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放浪魔女ソ・ウンジェ  作者: ソ・ウンジェ
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002 ナネシルの魔女(2)

マジアンの小屋から道を下っていくと、ナネシルという村に着く。


田舎ならどこにでもありそうな小さな村だった。村人たちは自分たちの村を愛していたが、他の人にまで愛してほしいと言うのは少々無理がある。そのくらいには、ごく普通の田舎の村だった。


村の裏手の栗の林に魔女が住んでいることは、ナネシルの人々にとって、さほど特別なことではなかった。マジアンという小さな女の子は、ずっと前からその林に住んでいたが、初めて村へ下りてきたのは一年前で、自分は魔女だと名乗った。


心配と恐怖の入り交じった視線を受けながら、マジアンは保護者は必要ないと言った。ただ、ときどき必要なものを手に入れるため、村人たちを手伝いたいというだけだった。


ナネシルの住民の大半は、他の村へ行ったことすらなかったので、よその村にも魔女が住んでいるのかは知らなかった。だが、十六歳の女の子を魔女だからと迫害するほど性根の悪い人々ではなく、彼女に危害を加えることはなかった。


そしてこの一年、マジアンは人を食べたり娘をたぶらかしたりする代わりに、井戸を掘り、子供の熱を下げ、イナゴを追い払い、道端の草を刈った。


魔法は初めて出会えば奇妙で恐ろしい。だが、一年も一緒に暮らせば、大抵の人は大いに頼るようになる。


「おーい! マジアン!」


村の入口にある小屋の前で、がっしりした青年が、下りてきたマジアンに挨拶した。


背の高い筋肉質の青年は、はしごに登って、小屋に取り付けた店の看板を直していた。


看板には『栗の木亭』と大きく書かれており、栗の形のマスコットが壊れて、ぶらぶら揺れていた。


「おはよう、ホルイ。パブに人はたくさんいる?」


「正気か? まだ朝の十一時だぞ。うちだって、十一時からビールを飲む酔っ払いはお断りだ」


「あ、そっか。みんな麦畑に出てるんだね。じゃあ、ここはパス」


ホルイはくわえていた釘を左手に移し、不思議そうに尋ねた。


「どういうことだ? パスって?」


「あー、実はあたし、しばらく村を離れるんだ。最後にみんなに会ってから行こうと思って、下りてきたの」


「ええっ? マジアン、来週は裏山の草を刈ってもらわないと。山道が草だらけなんだ。秋に栗を拾うには、道をまた開けておかなきゃ」


「ホルイ。この村に男が何人いるの? 十人も鎌を持っていけば、すぐ刈れるよ。何でも魔女に頼もうとする姿勢は、すっごくよくないんだからね」


「そうか? いや、でも、どれくらい留守にするんだ?」


マジアンは少しためらった。自分でも、その問いの答えを知らなかったからだ。


「分かんない。でも、すごく長くなると思う。元気でね、ホルイ」


にこりと笑って、彼の横を通り過ぎた。


村の入口から続く大通りを歩くと、中央に大きな井戸がある。ナネシルには十五の井戸があったが、中央の井戸は一年中枯れることなく水が豊富なので、いちばん人が集まる場所だった。


マジアンがそこへ着くころ、水を汲みに来た三人の娘がおしゃべりしていた。


「おはよう、ジナ、イカン、ガーネット。今日の話題は何?」


三人に向かって手を振る。


「マジアン! こっちへおいで。ちょうどあなたの話をしてたの。来月、ガーネットの結婚式があるの、知ってるでしょ?」


「そう。お父さんは、その日に花火をやってほしいみたいなんだけど、私はちょっと違うんだよね。むしろ、きれいなブーケを作ってもらう方がいいなって。魔女のブーケってどんな形になるのか、すごく気になる!」


マジアンは笑ってガーネットを見た。


「ごめん、ガーネット。あなたとホルイの結婚式には、行けそうにない。しばらく遠くへ旅に出る予定なの」


水桶を引き上げていた三人は、目を丸くして彼女を見た。


「えっ? 旅に出るの? もしかして王城に行くの? 王子様と結婚するの?」


「魔女の集会に行くの? プライム・ウィッチになるとか?」


「ちょっと、ばか! プライム・ウィッチなんていないでしょ! マジアン!! 邪悪なリッチキングやドラゴンを倒しに行くんだよね? プルシン王国に十枚も翼がある竜が現れて、お姫様をさらったって……きゃっ!」


