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旅立ちの日(旅立つとは言ってない)

「終末が七体いるとか聞いてないぞ」


 ノアは、本を読みながらぼやく。近くの机には、何冊か本が置いてあった。


〔自分のスキル・魔法は、知りたいと念じれば頭に出てくる、と書いてあったな。やってみるか]


 ノアは、念じる。すると頭の中に自分のスキルが浮かんでくる。


≪スキル≫

 盗人の美学

 盗人として生き、盗人として死んだ主人公に与えられたスキル。

 持ち主が意識していないものを鮮明にイメージすると奪うことができる。ただし、手でつかむことができるもののみ、かつ持ち上げることのできるもののみ。

射程は、直径10メートル。


≪固有魔法・魔法≫

 なし


武器 愛用のナイフ


≪固有魔法≫

 必殺の一撃

 装甲や魔法、スキル(固有も含める)による防御を無視して攻撃できる。しかし、相手を発動時間内に仕留め損ねると身体能力及び魔力が低下する。発動時間は、一秒。


〔ふむ、こんな感じか。悪くはなさそうだが、魔法は、自分で一個も使ええないんだな。それとなぜ、武器の詳細まで見れるんだ?……まぁ、いいか。地図も全く知らないものだった。ここが異世界だって強く認識されたな。しかし、文字も読めるのは助かるが、なぜかはわからんな。文字も前の世界と違うようだし〕


 ノアが、自分のステータスについて考えているとルミに声を掛けられる。


「もういいか。日が沈み始めたぞ」


「疲れたー」


「あぁ、十分だ。二人ともありがとう」


 二人は、ノアが読みたい内容の本を探していたため、疲れているのが目に見えてわかった。


「それで、こんな時間だけどこれからどうすんの?」


「冒険者カードを作りに冒険者ギルドにいく」


「今からですか?」


「カードを作りに行くだけだ。すぐ終わる」


「それで、宿はどうするのよ。今の時間だと部屋があるところは少ないと思うわよ」


「城を出る前に今日は泊めてほしいと頼んでおいたから安心しろ」


「旅を始めた初日とは思えない」


「明日から本格的に始める。英気を養っておけ。それより、ギルドへ向かうぞ」


 ノアたちは、ギルドに向かう。

 ギルドにつき、中に入る。内装は豪華になっており、食堂や風呂屋など施設がそろっていた。そして、とてもにぎわっていた。


「思ったより充実しているな。王都だからか?」


「そうですね。王都のギルドは、他と比べ豪華で充実していますね」


 そうたわいない話をしながら受付に行く。


〔視線を感じるな。まぁ、この二人を見るとそうなるか。俺も前世の世界の価値観では顔がイケメンであるが、この世界では、普通よりはいいってレベルだと思う]


 ノアは、その視線を気にしないように受付の女の人に話しかける。


「すいません。冒険者カードを作りたいのですが」


「はい。新規の方ですね。あちらで、こちらの記入用紙に必要事項を記入してください」


「ありがとうございます」


 ノアたちは、受付の人から用紙を受け取る。


「あんた、上っ面だけは、いい人よね」


「うるせぇ」


 ノアとルミが小言を言いながら、記入場所につく。


〔黒いインクをペンに付けて書くのか。これは、元の世界と同じだな]


 ノアは、インクを付け用紙に記入し始めた。


〔名前は、ノア。年齢は……16でいいか。得意なことか。盗み、なんて書いたらさすがにダメだよな。不意打ちと偵察でいいか。その他は、書かんでいいか]


「書けたか?」


「はい。書けました」


「書けたわよ」


 俺たちは、受付の人に記入した用紙を提出する。


「はい。ノアさん、ルーさん、ルミさんですね。確かに受け取りました。それでは、冒険者ギルドの規約について説明いたします」


「はい。よろしくお願いします」


「それでは、まず冒険者になった人には冒険者カードという身分証を与えられます。身分証の発行には時間を要しますのでご了承ください。こちらがサンプルです」


 ノアは、サンプルの冒険者カードを渡される。そこには、写真と名前、冒険者ナンバーと冒険者ランクが書かれていた。


〔なんで、名前がヤマダ・タロウなんだ]


「写真と名前は、所有者様の者になります。冒険者ナンバーは、カードをなくしたときに再発行する際、必要になるので覚えておいてください。冒険者ランクですが、任務の成功率や普段の態度を加味して、主にギルドがランク付けをしています。S~Fランクで分けています。Sランクだけは、例外で天位に選ばれたものしかなれません」


〔天位、超人的な実力を持つ奴らか。魔境での任務を一人だけで生きて帰ってきた奴らが、冒険者ギルドの統括者や魔術研究会の総帥、そしてほかの天位などから複数に認められればなれる役職だったか。たしか、今は13人しかいないんだったかな]


「はじめは、Fランクからになりますが研修のようなものです。討伐任務を1つでもしていただければEランクに上がれます。任務にはランクがあります。自分の冒険者ランク以下のクエストのみ受注できます」


〔調子乗った馬鹿が、高ランクの依頼を受けて死ぬ。それを起こさないような仕組みか]


「最後に注意事項ですが、任務でのけがや事故はギルドでは一切責任を負いません。冒険者様の個人情報は、基本的には漏らすことはありません。例外として罪などを犯し、指名手配をされた場合は、公開させていただきます。ご注意ください」


〔ばれなきゃ、犯罪じゃないんですよ]


「以上です。質問がありますか?」


〔つまりこういうことだな

・冒険者ナンバーは覚えておけ

・Sランクは、化け物

・自分のランク以下の任務しか受けれない

・けが等は、ギルドは責任を持たない

・犯罪はするな

 こんな感じだな〕


「説明に関しては大丈夫です」


「それでは。また何かあればお申し付けください」


「わかりました」


 話が終わるとルーとルミは、踵を返す。しかし、ノアは動かない。


「では、いきなりですが魔物の図鑑のようなものはありますか?」


「なっ、まだ調べるの」


「二人は、先に帰っておけ。ここからは、俺一人で大丈夫だ」


「そう、なら先に帰るわよ」


「ノア、気を付けてね」


「俺は、子供か何かか」


 ノアが、帰ってもいいというと二人はギルドを出ていく。


「それで、図鑑は?」


「はい、あちらの部屋にあります。持ち出し厳禁なのでご注意ください」


「わかりました。ありがとうございます」


 ノアは、教えられた部屋に行く。図書館の受付のようなところで受付を済ませ、本を探す。


〔あったあった。こういうのが見たかったんだ]


 それは、図鑑というより資料のようなものだった。


〔こういう、本場の人が書いたものの方が詳しく書いてあるからな。明日行く王都周辺のものだけは見とくか]


 ノアは、また読書に集中した。


 さて、説明回2話目次から動きます。

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