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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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攻略パーティー 1

「ちょっとおかしなパーティーが来てるッス!!」


タリーザの報告を受けて、そのパーティーを確認する。

そのパーティーは人族の男女4人とハーフリングの初老の男性一人のパーティーだった。詳しく見ていくと女性の弓使い、女性の回復術士、男性の剣士、男性の魔法使いのパーティーにハーフリングの斥候スカウトで派手さはないものの、堅実な戦い方をしている。それにハーフリングの斥候スカウトも戦闘にはあまり加わらないが、罠の解除やサポートは抜群だった。


「結構な実力者なんスけど、一つのエリアを攻略したらすぐ帰還するんスよ。前回は植物系エリアだったんッスが、今回は鉱山系エリアと飛行系エリアをクリアしたらすぐに帰還したんスよ。素材採取メインではないと思うんスけど・・・。ちょっと変かなと思って・・・・」


タリーザに対して、ヘンリーさんが答える。


「おかしいですね。念のためロンメル殿に見てもらいましょう。それと僕とナタリーはそのパーティーの調査をしよう」


次の日もそのパーティーはダンジョンにやって来た。今回は3つのエリアすべてをクリアし、キーストーンを入口の壁に埋め込みダンジョンボスに挑んだ。ダンジョンボスはワイバーンを配置していた。勇者パーティー攻略以降、難易度は以前の状態に戻していた。

しばらくして戦闘が始まる。ワイバーンは遠距離攻撃能力が十分あるパーティーでないと討伐は難しい。弓使いが一人、そこまで攻撃魔法が得意ではない魔法使い一人では、火力は足りない。案の上撤退していった。


「ごめんなさいッス。全然大したことなかったッす」


ダクネスが謝罪するが、骸骨騎士様ロンメルさんは違っていた。


「このパーティーは面白い。軍略を分かっておる。早期にこのパーティーを発見したダクネス殿の眼力は称賛に値する」


ダクネスは照れてはいたが、かなり嬉しそうだった。


そして次の日も、そのパーティーはやって来た。順調に3つのエリアを攻略して、ダンジョンボスに挑んできた。このダンジョンでは、3つのエリアを攻略する過程で、そのパーティーが一番苦手であろう魔物をダンジョンボスとして出現させている。

今回もワイバーンを設定しようとしていたところ、ヘンリーさんに止められた。


「用意周到なパーティーなので、ワイバーン対策はしてきていると考えます。ここは違ったダンジョンボスを出現させましょう。ロンメル殿、いかがでしょうか?」


「そうだな。我もそれが良いと思う」


そして、出現させたのはグリーンスライムだった。Bランクの魔物で、クワトロメイズのニールさんがダンジョンボスとして使っていた魔物を小型にしたものだ。毒攻撃や状態異常攻撃が得意で防御力も高い。初見での攻略は難しいだろう。


早速剣士が、毒攻撃を受けてしまった。回復術士の女が治療魔法を掛けている。弓使いと魔法使いが牽制して間合いを取って攻撃をしていた。無理はしないようだ。

そして、またしてもそのパーティーは撤退していった。


私は思わず口に出してしまった。


「あのパーティーは一体何がしたいのでしょうか?まだまだ勝てるチャンスはあったのに・・・」


「ナタリー殿がそう思われるのも当然だが、そのうち嫌でも分かると思うぞ」


骸骨騎士様ロンメルさんが意味深に答えてくれた。



そして3日後、またしてもそのパーティーはダンジョンボスに挑んでいた。今回のダンジョンボスはゴールデンブルだ。牛系の魔物で「光の洞窟」のネロスさんと共同開発した金属コーティングできる魔道具を使い、ゴールドでコーティングしている。ミスリル程防御力は高くはないが、それでも元々がパワーと耐久力のある魔物であるし、派手な見た目なのでダンジョンボスには向いていると思う。


骸骨騎士様ロンメルさんが言う。


「このパーティーは、粘り強いというか、我慢強いというか・・・。普通ならまた最初から攻略をやり直さねばならないのなら、無理してダンジョンボスに挑むところを躊躇なく撤退して、何度も挑戦して来る。冒険者というよりは、都市防衛の司令官などが向いてるかもしれんな」


意外にも骸骨騎士様ロンメルさんの評価は高いようだ。


戦闘が始まるとそのパーティーは、やはり安全策を取って来た。ゴールデンボアは高いパワーと耐久力を生かした突進攻撃がメインだ。並みのパーティーなら一撃で全滅させられる。それが分かっているようで、決して無理な戦いをしなかった。

今回もこのパーティーは撤退するのではないかと思っていたが、今回は討伐を目的に行動していた。

魔法使いの男と回復術士の女が同時に叫ぶ。


「「ウォールプロテクション」」


魔法使いの男は土魔法が得意なようで、これまでもストーンバレットで攻撃したり、土壁を作ったりして攻撃を防いだりしていたのだが、今回はその土壁に回復術士の女が結界魔法を重ね掛けしていた。回復術士の女は結界魔法も得意なようだった。


ゴールデンブルは土と結界の壁を中々突破することができず、足止めを喰らったところに弓使いの女と剣士の男がヒットアンドアウェイで、ちまちまとダメージを与えている。一撃で仕留める火力はないが、確実にダメージは入っている。

ヘンリーさんが言う。


「ゴールデンブルをダンジョンボスにしたのは失敗だったかもしれませんね。このパーティーには相性が悪い」


「それはそうかもしれんが、ここまで粘り強くダンジョンボスに挑み続けた彼らを褒めるべきではないかな?」


骸骨騎士様ロンメルさんが答える。

しばらくして、魔法と結界の壁はゴールデンブルに突破された。ゴールデンブルはまっすぐにパーティーに向かって行く。そうしたところ、ゴールデンブルは落とし穴に落ちてしまった。ハーフリングの斥候スカウトが仕掛けた落とし穴が発動したみたいだ。


「勝負あったな」


骸骨騎士様ロンメルさんがつぶやく。

このパーティーはこれを狙っていたのだろう。土と結界の壁と弓使いと剣士の攻撃は落とし穴に嵌めるための布石に過ぎなかったのだ。落とし穴に落ちて足止めされたゴールデンボアにパーティーで総攻撃を掛けている。

程なくしてゴールデンボアは消滅した。彼らが4組目の攻略パーティーとなった。




後日、このパーティーを調査した。パーティー名は「ベッツ・スパクラブ」、ノーザニア王国の温泉地ベッツを拠点に活動するAランクパーティーだそうだ。人族の男女4人にダンジョン攻略用に臨時でハーフリングの斥候スカウトが加入していたらしい。

以前にベッツにできた無許可ダンジョンで遭難した際に勇者パーティーに助けられたことがあるようで、今回のダンジョン攻略も勇者に依頼されてのことだったらしい。


ヘンリーさんは言う。


「彼らは是非、リバイネ様の救出作戦に加わってもらいましょう。情報から、勇者が依頼すれば必ず応援に来てくれますしね」


何とか、戦力増強の目途が立った。

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