ストーンアテナの一コマ(SS集) 5
各話の登場キャラクター
【トラピッチェから連想するものって?】ガーネット・サファイア・トルマリン
【情熱的な君が好き】ガーネット・サファイア・オブシディアン
【部屋干しの救世主!風を操るトルマリン】ガーネット・トルマリン・ロードナイト
【日本産ダイヤモンド】トパーズ・オブシディアン・ロッククリスタル
【トラピッチェから連想するものって?】
「さっき押入れから出した扇風機を主さんに届けたんだけど、扇風機ってちょっとあれに似てるね」
ガーネットの言葉に、サファイアとトルマリンは首を傾げた。
「「『あれ』?」」
「トラピッチェ模様! 二人ともトラピッチェ模様の個体あるから知ってるよね?」
トラピッチェ模様とは、六本の線が中央から放射状に伸びた模様のことです。
この模様は著名なトラピッチェ・エメラルドをはじめ、ルビー・サファイア・ガーネット・トルマリンなど、様々な宝石で見られます。
線がはっきりしていてバランスが美しいものほど、高価になります。
「本当ですね、気づきませんでした。私はずっと、ホールケーキを等分に切り分けた図みたいに思っていて…」
サファイアがそう言うと、トルマリンは感銘を受けた。
「お二人とも、発想が個性的で素敵です。私は蜜柑の断面しか思い浮かびませんでした」
「あはは。マリンちゃんも独特だよー」
「マリンさんは蜜柑がお好きですもんね」
「ええ。蜜柑は味、食べやすさなど万能で素晴らしいと思います。電池にもなりますから」
「さすが電気石(※)、目の付け所が違うね!」
※トルマリンの和名
「連想するものって、自分が好きなものや注目していることとかが多いですし、本質が表れやすいかもしれませんね」
「確かにそうですね。ではその流れに便乗して、涼しい部屋で蜜柑大福を食べませんか? 丁度、お取り寄せが届いた所なのです」
トルマリンの提案に、ガーネットとサファイアが声を揃えた。
「「頂きます…!」」
―おわり―
【情熱的な君が好き】
「今日は暑いねー。水筒持ってくればよかったかも」
ガーネットがそう言うと、サファイアが心配そうに尋ねる。
「大丈夫ですか? 水で良ければ注ぎますけど……ディアさん、いいですか?」
話を振られたオブシディアンは、快く頷いた。
「いいですよ。ガーネットさん、このガラスコップ使って下さい」
「わあ、ありがとう! ディアちゃんはガラスで何でも作れて凄いね。サファちゃんの作るお水も美味しくて大好き!」
「あ、ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです」
サファイアがはにかんで応えると、オブシディアンも続く。
「お役に立てて良かったです。他にできることがないもので」
「そんなことないよ! 私の火のほうが、現代だとあんまり需要がない感じだし。みんな別のエネルギーでまかなえちゃうっていうか……」
※ガーネットは火を操れる火属性
「とんでもないですよ。火が無かったら、世界は動きません」
サファイアは珍しくきっぱりと言い、オブシディアンもそれに続く。
「そうですね。他のエネルギーでは得られない温かさもありますし、情熱の形はいつだって炎ですから」
「そっかあ……そうだね。よーし、ストーンアテナ・ガーネット! 今日も頑張るぞー!」
「ガーネットさんが元気だと安心しますね」
ホッとするサファイアに、オブシディアンが微笑んだ。
「流石、情熱と生命力を司る赤い宝石の代表格。かっこいいですね」
―おわり―
【部屋干しの救世主!風を操るトルマリン】
ガーネットが窓の外を眺めている。
「うわー、凄い雨。今日の洗濯物は部屋干しかー」
「梅雨入りしましたものね。夏の日差しを待ちわびる時期ですわ」
ロードナイトが応えていると、トルマリンがやって来た。
「お二人とも、洗濯当番お疲れ様です。こんな天気ですし、今日は私が洗濯物を乾かしましょうか」
※トルマリンは風を操れる風属性
「えっ、いいの? マリンちゃん」
「でもトルマリンさんは当番じゃありませんのに、申し訳ないですわ」
「いえ、どうぞお気になさらず。明日の予報も雨ですから、乾かないで溜まっていくより当日中に片付いたほうがよいでしょう」
「ありがとう! マリンちゃんの風は冷風・温風なんでもありだから助かるなー」
「洗濯物は温風のほうが乾きますものね。温度調節もできるなんて、素晴らしいですわ」
「お任せ下さい。実は私にはリモコンが付いているのです」
「えっ、すごーい!! それでいつも正確なんだね!」
「そんな装備品を持っていらっしゃったのですね! 流石トルマリンさんですわ」
「……申し訳ありません。冗談です」
―おわり―
【日本産ダイヤモンド】
オブシディアンがトパーズに話しかける。
「今後は日本でも、続々とダイヤモンドが産出しますかね」
※2007年、愛媛県で日本初の天然ダイヤモンドが発見されました
「どうだろう? 今の所は続報がないけど、そうなったら凄いよね」
そこへ、ロッククリスタルが会話に入ってきた。
「ダイヤモンドは誰もが知る宝石の頂点であり、然るべき能力の高さも備えているからな」
「日本産ストーンアテナにダイヤモンドさんが居るというのは、何だか不思議な気もしますけど…」
「まあそれは、今まで発見されなかった=居なかった訳だからね。それに現時点で、見つかったのは一個体だけみたいだし」
トパーズが笑ってオブシディアンに応えると、ロッククリスタルも続ける。
「大きさも1000分の1ミリ程度と聞くから、ストーンアテナ召喚の呼びかけに応じるかどうかも不明だ。会ってみたいとは思っているが」
「やっぱり、海外産のダイヤさんとは雰囲気が違うんでしょうか」
「ストーンアテナは産地の国によって違いがあって、同じ宝石でも別のストーンアテナだからねえ。大和撫子みたいな感じかもしれないよ」
「日本においては召喚に応じなくても問題はないが、できればダイヤモンドのような強力な宝石が居てくれると有難い」
そんなロッククリスタルの言葉に、オブシディアンが反応した。
「大丈夫ですよ。日本には総大将のクリスタルさんが居ますから」
「だね。勿論ダイヤモンドがいたら嬉しいけど、ずっと皆を見守ってきたクリスタルのことを私たちは何より信頼してるよ」
「…そうか。ありがとう」
―おわり―




