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【書籍発売中】結婚初日、夫から「義理の姉を愛している」と打ち明けられました  作者: 風見ゆうみ
第二部

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1   どうなさったのです?

 ロマとコレンの婚約の解消が決まったことは、新聞でも大々的に取り上げられた。世間は本人たちが目の前にいないのをいいことに、ロマが浮気をしたのではないかなど、彼女を悪者にする声が多かった。

 そのことを知ったミアーナはラゲクを通じて国王に相談した。予想していた事態だったため、国王も手は打っており、それから三日後に、国王は国民の前に姿を現した。

 貴族のみの場合は王城のバルコニーに立ってスピーチをするが、今回は違う。多くの国民へのメッセージのため、より多くの人が聴衆できるよう、別宮のバルコニーからのスピーチとなった。

 別宮は普段は使われておらず、迎賓館の役割も兼ねている。城下町の中心部にあり、門の正面には大きな広場があった。そこでなら、より多くの人が集まれると考えたのだ。

 雲一つない青空の下で、国王は多くの国民の前で正式にコレンの王位継承権を剥奪し、コレンの非によって婚約が解消されたと発表した。同時に新たな王太子は国王の遠縁にあたる公爵家の嫡男を養子に迎え入れることも決まった。こうすることで、代々の王家の血が完全に途切れるわけではなく、今の王家を良しとしない人たちへの配慮にもなった。

 反王家派は存在していたものの少数派であったため、現国王の継続は貴族の間で信任された。


 時は過ぎ、ミアーナとマーベリックの結婚が現実味を帯び始めていた頃、城下町でロマと会うことになった。約束の場所へ向かう馬車の中で、隣に座るマーベリックが首を捻りながら言った。


「今までは女性二人でお茶を楽しんでいたのに、今日はどうしたのだろうな」

「手紙には男性の意見も聞いてみたいので、迷惑でなければマーベリック様にも一緒に来てもらって話を聞いてほしいと書いてありました」

「新しい婚約者の件だろうか」

「その可能性がありますね」


 首肯した時、なぜか頭にある言葉が思い浮かんだ。


(まさかね。だって、ロマ様の新しいお相手は長男だもの)


 すぐに否定しつつも、ミアーナは無言でマーベリックを見つめた。彼も同じくミアーナに目を向けたところで、二人は顔を見合わせて笑みを引きつらせる。


「マーベリック様、今、何か思い浮かんだことがあったりします?」

「ある。君もか」

「そうなんです」


 口に出してしまえば、実際に起こりそうな気がして、ミアーナは話題を変えた。


「ロマ様の話が悪いものでなければ、私たちが近々結婚するかもしれないという話を伝えようと思うのですがいかがでしょうか」

「かまわない」


 ミアーナとマーベリックは何度かデートを重ね、お互いの趣味や価値観を確かめていった。そして、このまま結婚を進めることに決めたのだ。


(どうせなら、お互いに幸せな話をしたいわ)


 ミアーナは馬車の外を流れる景色を眺めながら、心から願った。


 一時間もしないうちに馬車は目的地に着き、マーベリックの手を借りて、ミアーナは馬車から降りた。

 空を見上げると、雲は多少あるものの青空が多く見えていて、太陽が眩しい。

 今日はいつものカフェではなく、そう厳しくはないが、ドレスコードのある高級レストランだ。そのため、ミアーナもマーベリックもフォーマルな装いである。

 普段は待ち合わせの場所に、ミアーナのほうが先に着いていることが多い。けれど、今回は違った。店に入ると、ロマがすでに個室で待っているとグリーターから知らされた。

 嫌な予感を少しでも打ち消そうと、あまり意味のないことを考えながら、マーベリックと共にグリーターに案内され、ロマの待つ個室へと向かった。

 案内された場所は二階にあるVIP用の個室で、入って右手側に六人掛けの長方形のテーブルがある。左側には庭園を見ながら話ができるように四人掛けのソファが置かれている。

 ロマはテーブル席ではなくソファ席に座り、ミアーナたちには背を向ける形になっており、すぐに表情を窺うことはできなかった。


「あの、何かあったのでしょうか」


 グリーターが出ていったあと、ミアーナは小声でロマの侍女に話しかけた。


「申し訳ございません。色々とあったのですが、わたくし共から話すことはできません。詳しい事情はロマ様から聞いていただけますでしょうか」

「それはかまわないんだけど……」

「俺たちが来ていることにまったく気づいていないようだな」

「ご無礼をお許しくださいませ」


 マーベリックは公爵家の嫡男のため、侯爵家のロマよりも格上になる。それなのに迎えることもしない主人の無礼を代わりに侍女が詫びた。


「怒っているわけじゃないから気にするな。それよりも声をかけたほうがいいんじゃないか」

「これだけ話をしているのに気がつかないなんて心配です」


 ミアーナも同意すると、侍女はロマに近づいて声をかけた。


「ロマ様、ミアーナ様とマーベリック様がいらっしゃいました」


 しかし、ロマは正面を見つめたまま反応がない。


「ロマ様、どうなさったのです?」


 とうとう我慢しきれなくなり、ミアーナはロマの隣に跪いた。すると、ロマのとろんとしていた目が大きく見開いた。


続きを待っていてくださった方、本当にありがとうございます!

少しずつですが、連載を再開いたします。

そして、読んでくださった皆様のおかげで、第2巻の発売が決定いたしました!

本当にありがとうございます!

楽しんで読んでもらえるよう、頑張って書いてまいりますので、よろしくお願いいたしたす。


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