途中、なんかジロジロと見られてるのは、何でだ?
亜季の顔を見てみると、やたらご機嫌だし……何か良い事でもあったのかって感じなんだが……
まあ……俺も亜季もスカート姿だから、女同士で傘を一つ差してる状態で、これって、他人からみたら、どう見えてるんだろうな……
しかも亜季が「お姉ちゃんと相合傘~」とか言っているし……まあ、そう言われれば、そうなんだけどな……
そう思いながら、歩いていると、俺達に声をかけてくる者がいた。
「ま、まこ……何してるんです!?」
話しかけてきたのは、違うクラスの汐崎美咲だった。
「何してるって、お姉ちゃんと一緒に登校してるだけだけですが? それが何か?」
「……っく! と、とにかくまこから、離れなさい! 私が、その中に入ります!」
「嫌! お姉ちゃんの隣は、私なの!」
おいおい! ここで、喧嘩を始めないでくれ! 頼むから!
俺は、止める為に、こう言う
「亜季、喧嘩するなら、傘から出て行って」
「お、お姉ちゃん!?」
「それと、美咲、別に妹と一緒に登校するのは、問題ないでしょ? 家族なんだしさ?」
「う、そ、それは、そうなんですけど……でも、私も一緒にいたいのに……」
「喧嘩するなら、自分は一人で行くよ」
「ご、ごめんなさい! お姉ちゃん!」
「わ、私もごめんなさい……嫌わないで、まこ……」
「分かればいいの、亜季、遅刻しちゃうから、行くよ」
「う、うん」
「あ、待ってください、私も一緒に行きます!」
そう言って、俺と亜季と美咲の三人に増えた。
登校途中、亜季と美咲はにらみ合っている。
うん、なんでこの二人、こんなにも仲が悪いんだ?
まあ、その仲が悪い原因と言うのが、俺というのがな……
美咲は、一年前に手紙を貰ってから、俺に好きって言ってくるし、亜季も前から、大好きって言ってきてるし……これってあれか? 同属嫌悪って奴か?
何でこう、異性にもてないで、同姓ばっかりモテルんだろ……俺って……
そう思っていると、俺の通っている山野辺高校にたどり着いた。
下駄箱にたどり着いて、妹とは階が違うので、そこで別れて、俺は、自分のクラス3年1組へと行く。
美咲は、隣のクラスなので、隣のクラスに行く前に、俺に話しかけてきた。
「あ、そういえばまこ、聞きたい事があるんです、ちょっといいですか?」
「聞きたい事? 一体何?」
「実は、今日の夜に行われる、親戚の結婚式に招待されているんです、で、親戚が「友達と一緒に誘ってみては?」と言っていたので……だ、だから、まこを誘うと思ったんですけど、駄目ですか?」
結婚式ね……うん、まず行った事がない、まあ、当たり前だが
「自分でいいの?」
そう言ってみると、美咲は、こう言った。
「はい、だから誘ったんです、駄目ですか?」
「別に何も予定は入れてないから……まあ、いいよ」
「ありがとうございます!じゃあ、また帰りに声を、かけますね? では」
そう言って、美咲はクラスの中に入って行く。
俺も、自分のクラスの中に入って、自分の席に着く。
席に着いてから、考える。
結婚式ね……自分も将来、それを体験するのかな……とか思ったが、全く想像出来いと言うか、そのビジョンが全く浮かんで来なかった。
まあ、将来の事は、まだ考えないとして、とりあえず授業に集中する事にした。
担任の、朝崎翠先生の、授業を聞いて、時間が過ぎていき、放課後になった。
帰り支度をして、教室を出ると、俺に話しかけてきたのは、隣のクラスの、汐崎美咲だった。
「まこ、今から、いきましょう」
「行くって、結婚式会場?」
「ええ、制服姿でいいと言ってるので、そのまま行きましょう」
「……わかった」
そう言って俺は、美咲と一緒に、結婚式会場に行く事にした。
