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プロローグ

 

 想晶そうしょうを狙う想晶専門の怪盗は、後を絶たない。連日、新聞を賑わせる彼らの犯行は、世間を騒がせ続けていた。


 それは、量産はできず、ひとつとして同じものはない。その希少性と美しさは、人々を魅了し、時に狂わせた。


 そんな中で、最も有名な怪盗がいた。

 怪盗リアム・ノワール。


 『華麗なる怪盗』と呼ばれる男について、世間の噂は尽きない。


 曰く、全身黒ずくめの装い。

 曰く、美しい顔立ち。

 曰く、盗んだ想晶はすぐに市場に出回る。

 曰く、人は決して殺さない。


 その正体は謎に包まれ、誰一人として捕まえることはできない。


 今宵もまた、彼はひとつの想晶を手にし、屋根の上に立っていた。


「────これも違うか」


 探しているのは、ただの想晶ではなかった。


 怪盗リアム・ノワールは、まだ見ぬ目的の『想晶』に辿り着くまで、夜を翔け続ける。

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