結局どうするの?
イブとルイの話を要約すると、わたしは教会の近くに倒れてたらしく、たまたまお散歩してたルイが見つけてくれて、イブに連絡してくれたみたい。わたしがイブと一緒にいるのをよく見かけてたから、らしいけどわたしはルイのことほとんど見た記憶ないからいつ見られてたのか検討もつかない。で、イブはイブでどうやらあの変な世界の記憶とその前後の記憶が全然ないみたいで、わたしが何言っても『前より頭おかしくなったか?』『おまえの妄想はいい飽きたから』とか言われた。だからわたしが倒れてた理由も結局よくわからんねえ、で終わってしまった。
(……ってことはメルもたぶんそうなんだろうなぁ。まあその方が助かるかもだけど)
わたしとアイテールとカレンだけが覚えてるほうが楽な気がするし。
「でさ、ユイはもう行くんでしょ? ギルドでセレナが探してたよ」
「ん……あ、あ! そっかそっか……そういえばそうか……」
すっかり忘れてたけど、こっちの用事が住んだらギルドの特別なワープ装置的なやつで帰るんだった。セレナさんわざわざ来てくれて待ってるんだ……怒ってそう!
「おまえがボク達の知らないところで何してんだかなんて全く興味ねーし、ボクはボクで目的のために好きにやらせてもらうけどだからな」
「ねえ……イブ」
『ティアナ』って知ってる?ときこうとして、直前でおもい留まる。なんか……これを今ここで聞いちゃったら、なにかが崩れちゃう気がする。今は……今のわたしがすることは、これじゃない。
「なんだよ、なんもねーならさっさと行けよ」
一応わたしの家のはずなのに追い出される形になりつつ、ギルドへ向かうことにした。……やらなきゃ行けないことが増えすぎるとぐちゃぐちゃになっちゃう。これ以上増えないうちに一つずつ片付けないと。
(……まずは)
リズ達がいる村に戻って、ティアナから色々聞き出さないと。ティアナがノーザンライトを襲った理由とあの正体不明な影のことが分かれば、一気に進展する気がする……。
───────
「遅かったですね」
ギルドに戻ると隠す気のないほど怒ってそうなセレナさんがいた。多分何日か経ってるし連絡もしてなかったからそりゃそうなんだけども。ていうかセレナさん来てもまだゲート壊れないんだ。
「すいませんでした……言い訳は後でするのでとりあえず戻りましょう!!」
「……ふふ」
すると何故か笑いながら、セレナさんはゲートのある部屋に案内してくれた。
「な、なんの笑いですかそれは……」
「元気そうで安心しただけです。もし少しでも様子が変だったらといただそうと思ってましたが……その必要は無さそうですね。何があったのかは気になりますが、聞かないでおきます」
『オーリン教会の件も嘘だったみたいですし』と呟き、セレナさんはわたしの手を取ってゲートへ踏み出す。
「さて。戻ったらまた仕事の方お願いしますよ」
「は〜い」
───────
とは言ったものの戻るやいなや、その日は別に仕事しなくてもいいですよ、とセレナさんに言われ、暇になってしまった。
とりあえずギルドから離れ、フラフラお散歩。家に帰るか、リズ達探すか、はたまた……
(ん?)
村をフラフラと歩いてると、見覚えのある服と髪色……
「ティアナ?」
渡りに船……では無いけど、ちょうど良かった。今いちばん会いたかったと言っても過言じゃなかったしね。今度こそ全部聞き出す……! ティアナに限らずみんな知ってること話さないでけむに巻いて時間稼ぐようなことばっかりするから、こっちもそれなりの覚悟で話させるつもりで挑まないと……ね。
「おーい」
早速ティアナに声をかけ手を振ると、すぐにこちらに気が付き早足で向かってきた。
「ゆいちゃん!」
やけに必死そうな顔でそう言いながら距離を詰めてくる……な、なんですか?
「ど、どうしたの……」
「こ、この村……! 田舎すぎます!」
「知ってるけど……」
「なっ、なんにもない……訳では無いけどすけど無さすぎ!……なのでゆいちゃんの家今から行っていいですか!ってか行きますから!案内して!」
「はぁ?」
全く流れが見えない。ていうか何言ってんの? 支離滅裂。
「いいから!」
そんなに走ってきた訳でもないのにティアナは息を荒くしてわたしに迫ってくる。なにをそんなにそわそわ……。…………。
「ああ……そういう……」
───────
幸いにも割と家に近い場所だったし、急ぎめで五分くらいで家まで着いた。リズはいないみたいで、家に着くやいなやティアナはトイレに駆け込んでいってしまった。
「なんでそんなに我慢してたの」
「いまきくな!死ね!」
ドア越しに聞いたら怒られた。なんかティアナの暴言ってかわいい気がする。イブみたいな殺気がないからかな。
「てかべつにわたしの家じゃなくても」
「……外にトイレないし……、知らない人にお願いするの恥ずかしいですし……」
小さい声でそう言いながらトイレからでてきたティアナの表情はどう見ても普通の女の子。うーん……。
「どうせ人いないなら外で」
「もうこの話続けなくていいです! 殺す!」
まるで飛びかかる勢いでティアナはわたしに掴みかかって……。
「……?」
来なかった。突然静かになり、なにかに怯えるようにキョロキョロと……もしかして!
「……来るの? アレが」
「は、はい……多分すぐそこに……」




