表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル《絶対殺すマン》持ちの俺は、死ねない少女と旅をする  作者: 日並うたたね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/31

第20話 悪夢の終わり

ユニークスキルの発動。

それは、相手の"確実な死"を意味する。


この戦いが終わったことを確信したウィルは、勝利の雄叫びをあげた。


ウィル「っしゃぁぁぁぁぁぁああ!!!」


(本当に.......これで終わったんだ......!)


ふと、スピカに視線を向けるウィル。

そこには______

涙を浮かべる彼女の姿があった。


ウィルはスピカの元へと走り出した。

それに合わせてスピカもウィルの元へ駆け寄る。


洞窟の裂け目から覗く満月。

月明かりに照らされる幻想的な舞台の上で___

ふたりは強く抱きしめ合った。


スピカ「ウ......ウィルさ~ん......やりました.......私たち.......やりましたよ~..........」


ウィルの腕の中で、顔をくしゃくしゃにしながら泣きじゃくるスピカ。

そんな彼女を抱きしめながら、ウィルは先ほど終わった戦いを思い返す。


(今回の戦い........スピカがいなきゃ絶対に勝てなかった。徹夜で覚えた魔法......水の精霊を呼び寄せた優しさ........そして______恐怖に立ち向かう勇気。ひとつでも欠けていたら.......)


ウィル「スピカ......本当にありがとうな」


ウィルは更に力強くスピカを抱きしめた。


イリア「イチャついてるところ申し訳ないんだけどさ.......」


イリアがふたりに顔を近づける。

その言葉を聞いて急にこっぱずかしくなったウィルは、慌ててスピカを引きはがした。


ウィル「イ.......イチャついてなんかいないだろうがよ!!」


イリア「へぇ........鼻の下伸びてるけど?」


イリアがため息交じりに呟いた。


スピカ「鼻の下が伸びる......ウィルさんもしかして.......ゾーイに変な魔術でもかけられたんじゃあ......!?」


イリア「ブッ!」


スピカの大真面目なボケに、イリアは思わず吹き出してしまう。


ウィル「あ~!うるさいうるさい!!」


顔を真っ赤にして慌てるウィル。

その様子を見ているスピカの顔は、いつもの笑顔に戻っていた。


イリア「そんなことよりさ......あれ、放っといていいの?」


イリアは結界に囚われているカーティスをゆび指した。


(そうだ~!! カーティス! すっかり忘れてた~!!)


慌ててカーティスの元へ駆け寄るウィルとスピカ。


ウィル「ごめんカーティス! あんたのこと放って.......」


カーティス「頑張ったね」


ウィルの言葉を遮ると、カーティスは言葉を続けた。


カーティス「ふたりとも.......本当によく頑張ってくれた。君たちは......」

「最高の仲間だよ」


カーティスが優しく微笑む。

その言葉を聞いた瞬間______

ウィルの緊張の糸が一気に解けた。


仲間______

前の世界で築くことができなかった特別なもの。

ずっと欲していたその言葉を初めてもらったウィルの目からは_______

自然と、涙が零れ落ちた。


ウィル「あ~くそ! .....なんなんだよこれ!」


ウィルは流れる涙を懸命に袖で拭う。


イリア「男のくせに随分と泣き虫なのね」


小ばかにするように両手を広げるイリアに、スピカは大真面目な顔をして答える。


スピカ「ダメですよイリアさん! ウィルさんは純粋なんですから!」


ウィル「お......おまえら~!!!」


ウィルは再び顔を真っ赤にして怒り出した。

その様子を見て「クスッ」と笑うと、カーティスはイリアに視線を向けた。


カーティス「それにしても、水の精霊とは........まさかこの目で見られるなんてね」


イリア「あら? もしかして見惚れてるの?」


カーティス「いや、単純に興味があるんだ。君の様な存在は、大変希少なんでね」


イリア「ふ~ん......つまらない男」


イリアは少しガッカリした素振りを見せると、軽くため息をついた。


カーティス「色々と話を聞きたいところではあるが______まずは村の人たちに知らせてあげよう」

「......悪夢は終わったと」


(そうだった! 早くみんなに知らせて安心させてやんね~と!)


ウィル「でもよ、まずはこの結界をどうにかしないと!」


ウィルはカーティスを覆う結界をまじまじと見つめた。


カーティス「それなら問題ない。術者はもう死んでいる......しばらくすればこの結界も消えるだろう」

「私はあとで合流するから、先に戻って楽しんでいてくれ」


イリア「ん? 楽しむって?」


スピカ「村の人たちがご馳走を用意して待ってるんですよ!」


イリア「ご馳走.......だと?」


イリアの目がキラーンと光る。


イリア「ならこんなところでボケっとしてらんないわね!ホラ!さっさと行くわよ」


イリアは洞窟の入口目指して一目散に飛んで行った。


スピカ「え? あ! 待ってください! ご、ごめんなさいカーティスさん! 先に行きますね!」

「待ってくださ~い! イリアさ~ん!」


ウィルは心配そうにカーティスを見た。

笑顔で頷くその顔を確認すると、ウィルもふたりの後を追った。


カーティス「.......さて」


ふたりの姿が見えなくなるのを確認すると、カーティスは右手で結界に触れた。

すると_______


パリーン........


覆っていた結界は、ガラス細工のようにいとも簡単に崩れ落ちた。

まるで______

最初から存在などしていなかったかのように。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