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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
赤の書
33/55

ドロドロのチョコレート

 思い出してしまった。今日はホワイトデー。

 つまり一ヶ月前はバレンタインデーだった。去年まで一年で一番過酷な日。

 お菓子作りどころか料理すらできないあいつらから強制的にチョコを作らされる地獄のイベント。

 味は勿論の事、見た目やラッピングに至るまで拘らなければならない挙げ句、少しでも気に食わないと箱ごと握り潰して俺に投げつけてくる始末。

 いやそれだけならかわいい方か。罵詈雑言は当たり前、灰皿だろうが皿だろうが寄って集って投げつけてくる。直接殴られたり蹴られたりするのをただ謝りながら許しを請う。

 テメェらの性格の悪さはチョコの出来映えやキレイなラッピングじゃ包み隠せねぇだろぉがっ!

 そうやって少しでも牙を向ける事さえ許されず、ドロドロの甘い匂いに嗅覚と神経をやられながら延々とチョコを、心なき製造機のように作らされた。

 いや製造が終わっても気を抜けない。渡した相手からの反応がいまいちだったり、そうでなくてもやっぱり気に食わなかったりとした理由で後から結局……

 止めよう。

 これ以上思い出す必要もない。

 そもそも魔女の世界にバレンタインなんて存在してなさそうだし、渡す対象である男そのものが存在しない。

 友チョコを渡し合う姿なんかを想像するのも微笑ましい気がする。けど、普及する必要もないだろう。後片付けも大変だろうし。

 何だろう。ちょっとウズウズしてる俺がいる。平和なバレンタインなら、やってみてもいいのかな?

 とりあえず今年はもう過ぎちゃったし、やる気力はないから終わりにしよう。

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