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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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攻略パーティー 2

私とヘンリーさんは、なぜか勇者達と一緒にバーベキューを楽しんでいる。私としてはロイさん(カーン子爵の五男さん)の料理が食べられるので文句を言うことでは無いのだが・・・・。


こうなったのは、勇者が攻略依頼を出したパーティーが到着したからだった。情報収集を兼ねて食事会に出席している。今回のパーティーは「マリオネットソード」というらしい。メンバーのほとんどは私が知っているメンバーだった。


まず、先代の勇者パーティーのメンバーだった赤毛の女剣士と魔法使いの男、それにテトラシティで勇者パーティーのダンジョンガイドをしていた獣人の少女だった。私の知らないメンバーはインプ族の小柄な少年とこれといって特徴のない魔族の男だった。

この二人は、今回勇者パーティーと戦った魔族チームの元メンバーでかなりの実力者だという。どちらもそれ程強そうには見えないが・・・。


ヘンリーさんが言うには、今の勇者パーティーと同等の実力はあるようだった。なので、今回もダンジョンの難易度を上げることになった。




そして、いよいよマリオネットソードがダンジョン攻略に挑むことになった。今回も骸骨騎士様ロンメルさんが戦力分析に来てくれていたし、ミランダ社長も観戦している。骸骨騎士様ロンメルさんは少し嬉しそうだった。


「我が弟子が息災で嬉しい限りだ」


そう言えば赤毛の女剣士は骸骨騎士様ロンメルさんの弟子だった。

それと私が把握していなかった残りの二人についてはミランダ社長が把握していた。


「あれ?ローグじゃない?」


魔族の男はローグと言うらしい。ミランダ社長とヘンリーさんと同じ魔巧流まこうりゅうの使い手で「一家に一台、安心安定のローグ」というどこかの魔道具のような触れ込みの二つ名を持つ万能型の魔法剣士らしい。


「それとインプ族の少年はかなりのゴーレム使いよ」


インプ族はゴブリン族と並ぶ魔族最弱種族の一つだ。その少年が魔族チームの代表になるなんて不思議に思っていたが、ゴーレム使いだったのか。それなら納得がいく。


まず最初にマリオネットソードが向かったのは植物系のエリアだった。魔法剣士のローグが自分と剣士の武器に火属性魔法を付与していた。二人ともかなりの剣技の持ち主で、しかも植物系の魔物が苦手な火属性魔法を付与されている武器を使用しているので、熱したナイフでバターを切るかのように、魔物達は切り伏せられていく。あっという間に攻略されてしまった。


次は、飛行系エリアだ。ここでは魔法剣士ローグと魔法使いの男が魔法で空中の魔物を落とし、地上では女剣士とゴーレムが蹂躙する。


「それにしてもスムーズに攻略し過ぎッスね。罠も簡単に解除されてしまうし」


ダクネスの言葉にミランダ社長が続ける。


「それだけじゃないわ。ダンジョンガイドの少女がダンジョン分析をしっかりやったようね。魔物のパターンなんかも事前に分かってる感じだし」


ダンジョンガイドの少女も成長しているようだった。


3つ目の鉱山エリアはゴーレム同士の対戦となった。面白い戦いが見られると期待していたが、一方的な展開だった。だって、向こうのゴーレムが質も量も段違いだったからだ。フルボッコとは正にこのことだろう。

ここでダクネスが質問してきた。


「予定通り、ダンジョンボスはミスリルワイバーンでいいッスか?」


骸骨騎士様ロンメルさんが答える。


「それで構わん。空中からのミスリルの弾丸で攻撃して、持久戦に持ち込むしかなかろうな」



そして、いよいよダンジョンボスとの戦闘が始まる。

ミスリルワイバーンは予定どおり、空中からミスリルの弾丸で攻撃する。これで持久戦に持ち込めば・・・・。

しかし、そんな期待はすぐに消えた。ゴーレム使いの二人が大量にゴーレムを召喚し、そのゴーレムが一斉にボウガンで矢を放ってきた。鏃には爆発する魔石が取り付けられているようでかなりの破壊力だ。

こちらの攻撃はゴーレムには被弾するものの、パーティーメンバーには当たらない。圧倒的な物量の差が出てしまった。


「かなり厳しいですね。このままではミスリルワイバーンが為す術もなく討伐されてしまう」


「そうだな。地上戦に持ち込むしかななかろうな・・・」


ヘンリーさんも骸骨騎士様ロンメルさんも打つ手がなく、結局、地上戦を選択した。地上戦でも相手の物量作戦に押しつぶされた。何体ものゴーレムを打ち倒したが、どんどんとゴーレムは補充されていいく。最終的には、女剣士がミスリルワイバーンを一刀両断にして勝負が決まった。


「あの物量を考えると、ニューポートがかなり支援してますね。個人のパーティーでは賄いきれない位の物資でしたね」


「まるで大帝国の戦い方だな。よく考えてみればオルマン帝国の貴族が二人いるから、そのような作戦に出ても不思議はないな」




後日、詳しくマリオネットソードを調査したところ、面白いことが分かった。先代の勇者パーティーの魔法使いの男はローグの元妻と結婚している。ダンジョンガイドの獣人の少女はローグと元妻の娘だそうだ。

ローグはというと先代勇者パーティーの赤毛の女剣士と結婚しているらしい。

それに獣人の少女とインプ族の少年もいい感じのようだった。


私と女性スタッフ3名は、戦力分析もそうだが、そちらの恋愛事情の方が気になった。嫌でもドロドロした恋愛模様を想像してしまう。当然、ガールズトークに花が咲いた。今回は、恋愛に興味がなさそうなミランダ社長も加わる。


「おかしいわね。ローグは私のことが好きだったはずなのに・・・」


ミランダ社長のつぶやきに一同驚愕する。


「マジッスか?ここに社長も加わるんスか?」

「ヤバいですね」

「演劇になりそうですね」


そこにヘンリーさんも加わった。


「戦力は申し分ないですが、それは心配ですね。パーティーのもめごとの原因のほとんどが、金銭問題と男女問題ですからね・・・・」


その通りだ。

私も意見を言った。


「いくら実力があっても、トラブルを抱えているパーティーはちょっと・・・・」



しばらくして、そんなパーティーがこのダンジョンを訪れることになるとは、この時は思いもよらなかった。

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