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09 幕間 ガネーシャ王国軍

本日2話目です。

いろいろな設定が出てきます。

~ガネーシャ王国軍駐屯地~


「将軍、先ほど第五軍が合流いたしました。残すは第二軍のみで、それも明日の昼には合流予定です」


「そうか。では明日、第二軍が合流次第進軍する。先陣は第三軍とする」


「はっ! ではそのように手配を進めます」


そうして報告していた男がテントから出て行くと、将軍と呼ばれた男だけになった。

男は顔に刻まれた皺を更に深くし、王からの命令を思い出していた。







「将軍よ、隣国のバレット王国を攻め落とせ」


「・・・は?」


王からの命令はシンプルだった。

だからこそ一瞬、呆けてしまった。


「陛下、確かに攻め落とすのは容易ですが、そんなことをすれば他の国が黙っていますまい」


当然だ。

攻めても問題ないのであればとっくの昔に攻め落としている。

しかしそんなことをすれば他の国が共同して我が国へと攻め込んでくる。

いくら我が国の国力が他国より大きく上回っているとしても、連合して攻められては厳しい。

これは周辺国との強力な条約があるからだ。

何処かの国が他国を正当な理由なく攻めた場合、他の国は共同して攻めた国へと攻撃を行うべし、という条約だ。

この地域は昔から紛争が絶えなかった。

だからこそ全ての王が直接会合し、直筆で署名を行い、全ての国がその合意書を保管してまで結んだ条約だ。

魔法契約も使用されている以上、条約破りは許されない。


そのはずだった。


「例外が発生した。『戦神の加護』を持つ者が王族に生まれていた。今は平民へと落とされたみたいだが、その確認が必要だ」


「・・・なるほど。ではその者が本当に王籍を抜いて追放されたか確認しないといけないわけですな? バレット王国の王宮で」


「そうだ。時は一刻を争う。すぐに軍を纏めて侵攻しろ」


「ははっ!」


そうして儂はすぐに軍を纏め、バレット王国への進軍を開始した。

『戦神の加護』は自分の配下を著しく強化する。

その加護を持つ者が軍団長や王族になれば、その国の軍は一騎当千の猛者の集まりとなってしまう。

だからこそ、先の条約には例外規定を設けていた。

『戦神の加護』を持つ者が王族に生まれた場合、加護が発動する成人となる前に、その者を王籍から抜いた上で追放しなければならない。

もちろん、婚約者や伴侶が居た場合はその関係を解消する。

それを行わない場合、他国から攻められても他の国が助ける必要はない、という規定だ。

また、加護を授かったかどうか、また加護を授かったとしても誰が授かったのか、公表する義務はない。


だからこそ、『戦神の加護』を授かった可能性が高いという証拠を確保した国は、『きちんと追放されているか確認する』という名目で攻め込むことが可能となっていた。


調査という名の名目で軍を進めた時点で、加護を持った者が王族に居らず追放されていれば双方お咎めなし。

加護を持った者が王族に残って居たら、判明した時点から他の国も進軍開始。

そして加護を持った者が王族に居た、という証拠を確定出来なければ、攻めた側に他国からペナルティが科される。


つまり、加護を持った者が王族に居た、という確度の高い証拠を見つけた国は、それを理由に攻め込むことが出来るのだ。

しかも1国だけでなく、何カ国でも。

そして攻め込んで切り取った権益はそのまま攻め手の国の利益となる。


ガネーシャ王国は大国故に、何処よりも早くその情報の確度を高めることができた。

それ故に、単独でバレット王国へと進軍することとなった。





その後、僅か一月でガネーシャ王国軍は総力を挙げてバレット王国内へと踏み入った。


お読みいただきありがとうございます。

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