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#21 錬魔士への緊急依頼 その四

「とりあえずこのくらいでいいかな」


僕は今時点で考え付く対処薬を作り上げるとフラリスとイリアスに手渡しながら説明した。


「まずは原因の特定が必要だから渡した順番に薬を使ってくれ」


「最初は細菌類に対する処方薬だ。実はこいつが一番厄介で肉眼ではほぼ分からないから僕達が攻撃されても発見が難しいんだ」


「この薬で改善できればよし。改善されなければ殺虫剤を使ってみる。こいつは僕の知識の中にあるありとあらゆる害虫に効く成分で作られているから害虫が原因なら症状の進行は止まるはずだ」


「それでも駄目なら未知の生物もしくは未知の病気の可能性が高くなる。そうなると解決は一気に難しくなる」


念のために【オール万能薬】なるチート薬も調合したが素材がレアすぎて僕のチートスキルで作るオリジナルしか作る事が出来なかったので秘密にしておいた。


薬を渡し終えた僕達は谷の長である巨木のある中心地へと向かって歩を進めた。


「前方ななめ右30度の方向。何者かの気配があります!数5!」


「弓矢が来ます!ウインドシールド!!」


セジュの索敵から割り出した方角から弓矢の雨が降り注いだが保持していた風魔法で迎撃をする。


「フラリス!イリアス!こいつらに見覚えはあるか!」


僕は答えの予想はついていたが念のためにふたりに確認した。


「里の仲間達ですわ」


「皆どうして!?私達が分からないの?」


フラリス達の必死の叫びも襲撃者達は表情ひとつ変えずに次の矢の準備をし僕達に構える。


「仕方ない。ちょっとおとなしくしてもらうか。ミスド、セジュ頼む」


「「了解!!」」


「ブライントルネード!」


「うぉぉぉお!瞬歩!アーンド雷鳴一閃(最弱)」


セジュの魔法で敵の視界を遮り、ミスドの剣圧で敵を無力化していく。


精霊同士の戦いでも戦闘のプロフェッショナルと身体能力があるだけの素人では勝負になるはずもない。


あっと言う間に襲ってきた者達を無力化して縛り上げた。


「それじゃあ薬を試してみようか」


気がついた時に暴れられないように拘束させてもらい、一人づつ起こして試してみた。


「まずは殺菌剤、続いて殺虫剤」


それぞれ試してみるも、改善する様子がない。


「参ったな。これ程効果が無いとは、さてどうするかな?」


僕はふとイリアスが正気に戻った時の事を思い出した。


「もしかしたら魔力ダメージによる気絶で正気に戻るのか?」


まだ仮定でしかないために試すのは少々気が引けるが薬が効かないからには試してみる価値はあるかもしれないな。


「そうだな、試すとしたら【雷】か【水】になるけどイリアスの時が電撃だったから雷で試してみるか」


「セジュ。とりあえずこっちの方から電撃魔法をかけてみてくれ」


「ああ、死なない程度に頼むよ」


「なっ何だと!貴様ら鬼か!」


「ガアァァァァ!!」


「話しの通じない奴等に構っている暇は無いんだって気絶したか。セジュ今度は回復魔法を頼む」


「了解です。マスター」


セジュは僕の指示どおりに回復魔法をかける。


「こっ、ここは?俺は何をしていたんだ?」


気絶から回復した男は何かから解放されたように頭を振りながら辺りを見回していた。


「ふむ、やはりそうだったか。なるほどな、まだ推測の域だが精霊達の体内に僕の知識外の物質が存在していて、それを魔力にて破壊すれば洗脳から解放出来る訳だ」


「せっかく作った薬が無駄になったな。まあまた別の時に使えばいいか」


僕は二人から効かない薬を回収してシールに収納してもらい、代わりに回復薬を出してもらった。


「よし!状況の把握は大体ついたからいよいよ本命といくか!対処方法が分かれば何とかなるさ」


「今回は主にセジュの電撃魔法でのダメージと回復で行くからね。回復は間に合わなければ『気付け薬』と『回復薬』があるから併用していこう」


僕は皆と共に学ぶ谷の中心、巨木の精霊『フリッジス』に会いに歩を進めた。

執筆ペースゆっくりになっていますが更新はして行きます。

よろしくお願いします。

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