通っている山野辺高校を出て、雨が降っている中を、傘を差すと、美咲が傘を持っているのにも関わらず、俺の差している傘の中に入って来て、相合傘になり、そんな姿をしながら、歩いて数十分
山野辺グランドホールと言う建物に、たどり着く。
その会場の中に入り、エレベーターで最上階にあがり、朱雀の間とかかれた部屋に、たどり着いた。
中に入ると、スーツや着物を着た人が、沢山いて、結構にぎわっている。
出されている料理も、バイキング方式で、取り放題見たいらしく、色々な人が食事をしていて、談笑もしていた。
「じゃあ、私、新婦さんに、挨拶していきますね、まこ、ここで食事をしながら、待ってて下さい」
「あ、うん、わかった」
そう言って美咲は、新婦に会いに行くみたいだった。
俺は、せっかく美咲が、食べていいって言ったので、食事を取る事にした。
うん、味はなかなかで、結構美味しい、食事をしていると、知らない女性から、話しかけられた。
「あ、あの」
「はい?」
「もしかしてですけど……真琴さん?」
「……はい、自分は真琴ですけど?」
「きゃ~~~!ドラマ、「すくーる・でっと」見ました! 握手して下さい!」
「は、はあ……まあ、いいですけど」
なんか、握手を求められた。
俺って、芸能人じゃないのに、何でなんだ? とか思ったが
まあ、アイドルの蓮城麗華と競演したドラマを見て
ファンになったのか……と、納得する事にした。
その後も、何人かに握手されて、なんか疲れたな……と思っていたら
美咲が、戻ってきた。
「まこ、なんか人気……なんか嫌……です」
「いや、嫌って言われても」
「こうしてれば、握手を求められないです!」
そう言って美咲は、俺の両手をがっちりと握ってくる。
「あの……離して……というか、ちょっと痛い」
「あ、ごめんなさい……でも、まこ……出来れば私だけを、見てほしいです……」
「そう言われても……」
そう話していると、司会者の声がする。
「お待たせしました、新郎新婦のご入場です」
そう言って、音楽が鳴り出して、扉から、ウエディングドレスを着た新婦と
タキシード姿の新郎が、入場してきた。
うわ、新婦さん、めっちゃ綺麗な人だな……
新郎の方は……平均と言うか、おもいっきり、普通の顔だった。
イケメンでも、ブスでもなく、どこにでもいそうな顔だった。
二人が新婦に問われて、愛を近い、キスをして、指輪交換をする。
そして、最後にウエディングケーキを、入刀し、会場が盛り上がった。
長くいるのも、場違いな気がしたので、俺は、こう言う。
「じゃあ、もう、帰るよ」
「あ、そうですね、今日は、付き合ってくれて、どうもありがとうです、あの……ところで」
「何?」
「出来れば……私は、まこと結婚したいです……もし出来たらですけど……まこも考えて下さいね?」
そう、顔を赤らめて言ってきた。
俺はと言うと
「は、はあ……」
そう、曖昧な返事をするしかなく
い考えてって……普通にこの国じゃ、出来ないんじゃないのか……? と
思いながら、家に帰る事にしたのだった。
家に帰ると、妹の亜季が、こう言って来る。
「お姉ちゃん、何所行ってたの? 今日、一緒に帰ろうと思ってたのに……」
「ちょっとね……あ、夕飯いらないから、亜季、作らなくていいよ」
「え……私の料理が嫌になったの? お姉ちゃん……」
「い、いや、亜季の料理は、好きだよ、今日は、食べてきたから、お腹いっぱいってだけ、じゃ、じゃあ、自分は疲れたから、自分の部屋に戻るよ」
「そう……じゃあ、明日は、私の作った料理、食べてくれるでしょ?」
「うん、じゃあ、お休み、亜季」
そう言って、俺は、自分の部屋に行く。
部屋の中に入り、明日の用意をして、ベットにもぐり
そのまま寝る事にした。