隣のナビが大きく鳴くと、最後に話していたジナが驚き、言葉を濁した。マジアンはにこりと笑って首を横に振った。


「そういうことをしに行くんじゃないよ。それとガーネット。結婚式には行けないけど、その前にプレゼントをあげる」


ガーネットの耳元で、静かにささやいた。


「ガーネット。あなたのお腹の子は、金髪の、とても元気な子として生まれるよ。生まれてからもお乳を吐かず、ぐっすり眠って、病気知らずで、お父さんとお母さんに、とても愛らしい笑顔を見せる子になる。魔女の祝福を願って、その子にはネシルと名づけて」


感激した目で自分を見つめるガーネットに、マジアンはそっと手を振り、井戸端を離れた。


中央の井戸から右へ曲がって少し歩くと、村長のサムイが住む小さな木の家がある。村の男たちの大半は夜明けから麦畑へ出ていたが、村で最年長のサムイは畑仕事には行かず、家の前庭を掃いていた。


「ああ、マジアン! 村へ来るのは久しぶりだね」


「サムイ、久しぶり」


「朝、ジオが来たんだが、旅に出ると言っていたそうだね?」


「うん。旅立つ前に村を見て回ろうと思ったんだけど、みんな畑に出てて、あんまり人がいないね」


サムイはうなずき、ほうきを脇へ置いて、家の前の椅子に腰を下ろした。


「今年は麦がよく育っていてありがたい。ひどい干ばつになりそうだったのに、井戸も枯れなかったし……全部君のおかげだよ、マジアン」


「ありがとう、サムイ。もともと大勢に会うつもりじゃなかったから、あなたに最後の挨拶をして、出発しようと思って」


「最後の挨拶?」


「うん」


マジアンは、サムイの顔に浮かぶ心配を読み取った。


「帰ってこないのかい?」


サムイは六十年以上、この村で暮らしていた。動くのも難しい何人かの老人を除けば、誰より村に詳しく、村や耕作する畑、森のあらゆる事情を知り尽くしていた。


だからこそ、マジアンが来てからの一年が、どれほど実り豊かだったか、よく分かっていた。


「正直、よく分からない」


マジアンは、最後にもう少しナネシルの空気を吸い込もうとするように、大きく息を吸った。


「あたしは魔女。でも、ナネシルはあたしにとっても大事な場所だよ。ここで育って、イネルシルとナビに出会って、あなたたちと、けっこう楽しい一年を過ごした。あたしもあなたたちも、他の世界はよく知らないけど、魔女と友達になろうとする人なんていないのが当たり前だって聞いてた。それなのに、みんなあたしをずいぶんよくしてくれたね」


「そうだね。私も魔女のいる他の村はよく知らないが、普通は娘をたぶらかすだとか、人を食べるだとか言われているくらいだから」


「もちろん、あなたたちも、あたしの本当の友達にはなれないけど」


その瞬間、サムイはふと、目の前の少女を普通の女の子ではない、別の何かのように感じた。だが、マジアンはその表情にも構わず続けた。


「でも、村長として、恐怖で目が曇って森に火をつけ、魔女と戦う代わりに、仲良くして祝福を受けようとしたのは、かなり賢い選択だったと思う。あたし、他の魔女に会ったことがないから、どれくらい強い魔女なのかは分からない。でもイネルシルは、あたしが唯一の存在だって言ってたから、あたしの祝福も、けっこう強いんじゃないかな?」


「そうだろうね。この一年で井戸が六つも増えたし、麦も豊かに育って、栗の木にもたくさん実がなりそうだ……。正直、君には行ってほしくなかった。だが、どうしても行くのなら、いつか帰ってきてくれることを願うばかりだよ」


マジアンはにこりと笑って、静かに言った。


「いつか帰ってくるまで、これがみんなへの最後の祝福。ナネシルはいつまでも美しく、あなたたちが汗を流して育てた実りは豊かになる。子々孫々栄えて、お父さんは息子へ、その息子は孫へ、変わらず美しい景色を受け継がせることができるよ」


サムイも彼女を見つめ、深く微笑んだ。


「ありがとう。これからどこへ行くんだい?」


「たぶん、王様のいるところ」


そう言うと、マジアンはくるりと体を返し、村の外へ続く道を歩いた。サムイはそのとき初めて、彼女の隣に黒猫がいることに気づいた。遠ざかる背中を見ながら、もう一度つぶやいた。


「いつか君にも、ナネシルの祝福が届きますように。マジアン」


[お知らせ]

この小説は本当にフィクションです。作者が、とある魔女に脅されたり洗脳されたりして彼女の物語を書いているわけでは絶対にないことを、あらかじめ明記しておきます。どうか、どなたも誤解なさらないでください。


ソ・ウンジェのYouTubeチャンネルも、ご覧いただけると嬉しいです……。

https://www.youtube.com/@WESTEUNJAE

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